上方芸能列伝2 

 昨日に引き続きで澤田隆治さんの著作について話題にすることにします。
「私説コメディアン史」をひっぱりだしてきて、これからも引用をしようと
思っておりましたが、時間が足りず、本日は断念をしました。
澤田さんは、自分で番組をプロデュースして、しかも資料を手元に山ほど
残して、これを材料に「私的芸能史」を書き表すのですから、ほんとに
彼の存在が歴史そのものといえます。
 「上方芸能列伝」には、えんたつあちゃこが冒頭でとりあげられて、とりには
やすしきよしがおかれています。舞台にのぼる芸人さんが中心となりますが、
吉本興業のドン 林正之助」という一章がありました。
 芸人さんで取り上げられているなかで、異色なのはなんといっても
ルーキー新一」さんなのでしょう。小生は、そのむかしにテレビでその全盛期を
みておりますが、活躍はたったの5年であったのですが、破滅型の代表の
ような取り上げ方です。

「 この男は大勢の人を楽しませる才能をいっぱい身体に詰め込んでいながら、
たった5年しか真価を発揮できずに人生を終わった。この男の人生はいったい
なんだったんだ、と思う。嘘で固めた人生だったのか。
 この男がなんで僕だけが・・と泣いて訴えたことがあった。そのとき、横で
同じようにないていた女性の口惜しさに嘘があったとは思わない。
 あなたたちは不運と出会いすぎたのだ。」