「幻想美術館」

 澁澤龍彦「幻想美術館」というのは、書名ではなくて、本日は美術展示のことです。
どちらの美術館も、展示企画に採算などを求められるようになって、いきおい観客
動員が期待できるようなものが学校の休みなどにあわせて組まれることとなります。
そのむかしでありましたら、小さなギャラリーでやられた色物のような展示が、
最近は、大きな美術館の目玉企画となります。
 澁澤龍彦の鎌倉の自宅が、渋澤の夢の世界を具体化したような感じがすることは、
なくなってから刊行された「みずえ」87冬号の特集などで、その一部が明らかに
なりました。渋澤のこの自宅を、そのまま再現したら、文字通りでの「ドラコニア」と
なるのですが、それはとってもたいへんでありますので、自宅にあります絵画作品や
オブジェといった美術品を展示するということになるのでしょう。
 当方は、美術品と書籍などが一体となった写真をみておりますので、この絵画が
あると、その背景には、このような本がならんでいたよなという具合に思うので
すが、さて、この展示を企画した人たちは、どのようにスペースの組立を行うので
ありましょうか。
 この展示を予告するちらしのそばには、ほかで実施されたこの展示が観客動員NO1と
いうような文字が踊っておりましたので、メディアミックスで観客動員のための
大キャンペーンがされるのでしょうか。それって、すこし渋澤的ではないようにも
思うのですがね。