売る 捨てる 寄付する

 「本の雑誌」三月号の特集は「本を処分する100の方法」であります。
 その特集にある大森望さん、茶木則雄さん、吉田伸子さんによる座談会の頭のとこ
にある茶木さんの発言に「売る、捨てる、それから寄付する。この三本柱が基本で
しょう。あと広い家に住んでいるやつに送りつけるっていう方法もあるね。」とあり
ました。
 当方が本をため込みはじめたのは二十歳くらいの時でありました。それから40数年
となるのですから、本は増え続ける一方であります。いったいどのくらいの量がある
のかですが、どこかの時点で整理をしなくてはいけないのでありましょう。
当方の本を整理する前に、亡父が残した本に手をつけなくてはいけません。亡父は
当方とはまるで趣味が違いまして、アララギ歌人の歌集などがメインとなります。
斎藤茂吉伊藤左千夫土屋文明などでありますが、これらはどの時点で整理すれば
いいのかと考えることです。これであれば図書館にあっても不思議でないものですか
ら、図書館が受け入れしてくれるのならば寄付ということもありでしょうが、あまり
歓迎されそうにありません。
 図書館で働いていた友人の話では、本を寄付したいので見にきてほしいといわれて
いってみると、ほとんどくず本ばかりで、引き取りをしたのはいいが捨てるしかない
のがほとんどとのことでした。図書館もスペースが狭隘化していますので、よほどの
ものでなくてはだめですし、何よりも普通の図書館は稀覯本であっても、かまわずに
図書館バーコードをはりつけそうでありますからね。
 亡父の書棚を整理しましたら、そこに空きスペースができて、当方の本を、そこに
おさめることができるのではないかという、下心でありまして、これじゃほとんど
問題解決につながりません。