坂本篤さんのことを検索かけましたら、山口昌男「内田魯庵山脈」にあたりました。
昨日に小沢さんの文章から引用した、次のくだりは「内田魯庵山脈」に通じるので
あります。
「具眼の士、ないしは底抜けの物好きが、ついそこらの市井にいて、生涯かけて好きな本
つくりの夢を追いつづけていた。という事実」
山口昌男「内田魯庵山脈」晶文社 2001年刊 の帯には、次のようにありました。
「明治、大正期の日本。 市井を遊歩した『学問する自由人たち』の群像。
知られざる巨人内田魯庵をてがかりに埋もれた知の水脈を発掘する
歴史人類学の記念碑的労作」
- 作者: 山口昌男
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2001/01
- メディア: 単行本
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この本には、編集者 川村伸秀さん作成になる人名索引がついていて、おかげで、
坂本篤さんが、どのページにでてくるかがわかるようになります。(これは本当にあり
がたい。)
坂本篤さんが登場するのは、斎藤昌三さんに関係してでありました。
「斎藤は横浜っ子で、正金銀行史の編纂などに携わったあとで、書物展望社を興したが、
徹底したビブリオフィル(愛書家)として装幀、蔵書印、禁書研究などに仕事を残した。
またエロスの民俗学にやや深入りするところがあり、柳田国男とも親しかったが南方熊楠
の考えと、出版人としては坂本篤(温故書屋社主)と、通底するところをより多く持った
人である。」
この本には、5回ほど坂本篤さんが登場するのですが、版元として言及されているの
と、坂本篤さんと竹中労さんの著作「国貞裁判・始末」からの引用となっていまして、
坂本さん、その人についてのところはありません。
たとえば、次のようにであります。
「沢田例外について坂本篤も前出『国貞裁判・始末』で先祖の沢田名岳とともに精しく
語っている。坂本書店の出版書目録には『性の表徴無果実 一名女握り』についての
広告文が載せられており、その文中に『筆者沢田氏は身を東大研究室に置き、孜々と研鑽
に勉めてゐる若い学徒であります』と紹介されている。」
坂本さんは周縁にいて、世界の中心に居た人ではないようであります。