連日片付けを

 7月から8月にかけては片付けの月となりそうです。
 当方の本をどうしようかと思っていたら、隣家の亡父宅にある本を処分すれば、
すこしはスペースがでてくるかもしれないというよこしまな発想です。
 そういうわけで、まずは亡父の持っている本から整理となりますが、書棚に背表紙
が見えているものの前に、押し入れなどにあるものからです。
 当方が古いものを捨てずに、いつまでも保存しているというのは、この作業を通じ
て父親譲りであるということを痛感です。今となっては、ほとんど資料価値も亡くなっ
てしまっているものは、思い切って処分であります。やみくもしてもいけませんので、
すこしは中を見ながらでありますが、そのときに、こんな雑誌がはいっていました。

 亡父が保存していたのは短歌同人誌「アララギ」とその地方版でありまして、これら
は自分が加入した昭和15年頃からのものが、ほぼ合冊の形で残っておりました。
すでに解散してしまった結社のものでありまして、これに関心を示す方はほとんどいま
せんでしょう。
 そんななかに一冊はいっていたのが「文學界」昭和23年四月号「横光利一追悼号」で
ありました。どうしてこれがまじっていたのかは不明であります。亡父が横光利一
ファンであったという話は聞いたことがありません。
 「文學界」といえば、文藝春秋社よりでているというふうに思いますが、この時代の
版元は、「文學界社」というところになっています。
文學界」の創刊は1933年に創刊され、戦時中に筆禍事件をおこし発禁となり、その
時に菊池寛の資金援助を受けるようになったとありますが、敗戦後は文藝春秋社が
解散を命ぜられたことなどで、版元を担うことができず、それでこの頃は「文學界社」
が版元となっていたものと思われます。ちなみに、これの奥付にある発行人は芝本善彦
という方で、編集にあたったのは河上徹太郎さんであります。 
 このあたりの経緯についてと思って検索をしてみましたら、次のところが参考に
なりました。( http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20150211/1423580410  )