継続は力なり

 雑誌の顔というと表紙になりますが、週刊文春和田誠さんが担当して、なんと
31年となるのだそうです。週刊文春なんて、中学生が手にするものではありません
からして、いま40代後半の人は、和田誠さんの週刊文春しか知らないのではないで
しょうか。

 雑誌の表紙を、ほとんど一人で担当しているというと「ぴあ」の及川正通さんとか、
本の雑誌」の沢野ひろしさんの例がありますが、こちらは月刊とか不定期刊と
いう時代がありましたので、年数は長くとも冊数は、週刊誌がまさっているとの
ことです。
 週刊文春が、下品にならずに「小林信彦」さんや「坪内祐三」さんの連載が
長く続いているのは、和田誠さんの表紙のイメージに引っ張られているかもしれま
せん。は和田誠さんが表紙をおりたら、一緒になって降板する寄稿者もでてくるので
ありましょうか。
 文芸春秋のPR誌「本の話」11月号では、和田誠さんに依頼した田中健五 
元編集長と和田誠さんが対談をしています。そのなかから、和田誠さんの発言を
引用します。

「 病気やけがで休んだことは、31年間一度もないです。風邪くらいひくけど、
そのくらいなら描けます。人間ドックにも年に一回行って検査していますしね。
辛いのは長期の旅行のときと、たまにですけど、映画を撮るとき。映画は2ヶ月
くらい拘束されますから。そういうときは描きためておいたり、合併号にあわせて
旅行にいったりしています。
 それに描くモチーフがそんなにポンポンと浮かぶわけではないですから。一週間
くらい考える時間が欲しいですね。庭になぬきがでるとか、お土産で民芸品をもらう
とか、情報提供があると助かります。あと、家から事務所まで45分毎日歩いて
通っているので、その間に思いつくことが多いです。木に登って寝ている猫に
出会ったりね。」
 
 和田誠さんは、これ以外にもいろいろと仕事をしているわけですから、まさに
超人的な活躍ぶりといえるでありましょう。