小沢信男著作 22

 朝日新聞の書評には「『若きマチュウの悩み』は、彼の短編小説十三編、戯曲一本、
エッセー五編を集めた作品集である。」とありますが、これには先日に言及しました
とおり、あとで「赤面申告」に収録される詩作品が3つ掲載されていました。
 それこそ、小沢信男芸の見本帳であります。自分が最初に出会った小沢作品集が
これであったということは、幸運なことでありました。晶文社のバラエティブックの
ことが良く話題となりますが、デザインワークではまったく劣るのですが、創樹社の
「バリエテシリーズ」は立派なバラエティブックであったと、声を大にしていいたい
ことです。長谷川四郎さんの「知恵の悲しみ」、そして小沢信男さんの「若きマチュウ
の悩み」は絶対におすすめです。
 本日、小沢さんの最新刊「小沢信男さん、あなたはどうやって食ってきましたか」
が版元SUREから手元に届きました。さっそく駆け足でページをめくってみました。
ちょうどこの中に、創樹社「バリエテシリーズ」についてのくだりがありました。
「 小沢 あのシリーズも、五冊ほどでおしまいとなって。
  津野 未来社にいた松本昌次さんより、創樹社の玉井五一さんのほうが、こういう
     ものをつくるのうまいね。
  小沢 バリエテシリーズときたら、ビニールカバーをむるにはがすと、背は金文字
  津野 作り手としては気張っちゃうところだね。
  小沢 気張りすぎだよ。 」  
 小沢信男さんの作品集としては入手が容易な一冊で、ネット古本屋ではかなり安価に
購入することができます。遅れてきた読者たちは、ただちにこれを確保しましょう。
 どこのページを開いても、小沢信男さんがあらわれますぞ。