一周忌でしたか 2

 本日の朝日新聞朝刊には、「丸谷才一全集12巻刊行始まる」という記事がでていま
した。「第一回は一周忌にあたる13日に配本」と記事中にもありますので、文藝春秋
の90周年記念事業となるものですが、現在の個人全集刊行の難しさを痛感させる記念
事業でありまして、当方は丸谷さんのことを文壇天皇と読んでいたのでありますが、
ずいぶんと小粒な感じになっているのは、文壇が小さくなっていることのあらわれで
しょうか。
 これまでもったいをつけていたのかもしれませんが、やっとこさで文藝春秋社の
ホームページにも丸谷全集のページが開設されました。
http://hon.bunshun.jp/sp/maruya
 これのどこを見ても詳細内容見本請求くださいとはありませんので、そういうものは
作られていないのでありましょう。この全集のうち何冊を購入することになるでしょう。
文春のページを見て気になったのは、武藤康史さんが書誌と年譜を担当(?)する巻で
しょうか。
 それにしても朝日新聞の記事には、次のようにありですが、これはちとさびしいよう
に思います。
「小説と評論が6巻ずつの全12巻で、毎月1巻ずつ出していく。・・・多岐にわたる仕事
の全容を見渡し、一貫した思想に基づく思考の軌跡に触れるには、『全集』という形が
最適だろう。」
 「全集という形が最適」というのは、そのとおりでありましょうが、小説と評論だけ
というのは、「多岐にわたる仕事」の一部でありましょうよ。