本日の本

 本日は、昨日に届いた本を手にしていました。
一番ながく手にしていたのは、次のものです。

母の母、その彼方に

母の母、その彼方に

 2013年から2015年にかけて「考える人」に9回連載されたものに、加筆して単行本
となったものです。
 これは四方田さんが自分の家族の来歴について記したもので、雑誌連載中からまと
まった時点で購入して読もうと思っていたものです。
四方田さんのウィキペディアを見ましたら、そこそこ伺い知ることはできるのですが、
それについてのご本人がどのように書くのかというのぞき見趣味でありますね。
 どうしても先のほうが気になるのですが、あまり先を急がないようにして読みすす
めることにします。本日読んだなかには、次のようなくだりがありました。
「祖母が抱いていた秘密とは、はたして柳子のことだけだったのだろうか。彼女は柳
子の存在を隠し続けたように、ひょっとして自分の人生についても多くのことを隠し
続けていたのではないだろうか。・・・・
どのような家にも語ってはならない秘密があるとはよくいわれることであるが、自分
が突然に鏡花の『婦系図』の世界に迷い込んでしまったような、不思議な気持ちに襲わ
れてしまうのだ。」
 これは最初の章にあるくだりでありまして、これをみますと、なんかどろどろとした
ものを想像してしまうのですが、あまりそのようなびっくりすることはないような感じ
であります。
 ということで、この本は、次章から柳子さんという女性について書かれていかれるの
ですが、この女性のくだりは、今のNHK朝ドラの世界にぴったりと重なることでありま
して、ここだけ目にしますと、ほとんど便乗本のごとくでありますが、もちろんそんな
ことはなしです。 
 この本で話題となる明治期の女子教育界での日本女子大学校と大阪の梅花女学校とい
うのは、朝ドラの主人公が深くかかわったところでありまして、それはまた、四方田家
につながる女性たちにも縁のところとなります。
 TVのドラマでは日本女子大学校を創立した成瀬仁藏さんを瀬戸康史さんが演じていま
したし、これからドラマに登場するという平塚らいてうさんは、柳子さんと同時期に日
本女子大学校に在籍されていた方でありました。
 なるほど、これは朝ドラを見る楽しみが増えることであります。