ちくま 9月号 3

 ちくま9月号ということで、「ちくま」の表紙絵を描いている林哲夫さんのことを
話題にしていましたら、以心伝心でありますね。本日の林哲夫さんのブログに
林哲夫新作油彩画・ちくま表紙画展」告知がありました。
( http://sumus.exblog.jp/13951280/ )
 見物にいってみたいと思うのですが、残念ながら、今回は日程があいませんですね。
 林哲夫さんは、このところ毎週水曜日に「赤旗」に「本のある風景」という連載を
書いています。職場で「赤旗」をとっているものですから、水曜日は欠かさずに眼を
通すようにしています。「SUMUS」同人が登場するメディアは、1に「ちくま」で
2は「赤旗」のようです。「赤旗」には「岡崎武志」さん、「南陀楼綾繁」さん、
林哲夫」さんと登場して、これはよほど「SUMUS」をひいきにしている記者さんが
いるということですね。類は友をよぶということでしょうか。
 本日に引用させていただくのは、「本のある風景」8月25日掲載のものからです。
「 どうして古本を描こうという気になったのか、この点にかんしてははっきり覚えて
いる。・・・ほとんど趣味らしい趣味のない・・男の、ただひとつの趣味が古本漁りで
あった。その古本というのも、汚れて擦り切れ、手垢にまみれているようなヨレヨレ本
が好きなのである。ひらめいた。『これは、描けるぞ!』・・
 自分が好きなものなら描いていても楽しいし、感情移入できるから、出来栄えも悪く
ない。・・初めて描いたのは水気をくぐってページが波打っている戦前の岩波文庫
だった。それ以来、何冊の岩波文庫を描いたことだろう。昭和二年創刊というだけ
あって、思い入れの深い読書人も少なくないので、拙作を見ると『へえ、岩波文庫
絵になりますねえ』などと予想した以上に喜んでくれた。」
 この日の「赤旗」には、林さんの文章と何冊か積み上げられた岩波文庫のものの
絵が掲載されていますが、この絵がカラーであったら、とても良いのにと思います。
この日の文庫本の表紙絵には書名は描きこまれていないのですが、文中に、これは
夏目漱石の「硝子戸の中」であるとありました。岩波文庫に限らずですが、古く
なって人に読まれたものほど、本に表情がでてくるように思われます。