ゼロ年代の50冊 7

 ゼロ年代に購入したり印象に残った本について記していますが、本日は04年となり
ます。
 ゼロ年代に亡くなったかたで、今でも人気がある人といえば、次の人であります。
生きているうちは、ほとんどなじみがなかったのですが、亡くなってから以下の本を
求めて彼女の眼のつけどころに感心してしまいました。亡くなったのが02年であり
ますが、活動の中心は90年代ですから、ゼロ年代の批評家とはいえないでしょうか。
 この両書とも昨年の刊行本ですから、昨日に記すべきでありましたか。

ナンシー関大全

ナンシー関大全

 この年は、久世光彦の文庫本をずいぶんと購入しています。
昨年の「マイラストソング」に引き続いてですが、この方も生き急ぎの感があります。
作家としては遅いデビューで、しかもテレビドラマの制作を並行してやっていたので
すから、他人の倍のスピードで生きたということでしょうか。
 久世光彦さんが愛した作家の全集が、この年に刊行されています。
小沼丹全集〈第1巻〉

小沼丹全集〈第1巻〉

 小沼丹の作品集は、講談社文芸文庫に何冊かはいっていますが、小沢書店からの
作品集がありましたが、入手困難で値段も高くなっていました。まあ、この全集は
とても高価でありましたが、なんとかがんばれば買うことができなくもなしでした。
この未知谷刊の「小沼丹全集」には革装のものがあって、これはセットで販売されて
いました。(こちらはとっても手がでなかった。)
ハイスクール1968

ハイスクール1968

 四方田犬彦の「ハイスクール1968」は、「新潮」に三回(?)に分けて連載された
ものをまとめたものです。当方よりも三歳くらい年下でありますが、早熟な方であり
ますので、驚くような話しがたくさんでてきます。ゼロ年代におくるメッセージで
ありますが、団塊のお父さんたちは、楽しく読んだと思いますが、ゼロ年代の人たち
は、どう受けとめたのでしょう。
 この本で印象に残っているのは、帷子燿と岡田史子といった早熟で、時代の先端を
走っていた人たちへの言及でありました。
 ゼロ年代というのは、フリーライターがずいぶんと増えたように思います。もとで
あれば、どこかに所属してとなるのでしょうが、不景気のせいもあって安定しない
なかで筆一本をたよりの文筆稼業ですが、この年には、上原隆さんのものを何冊か
購入したり、永江朗さんのもの、山本善行さん、岡崎武志さんのものなどを手にして
おります。こういうライターさんのあり方は、あとに続く若い人たちに影響を与えた
のではないかと思うのですが、どうなのでしょう。