最近買った本 3

 「1968年くらいから1975年にかけて量産した東映ポルノというジャンルの映画」
は、ちょうど東宝が高校から大学の時期に重なったこともあり、その作品を目にする
機会がありました。
 これが新東宝が制作した作品となると、新東宝が1961年に倒産したこともあって、
ほとんど見た記憶はありません。当方は子ども時代、田舎暮らしでありまして、近所
に映画館などなかったのでありますからして、日常的に映画館に足を運ぶという習慣
はありませんでした。
 鹿島茂さんの本を見て感じるのは、わずか一歳しか違わないのに、都会の子どもと
田舎の子どものエログロ格差であります。
「私はというと、ピンク映画が初登場したこの1962年にはまだ中学一年生だったにも
かかわらず、その誕生のありさまをはっきりこの目で目撃したという記憶を持つ。
 といっても、成人向けで18歳未満お断りの映画だったから、その時点で、これらの
映画を実際にみたというのではない。
 ピンク映画は、なによりもまず、駅のポスターを介して体験されたのである。
 ・・・
 おなじみの新東宝は前年に倒産しているから新東宝の映画ではない。が、ポスター
から放たれる濃厚なエロの香りとタイトルのネーミングからして、明らかに新東宝
テイストの映画である。しかし、どこを探しても、知っている映画制作会社の名前は
見あたらない。この事実が、私の性的好奇心を異様にかきたてた。」
 1962年 都会の中学生であります。当方は山のなかで暮らしていましたので、この
ようなポスターを見ることもなしでした。