「図書」9月号 4

 いつもの「図書」なら面倒だからとばしてしまえと何行か読んで通過してしまう
青柳いづみこさんの「どこまでがドビュッシー?」でありますが、今月はひっかかって
しまいました。
 そういえば、先月の青柳さんは「グールドとグルダ」を話題としていたのですが、
今月もジャズが入り込んできます。なんといっても一行目に「身辺が大西順子問題で
揺れている」という記述がありですから。
 といっても当方がひっかかったのは大西順子さんではなく、この文章にある「シマ
ケン」にでありますね。
「友人のジャズ・ピアニスト ジマケンこと島健サントリー大ホールで『ジャズピア
ノ六連弾』というコンサートに出演し、『ラプソディ・イン・ブルー』を聴きに
いったことがある。コンサート前、シマケンは、いろいろなことを心配していた。
まず、第一に、クラシックの殿堂サントリーホールで果たして自分の音が聞こえるか
ということ。」
 島健さんといえば、最近、車の中で毎日彼がバンマスをつとめるCDを聴いているの
ですが、あの島健さんと青柳いづみこさんが友人であるとは驚きです。
 音楽で生活をするのがたいへんな時代になっています。青柳さんの文章には、次の
ようにあります。
「大手事務所に所属して自腹を切ることなくコンサートに出演できる演奏家はほんの
ひとにぎり。たいていは自分でホールを借りて自分でマネージャーを雇い、自分で
赤字を背負う自主公演の形だ。CDアルバムも、大手レコード会社の専属として制作か、
プレスしたものを何百枚か買い取っているのが現状である。
 クラシックがこうなのだから、ジャズはもっと厳しいだろう。ライブハウスはとても
小さく、チャージもわずかな額で、観客が少ないと移動にかかる交通費で消えてしまう
という話をきいたことがある。」
 島健さんは、厳しい世界でピアニスト・編曲家として成功している数少ない一人で
ありますが、音楽をきちんときかせる音楽テレビ番組(というのは、へんな言い方
でありますが、はやい話が口パクの人がでないもの)には、欠かせない一人でありま
す。
 TVのピアノ伴奏にでてくる頭に特徴のある方が島健さんでありまして、最近は
彼女がジャズ系の歌を歌うときには、そのバックに彼がいるはずであります。
最近、当方が聴いているのは、このコンビによるCDでありまして、もっともっと
歌の上手な日本人のジャズボーカリストはいるのかもしれませんが、CDセールスで
成功するためには、それだけではだめであります。最近でセールスが成功した
数少ない事例でありますが、なんであんな小娘の歌がもてはやされるのよといって
いる歌い手さんの声が聞こえそうであります。
 これと同様のことは、クラシックの世界でもあるのでしょうね。

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