「本に書く人書かぬ人」という件名を記して、これを自分で面白がってしまいまし
た。もちろん、これはもちろん金井美恵子さんのエッセイ集タイトルからのいただき
であります。
ここでアマゾンのリンクをはろうと思いましたら、アマゾンで中古本の販売はされ
ているのに、この本へのリンクはありませんでした。( 残念! )
もともとのタイトルは、以下のとおりであります。
「本を書く人読まぬ人とかくこの世はままならぬ」 1989/11 日本文芸社刊
金井 美恵子 単行本 ¥ 110中古 (24 出品)
本日のアマゾン検索では、たったの110円でヒットしました。この時代の金井さん
は勢いがあってよかったな。あの時代は新刊がでると、それなりに読んでいたのであり
ましたが、いまは買うのがやっとで、読むまでいかなかったりです。これは金井さんの
勢いが落ちているためではなくて、当方のパワーが落ちているからでありますね。
当方が一番好きな金井美恵子さんの本は、ひょっとするとこれであるかもです。
そういえば、本日に「一冊の本」7月号が届きました。金井さんは、これにずーっと
エッセイを連載していまして、いまは「目白雑録」というタイトルでシリーズ化され
ています。これまで既刊分として5冊あり、一番新しいものは、次のものです。
- 作者: 金井美恵子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/09/20
- メディア: 単行本
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目ですから、そろそろ一冊にまとまるのでしょうか。今月号の見出しは「『名画』を
『記憶』で語る曖昧さ」であります。
今月もあいかわらずの金井節炸裂です。数日前に拙ブログで話題とした映画につい
てのくだりを、すこし引用です。
「かって、日本映画の受賞しない国際映画祭の報道は日本人乗客の死者のいない飛行
機事故に似ている、と蓮實重彦は書いていたが、今年のカンヌ映画祭の日本人死者は
黒沢清の『ある視点』受賞一人だったにもかかわらず、是枝裕和が四人の若い女優を
使った『海街diary』の『華やか』さのせいで、死者が一人だったにしては話題になっ
たのだったが、それで思いだしたのは’13年同映画祭で是枝の『そして父になる』が
審査員賞を受賞(新聞記事やテレビのニュースでは『賞』は『受賞』ではなく『獲
得』するものだが)した時、メディアが報じていた『十分間のスタンディング
オベーション』についての疑問である。」
読みにくく、わかりにくい文章でありますが、ここでは二年前のカンヌ映画祭の
会場で受賞した是枝監督、会場に人々から十分間のスタンディングオベーションさ
れたことに疑問といっているわけです。