いつも心に 4

 本日の夜にはTV東京の50周年記念番組として「大食い世界一決定戦」が放送されてい
ました。頭のところをすこし見ただけでありますが、このTV東京の「大食い選手権」と
いうのは、ナンシー関さん好みの番組でありました。
ナンシーさんの公式ホームページに掲載のものをまとめた「ボン研究所」にも、それへ
の言及がありました。

ナンシー関のボン研究所 (角川文庫)

ナンシー関のボン研究所 (角川文庫)

 いまだ、「ボン研究所」のホームページは健在でありました。多くの消しゴム版画
作品を見ることができます。文庫となったナンシーさんの文章はどこかに隠れている
のでしょうか。それともそれは削除されたのかな。
( http://www.bonken.co.jp/index2.html )
 この本にある「大食い選手権」についてのあっちとこっちをつなぎあわせると、次の
ようになります。
「ご存知のように私はテレビ東京の『大食い選手権』のシンパである。ちょっとひいき
すらしている。『(TBSの)フードバトルクラブ』は『大食い』を『スポーツ』にしたい
のである。だから、これまでテレ東『大食い選手権』がどんなに凄くてもどこか『ぷっ』
と笑ってしまう間抜けがあったのに、『フードバトルクラブ』は『感動』に着地する。
大食いなのに。
フードバトルクラブ』と『大食い選手権』はどんどん別なものになっていくであろう。
おそらく大食いをスポーツになぞらえた『フードバトルクラブ』が世間的にはスタンダー
ドになっていくと思う。
テレ東『大食い選手権』は『元祖にもかかららず亜流』ってのがいいんじゃないだろう
か。テレビ東京の真骨頂でしょ。で、私はやっぱりテレビ東京『大食い選手権』をひい
きにする。」
 「大食い選手権」というのは、その昔からあったようであります。
 小沢信男さんの小説「絵本盗賊記」(「若きマチュウの悩み」収録)には、「万八楼
腹自慢大会のこと」ということで、その様子がえがかれています。「文化十四年丁丑三月下浣、両国柳橋のなだたる料理茶屋万八楼にて、大飲、大食を
競いあう腹自慢大会が、四日間にわたって催された。
 初日が、蕎麦の部。
 二日目が、大甘党の菓子の部。
 三日目が、大喰らう極め付き飯の部。
 そして四日目の千秋楽が、メーン・エベントの酒の部だった。
 いまに伝わるその記録をみると、よくもまあたいした胃袋たちをあつめたもので、快挙
といおうか奇観いおうか、生来小食の筆者などは、想像するだに胸がつかえる。
 試みに初日の成績をあげれば、二八そばぐらいの中平に手打ち上蕎麦を盛りあげたのを
一膳として
 一 五十七膳 新吉原 桐屋惣左衛門
 一 四十九膳 浅草駒形鍵屋長助
 一 六十三膳 池の端仲町山口屋大兵衛
 ・・・・
 その審査の基準は、かならずしも量が絶対ではなかった。その食べっぷり、箸を置いた
あとの態度など、スピード、マナーを含めての総合採点だった。」
 これに続いて菓子とか飯の大食いの結果ものっているのですが、それぞれのジャンルで
選手がことなるのですが、この食する量を見た時には、そんなのはあり得ないと思った
ものです。
 ところが、TV東京の「大食い選手権」を見るにおよび、このように食べる人がいると
いうことを知ったのでありました。