本日のテレビから

 本日に見物していたのは、最近ちがった意味で話題となっている「何でも鑑定団
でありました。
 本日は、文学ネタがいくつかありましたが、ひとつは「正岡子規」のはがきであ
りますが、これがネットオークションにでていて、それを落札したが、いくらくら
いであろうかというものと、もうひとつは「文士録」アンケートへの回答綴が二冊
でていたもので、これはいかほどというものでした。
 文士録はずいぶんたくさんの文人たちが回答を寄せているようですが、そのなか
で一番高額であるというのは、藤澤清造ものであるといっていました。綴をばらし
て一枚単位にしますとそうなるのでしょうが、もちろんこれは作家 西村賢太さん
がどんなに高くても買うからでありますね。藤澤清造というマイナーな作家が注目
されるようになったのは、西村賢太さんの「異様な傾倒」があったからでありまし
て、とにかくどんな断簡零墨であっても、完全にコレクションするということで
すから、売り物があれば、万難を排して入手につとめるのでしょう。売り主とすれ
ば、普通に値段をつければ数万円のものが、オークションにだせば、桁が二つくら
いもかわってしまうことになるのですから、一人のコレクターが、日本での相場を
とんでもないものとしています。きちんとした古書店などでしたら、きちんとした
値付けをしてから、西村さんに話をするのでしょう。
 「本の雑誌」三月号から、西村さんの「幻の筆蹟を通じて」という連載がはじま
りました。

本の雑誌393号

本の雑誌393号

 「異様な傾倒」というのは、この連載の一行目にあるもので、この文章の半ばに
は、次のようにありです。
「この、現存する数の少ないものを凡ゆる手段を講じて入手するのは、私の唯一の
生き甲斐のようなものである。」
 「文士録アンケート回答綴」は二冊セットで、その数十人のなかに一枚だけ藤澤
清造の回答があるのですが、この一枚のために「凡ゆる手段を講じて入手」するの
でありましょうか。この綴が、このあとどのようになっていくか興味をもちました。
 登場した方で、あと一人驚いたのは画家バルテュスに雇われていたという料理人
さんでありました。そういえば、昨年に拙ブログでギベールの小説を話題にした時
に、そのくだりを引用しておりました。
http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20151030
赤い帽子の男

赤い帽子の男

バルテュスは、訪ねてきたギベールに次のようにいうのでありました。
「だったら家へはお昼を食べに来るといい、言っておくが日本食だよ、生粋の日本
人シェフを雇ってるんでね、日本の料理がお好みだといいんだが。」
 この日本人シェフというのは、本日にTVにでていた広島市のシェフと同じ方で
ありましょうか。 http://ilgabbiano.francojapan.jp/about.htm
 なんとなく、バルテュスさんのところには、いつの時代にも日本人シェフがいた
ようでありますので、ギベールさんが訪ねた時と、TVに出演したいたシェフが
働いていた期間は、うまく重なりますでしょうか。