新潮 2013.6

 「新潮」6月号を手にすることができました。まだ目次を見ただけでありますが、
この号は、四方田犬彦200枚の評論と松家仁之の第二作目「沈むフランシス」250枚
が掲載されていて、なんとなくお得感があります。
 そういえば、「本の雑誌」には「待ったなし文芸誌」という欄がありまして、
ここでは文芸雑誌四誌の星取を掲載しています。遊びだってといわれそうですが、
けっこう気にしている人がいるのかもしれません。
取り上げられているのは、「群像」「新潮」「すばる」「文学界」ですが、
本の雑誌」5月号現在は、文芸各誌4月号までの対戦でありまして、「新潮」は
これまで三回の優勝となっています。(なんのこっちゃ)
 ちなみに5月号にある『今場所の優勝と決まり手』には、次のようにあり。
ちなみに審判は「榎本文昌」さんであります。
「今月は藤野可織小林秀雄リチャード・パワーズの『三所攻め』で『新潮』の
三ヶ月ぶりの優勝。なかなか珍しい決まり手だが、舞の海は二回もこの決まり手で
勝っているので、『新潮』も舞の海越えを期待したい。」
 となると、この6月号は、四方田犬彦、もうひとつで三所攻めが完成でしょうか。
三つ目はなんであるか。
 昨日まで話題にしていた中条省平さんが「新発見 辻邦生の高校生日記」という
のが「新潮」6月号にあるのですが、これが三つ目にふさわしいか。
それにしても「高校生日記」というと、いまどきの高校生のことを思いうかべてし
まいますが、もちろん辻邦生さんの時代ですから、旧制でありますからして18歳
以降の話です。
 辻邦生さんの資料は、かって教鞭をとっていた学習院大学史料館におさまって
います。中条さんは、学習院大学の仏文教授ですから、そうした縁での資料点検の
報告であります。