小沢信男著作 199

 雑誌「本とコンピュータ」は、大日本印刷がスポンサーとなって、「紙と電子の本の
現在をさぐる」ことを目的に期間限定で刊行されたものです。
 編集には南陀楼綾繁さんとして有名になる前の河上進さんが参加されています。その
せいでしょうか、小沢信男さんは定期的に寄稿されています。
 「HONCOオンデマンド」には、いくつかのシリーズがありまして
「HONCOパーソナル」と「HONCOレアブックス」ほかとなっています。
小沢さんの「んの字」は、「HONCOパーソナル」の一冊となります。
このシリーズのねらいは、「この作者ならではの個性的な、でもあまりに個性的であり
すぎてなかなか一般には出版しにくい作品や仕事を、オンデマンドで刊行します。」と
あります。
 そういえば、ブックデザインは平野甲賀さんでした。小沢さんの本の装丁を平野さん
というのはありそうであまりなく、しかも書き文字のものは、「いまむかし東京逍遥」
とこれくらいではないでしょうか。
 昨日にも掲載しましたが、本日はもうすこし大きく書影を掲げることといたしましょ
う。

 「んの字」は、小沢さんの次の句によっています。
    んの字に膝抱く秋のおんなかな
 この「ん」の字でありますからして、平野さんはこの「ん」を描くに、相当な苦労
をなさったことでしょう。