世間の人 9

 鬼海さんは、自分のやり方に確信が持てずに悩んでいたときに、「福田哲学の、
ムズカシイから面白いのだという方法にも支えられた、」とあとがきに記していま
す。
 福田定良さんの哲学について、どこかに具体的に書いてあるところはないかと、
いまほど検索をかけてみましたが、いくつかのページがヒットしました。
 福田定良さんの遺稿集の書評が一つありです。2005年のもの、当時大谷大学
先生であった鷲田清一さんによるものです。
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011072700937.html
 もうひとつは、糸井重里さんのブログにありました。
https://www.1101.com/darling_column/archive/2004-11-08.html
 このほかにもいくつか参考になったものがありましたが、鬼海さんの師匠でもあり
ますし、もうすこし目に書かれてもよろしいのではないでしょうか。
 当方のところにも福田定良さんの本があるはずですが、これを見つけだしてくるに
は、時間がかかりそうでありまして、これはあきらめました。どこかに福田さんが
書いたものがなかったかなと思って、あたってみたら見つかりました。
 それは、「林達夫著作集 付録 研究ノート2」にありました。前にも別な話題の
時にこの「研究ノート」から引用を行ったことがありますが、この林達夫著作集の
付録は、はさみこみの月報というものではなく、各巻に24ページからなる冊子となって
います。
ちなみに福田定良さんが寄稿している冊子は、小松茂夫(10ページ)
福田定良(7ページ)飯沢穝(3ページ)、渋谷実(3ページ)となっています。
どれも相当の力作でありまして、この研究ノートというのは、貴重な資料であります。
 この研究ノートに寄稿を求められるというのが、どれだけ名誉なことかと思ったり
もします。なんであいつに声がかかって、どうして自分のところにこないかと思った
人もいるのでありましょうというようなことを、以前に書いたことがありました。
 これに福田さんが寄稿するにいたったのは、法政大学つながりとでもいうもので
あります。