平凡社つながり 30

 新宿書房からでている「金尾文淵堂をめぐる人々」は、石塚純一さんの著作で容易
に手に出来る一冊です。
 この本の成り立ちについては、石塚さんがあとがきに書かれています。(この本は
数ヶ月前に入手したのでありますが、いまだに冒頭の数ページを読んだだけでありま
す。はじめにとあとがきだけはなんとか読みましたです。)
「金尾文淵堂についてボチボチと調べていたが、主人の種次郎に強く興味を惹かれた
のは二つの文章を読んだことがきっかけだった。一つは第四章の冒頭で引いた雑誌
『サラリーマン』に載った金尾種次郎を中傷する記事であり、もう一つは山口昌男
内田魯庵山脈』(晶文社2001年)のなかで、内田魯庵没後、その蔵書がどうなった
かについてふれた文章だった。」
 前者の文章は中傷で、後者のものは金尾種次郎の人徳をたたえるものを眼にして、
いったいこの出版者はどんな人かと思ったとのことです。
「まずは金尾文淵堂が出版した本を探し出そうとした。目的の古書を思いついたとき
にすぐに手にすることはなかなか困難だが、幸い勤務先の建物の地下にある山口文庫
山口昌男氏の約四万冊に及ぶ個人文庫)に降りていくと、『関東大震災画集』など
貴重な数冊を手にすることができた。金尾文淵堂をめぐる旅はここから始まった。」
 ということで、石塚さんによる「はじめに」につながります。
「金尾文淵堂は明治から大正期に活躍した書肆である。凝った造本、丁寧で美しい本
を刊行した出版社として知られている。」となるのでした。
 当方は、どこかで金尾文淵堂のことを眼にしているのでしょうが、まったく記憶に
残っておりませんのでした。