いただきもの

 藤原書店から刊行されている学芸総合誌・季刊「環」をいただきました。
 大きな書店で、この本を手にしたことはありましたし、新聞の広告などでも眼には
していましたが、手元において見るのははじめてのことであります。

 2000年4月創刊ですから、これまでに購入したことがあってもと思いますが、なぜか
縁がありませんでした。これは中身が高級なことと、高価なことが影響しているよう
です。季刊で今回は480ページほどのボリュームですから、毎月刊行としてすこし薄く
して、定価もさがれば、もうすこし手が出やすくなるのではと思われました。
まあ、買う人は、どのような値段でも買いますし、当方の場合は、もうすこし安ければ
買うというようなことをいいながら、まずは買わないのでありましょう。なんといって
も敷居が高そうで、読むに苦労しそうでありますからね。
 ということで、今回手にした59号でありますが、特集は「江戸・東京を問い直す」で
あります。この特集の冒頭にある無署名の文章の書き出しは次のようになっています。
「現在の日本の首都、『東京』。この都市は今、さまざまな問題を抱えている。
その一番の問題は、何よりも『どのような都市にするか』というビジョンがないことで
ある。
 百年前、唯一、東京という都市のビジョンを作った男がいる。後藤新平である。彼は
1920年12月から23年4月まで東京市長をつとめ、総合的な視点から『東京』の都市計画
を提示した。それは東京を、『世界の中の日本』という意識下に考えたものであって、
世界の都市のモデルになりうるものであった。」
 今回の特集のベースには、政治家 後藤新平の思想があるのでした。そういえば、
藤原書店は、数多くの後藤新平関連図書を出しているのでありました。
時代が求める後藤新平 〔自治/公共/世界認識〕

時代が求める後藤新平 〔自治/公共/世界認識〕