平凡社つながり 14

 昨日に紹介した新宿書房の「田村義也」さんの本は、これまでも何回か言及して
いると思います。新宿書房が事務局になって「田村義也追悼集」も刊行をしています。
これなどは、田村義也ファンにはたまらないものでありまして、もしも遅れてきた
田村ファンで、これを購入していない方がいたら、ただちに新宿書房に問い合わせを
されたいです。(何回か言及と記していますが、いまほど、はてなの拙ブログのキー
ワードで検索をかけてみましたら、ずいぶんと話題にしておりました。なにより、
初回が「田村義也」さんについてのもので、新宿書房にもふれていました。)
 蘆原英了さんについても、過去に「私の自叙伝」を取り上げたり、林達夫さんと
の関連でも記したことがありました。たとえば、次のようなところです。
http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20070622
http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20080305
 今回の小林祥一郎さんの本にも蘆原英了さんは登場します。
小林さんは、「世界大百科事典」で「サーカス」とか「曲芸」という項目を担当して
いて、それについて企画会議で林達夫編集長から直々にレクチュアをうけることになる
のですが、これこそ贅沢な授業であります。
 こうしたくだりに続いて、蘆原さんの名前があがります。
「サーカスの執筆は最初、蘆原英了さんに決まっていた。しかし、遅筆の蘆原さんが
ほとんど手をつけないまま外遊することになった。蘆原さんは中央公論社時代から
林さんとは近しかったので、林さんにもお詫びがあったらしい。それで急遽、尾崎宏次
さんにピンチ・ヒッターをお願いすることになった。麹町の『クラブ関東』にお招きし
て、蘆原英了さんと林編集長と担当のわたしが、そろって頭をさげた。
 蘆原さんはもちろん執筆の資料と、じぶんが立てたシナリオを持参していたが、おど
ろいたのは林さんが、じぶんの蔵書や会社の図書室から、洋書を主とする十数冊の本を
もってきていたことである。林さんはそれぞれの本の概要を紹介し、じぶんが気に
なった個所には付箋をつけていて、それを説明しながら尾崎さんに渡した。無理をお願
いする尾崎さんのほうが、かえって恐縮している気配だった。」