旅のとも 2

 今回の旅に持参した本は、田中長徳さんのものだけではありませんでした。
体調を崩して入院している友人のところにお見舞い用に届ける本も持参で
ありました。体力が落ちているときに読めそうな本というとどういうもの
があるだろうかといろいろ思案の結果、えいやっと決めたのは次のもので
ありました。

 今から40年も前の学生時代に一緒に京都の古本屋を歩き、大阪の古本屋
を案内してもらいました。彼は方向音痴でありまして、その当時はあまり
良いガイドブックもなかったことから、道に迷いながら大阪の古本屋めぐり
をしたことが思いだされます。
 その後に彼は手書きイラストで鳥瞰大阪古本屋マップというのを作成して
くれて、それを当方はずっと保存していたのでありますが、いまもあるはず
ながら、それが発見できておりません。たしかそのころに千日デパートと
いうのが火災で多くの死者をだして、世間を騒がせたのですが、あの地図に
は、その火災となったデパートものっておりました。
 あとは辻原登さんの小説です。同年輩の人にすすめるとすれば辻原さんの
ものはむいているでしょう。あまり負担にならずに読んではもらえるもの
ということで、数多くの作品のなかから、次のものを選びました。
枯葉の中の青い炎

枯葉の中の青い炎