創業40周年 4

 創業40周年を記念してなのでしょうか、あの「本の雑誌」10月号の特集は「国書刊行
会の謎と真実!」という特集を組んでいます。「本の雑誌」でありますので、もちろん
のことアマゾンなどで書影のリンクをはることはできません。
 この特集のリードは、次のようになっています。
国書刊行会の『国書』とはなんなのか、なぜ高くて厚くて立派な本をしばしば出すの
か、死のロードとはいったい何か。創業四十周年を迎えた国書刊行会におじさん三人組
が出陣」
 「本の雑誌」は、これまでも「新潮社、早川書房と出版社の実像に迫る渾身特集」を
やっていますが、「国書刊行会」はこれの第三弾とあります。新潮、早川ときて、国書
というのが「本の雑誌」らしくてよろしいことです。
国書刊行会板橋区志村という、いささか出版社らしからぬ地に所在するのである。
まあ、逆に言うと、オリジナリティの高さを誇る国書刊行会にふさわしいと言えない
こともないし、実のところ志村坂上は神保町から乗り換えなしの直通で二十一分。
なんだ意外に近いじゃん、と改札をでると、おお、駅構内の近隣案内地図に『株式会社
国書刊行会』という文字が! なんと地図に社名が載っているのだ。志村坂上のランド
マークなのである!」
 志村坂上といわれても当方はなじみがありませんが、神保町というか神田村からは離れ
ているなということはわかります。なぜ、この地にあるのかはわかりませんが、やはり
賃料などが安いからでしょうか。
国書刊行会」の社名でありますが、これは明治期の出版団体「国書刊行会」の出版物を
復刻出版を目的に設立されたことから、どうせならと社名も同じにしたのだそうです。
当方が、この出版社を知るにいたったのは、幻想文学大系などを刊行したことによってで
ありますから、この版元はなぜに「国書」であるのかと思ったものです。
 なんといっても、この版元の特徴は、「本の雑誌」特集にある、次のくだりです。
「現物に迫力があると編集課長も自負する国書刊行会の本は、なんといっても絢爛豪華
な造本と装丁が持ち味。金に糸目をつけない本作りは他社の編集者はもとより著者に
とても羨望の的といっていいだろう。」
 有名な「世界幻想文学大系」も、紀田順一郎さんと荒俣宏さんが二十社くらいに持ち
込み断られて、途方にくれてるところに、たまたま国書刊行会に声かけをして、決まっ
たのだそうです。この逸話も「国書刊行会」らしいことです。