本日の衆議院本会議で「安全保障関連法案」が可決されました。これでよほどの
ことがないかぎり、この法律は成立するだろうとのことです。
これでまいったといえば、思うつぼでありますので、これからも粘り強く反対である
と言い続けなくてはいけませんです。とにかく、あきらめないことが重要です。
こういう事態となることは、前から予想できていたというような本が、手近にありま
した。
「決定的に戦争で負けたアメリカには日本人は競争心を持たないが、アジアの諸国には
依然として競争心を持ち優位に立っていると心底で思っている人がいる。もしそうなら
日本人はアメリカに対してはナショナリストではなく、アジアの諸国にはナショナリスト
として対応する。それ故、団結は力であり、広域を一体化したり防衛しうる交通、情報
手段や武器が使えるようになってもーすなわち広域共同体の条件が整ってもーナショナ
リズムの感情のゆえに彼らは前向きに対応しようとしない。そしてこのような人達は、
本人が自覚しなくても歴史の車輪を逆転させているのである。
過去に自分たちの親や曾祖父が犯した過ちにこだわって、自らも歴史の進む方向の逆
向きに行動し、子供や孫たちが過ちと見るような行動をするのは間違っている。歴史は
方向性をもっている。歴史を学んでそのことを知るのが、歴史から学ぶことである。」
上に引用したのは1999年3月に刊行された、次の本からです。
- 作者: 森嶋通夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1999/03/05
- メディア: ハードカバー
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は、「アジア共同体形成」以外に有効な案はないと考えているとしています。その時に
「アジア共同体形成」への障害は、日本の指導者の歴史認識といっています。
「私たちは二者択一を迫られている。アジア共同体案を拒否し没落を甘受するか。それ
とも案を受諾し前向きに進むのか。もし日本を除く他のアジア諸国が共同体を形成すれ
ば、案を拒否した日本はアジアの中で孤立してしまうであろう。そうなれば事態は絶望
的に深刻である。」
今のところ、中国の国際的な不人気に助けられているところがありますが、中国は不
人気でありましても、豊富な資金量で弱い国々にとっては大スポンサーとなりつつあり
ます。2050年までは、まだすこしありますが、日本はアメリカにとって属国の扱いで
あって、アメリカにとっての真のパートナーは中国ということだけは、より明確になる
ようです。