みすず「読書アンケート」でとりあげらる本のほとんどは、見たことも聞いたこと
もない本であります。たまたま書店で手にした本があったりすると、うれしくなって
しまうのですが、これも何かの縁であります。
このアンケートで眼にとまったのは、次のものであります。
- 作者: 飯島洋一
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2014/08/22
- メディア: 単行本
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らでした。詩人の家庭に育つというのは、たいへんでありますが、親の後ろ姿を見て、
違った道に進んだ洋一さんにエールです。
飯島洋一さんの「『らしい』建築批判」を取り上げているのは、鈴木了二さん、
谷川渥さんのお二人です。
ここでは、谷川さんのコメントを引用です。
「建物が建てられる土地の特異性も環境も歴史的背景もいっさい勘案されることもなく
設計・施工される、『らしい』建築。新国立競技場の設計競技で最優秀賞に選ばれた
ザハ・ハディドから、その審査に当たった安藤忠雄、さらには伊東豊雄にいたる建築家
たちを俎上にのせて、徹底的な批判が展開される。建築批評のひとつのありうべき姿を
呈示した、胸のすく書物である。それにしてもザハ・ハディドのあの鈍重なカブト虫の
ような建物は、そのまま実現してしまうのだろうか。」
現代の文化ヒーローの一人である安藤忠雄を批判するというのは、業界的には相当に
たいへんなことであるのでしょう。鈴木了二さんのコメントには「批評家も、メディア
関係者も、すでに気づいているはずなのに、多分誰も、公然とそれを言えなかったから
である。」とあります。
以前に書店で手にしたときには、そういう本であるということはわかりませんでした。
こんどあらためて、またなかをのぞいてみることにしましょう。