年の初めの 13

 年の初めのといえば、本日は昔からの仲間との新年会でありました。
普段ほとんどお酒を飲む習慣がない、当方ではありますが、年の初めくらいはめでたく
酒を飲まなくてはです。いくらも飲まないのに、すっかり酔ってしまいました。
 ということで、本日は酔って候です。
 昨日の続きをさらっとやりまして、お茶を濁します。
 四方田犬彦さんがあげている文庫解説の三冊を紹介しましたが、同じくゲストで
あります岡崎武志さんは、どのような三冊をあげているかでしょうか。
 これが、次の三冊でありました。本の紹介にはいる前に岡崎さんの書き出しから
です。
「いい映画を観たあとは、その感想を誰かと喋りたくなる。文庫の解説は、ちょうど、
それと同じ役目を果たしている、とどこかで読んだ。私も、多くの文庫を読みあさった
高校時代、解説を読むことで、本とのつきあいかた、作品読解の急所を教わったので
ある。
 今回は、そんななかから三冊選んでみた。」
 ということであげているのが、以下のもの。
 谷川俊太郎詩集 角川文庫 1968年12月  解説 大岡信 
 人気の谷川俊太郎さんでありまして、角川文庫だけでもいくつもの版がでています。
この版の情報をリンクすることができませんでした。そういえば、岩波文庫にもはいり
まして、本日の朝日新聞広告では、岩波文庫としては異例の扱いでありました。
いまや、日本の国民的詩人でありますね。
 二冊目は

夕べの雲 (講談社文庫)

夕べの雲 (講談社文庫)

 夕べの雲 最近は講談社文芸文庫にはいっていて、そちらのほうの解説は阪田寛夫
さんですが、元版のほうの解説は、小沼丹さんであります。どちらの解説担当も
庄野潤三さんの「文学的同志」であります。
 岡崎さんの大好きな作品とのことです。
「 おそらくは十回以上は読み返している『夕べの雲」は、小沼丹の解説も十回以上
読んだ勘定になる。また、この解説で、小沼丹という優れた文筆家の存在を知ったの
だった。」
 三冊目は、 
季節のない街 (新潮文庫)

季節のない街 (新潮文庫)

 山本周五郎の「季節のない街」ですが、これの解説を担当しているのは開高健さん。
これは意外な組み合わせのように思いますが、これが絶妙で、「見本のような名解説」
と評しています。
「季節のない街」といえば黒沢明作品「どですかでん」のもとになったものですね。