本日は「山猫忌」

 本日は長谷川四郎さんの命日「山猫忌」です。
 亡くなったのは1987(昭和62)年4月19日でした。そろそろ亡くなって30年となり
ます。別に「山猫忌」ということで、長谷川さんをしのぶ集まりがあるわけではな
く、思い思いのスタイルで長谷川さんの作品を読み返すというのが「山猫忌」です。
 以前にも記していますが、長谷川四郎さんの「山猫」は、ほとんど最後の著作となっ
た「山猫通信」によっていますが、この「山猫通信」のなかには、この山猫というのは
このエッセイを「ユリイカ」に連載する頃にフランスの町工場で「山猫スト」が行われ
たという新聞記事を読んで、タイトルを「山猫通信」としたとあります。 

山猫通信

山猫通信

 そうして、自らを山猫と呼ぶようになりました。長谷川さんは、山猫ストというスタ
イルが好きだったのでありましょう。山猫ストの意味は、「デジタル大辞泉」によりま
すと、次のようになります。
山猫ストの用語解説 - 《wildcat strike》労働組合の一部の組合員が、中央指導部の
承認なしに行うストライキ。山猫争議。」
 どこか上のほうから指示をうけて行動するのではなく、自らの意志で動くのが山猫ス
タイルとなります。これが長谷川四郎流でありまして、中央指導部の指示なしに長谷川
さんを各自がしのぶ、それが「山猫忌」です。
 当方は、この街で販売されている、ほとんどただ一冊と思われる本を購入(もちろん
だぶり本)し、これのページを開いて、小説を一篇読んで、ギターをとって弦をはれに
メロディをつけたものを口ずさむのでありました。
長谷川四郎 (ちくま日本文学全集)

長谷川四郎 (ちくま日本文学全集)