「えびな書店 店主の記」を話題にしているのですが、店主夫人が当方の高校同級生
ということがわかって、話が違った方向にいきそうであります。
えびな書店店主の記 (四月と十月文庫1) (四月と十月文庫 1)
- 作者: 蝦名則,牧野伊三夫
- 出版社/メーカー: 港の人
- 発売日: 2011/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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見たあとであったせいもあり、「ラファエロ」と「ダヴィンチ」作品を、当方はとうて
い「見た」とはいえないことと思いました。特に「ラファエロ」はお客さんが多くて
ゆっくりと絵をみるどころではなかったですからね。当方は、「ラファエロ」の作品を
「見たに違いない」と思いたいことです。
この店主の記は、あちこちに本業にかかわる興味深い話があるのですが、これがいい
のは、やはり最後に「追い書き」に、夫人が登場することでありましょうか。
店主の記にも、ちらちらと家族のことがでてくるのですが、これだけをピックアップ
して読むのもありかと思っていたりしたときに、店主夫人が当方の同級生とわかると、
高校を卒業してからの消息を聞くような思いで、プライベートに関するところを見る
ようになりました。
先に「開業二十年まで」を引用をしましたが、82年7月 32歳で古本屋になった時、
幼稚園児がいて、夫人は不安がったとあります。思わず、自分の32歳の時はどうで
あったかと思いました。幼稚園児がいたというところだけは同じであったようです。
開業して10年を経過した93年には、「税金をはじめ、滞納した借財を返すことができ
ました。二ヶ月も経たないうちに、娘を心臓病で失う痛恨事が待っていようとは予想
だにしない、つかの間の幸福感でした。」ともあります。
そうか、当方のこどもとほぼ同年と思われる娘さんは、中学生くらいで亡くなった
のか。
その後は、「夫婦二人きりになる変事が家庭に起こって、再び音楽会に出かける
ようになった。」とあります。海外への美術館、古書店めぐりも夫婦ででかける
ことが多くあったようです。うるわしき夫婦愛であります。
「店主の記」とは、紆余曲折はあったが、なんとか商売が続けていられるのは、
妻のおかげという感謝の気持ちが良く伝わってきて、かっての同級生が幸せなのを
知り、喜んでいるのでした。