2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧
林達夫著作集の「研究ノート」に福田定良さんが文章を寄せているのは、法政大学 つながりと書きました。林達夫さんは、短い期間ではありますが、法政大学で教鞭を とっていまして、その時に福田定良さんが学生として在籍していました。 法政大学の哲学教授と…
鬼海さんは、自分のやり方に確信が持てずに悩んでいたときに、「福田哲学の、 ムズカシイから面白いのだという方法にも支えられた、」とあとがきに記していま す。 福田定良さんの哲学について、どこかに具体的に書いてあるところはないかと、 いまほど検索…
鬼海さんの先生は、ユニークな哲学者として有名でありました福田定良さんであり ました。ちくま文庫「世間のひと」のあとがきは、福田先生への感謝が綴られていま す。当方は、鬼海さんの随筆集を読んだことがありませんでしたので、この文章で 鬼海さんと福…
鬼海さんは、どうしてこのような写真をとる人になったのかであります。 ちくま文庫「世間のひと」のカバーには、簡単な紹介がありました。 「1945年山形県生まれ。法政大学文学部哲学科卒業後、遠洋マグロ漁船乗組員、暗室 マンなどさまざまな職業を経て写真…
本日の朝にすこし早く起きて、2012年の「ちくま」の発掘作業を行いました。 物置の段ボール箱にはいっている「ちくま」を何冊か発見せりです。 鬼海さんの連載一回目は、先日にもふれました「たくさんの衣装を持つお姐さん」で ありました。この「ちくま」一…
「世間のひと」には、鬼海さんによる文章が挿入されているのですが、これだけを 読んでみようと思いますと、なかなか見つけることができません。 鬼海さんといえば「ハッセル・ブラッド」であります。この愛機に触れた文章が ありました。 「雨音を聴きなが…
鬼海さんの「世間のひと」の後ろのほうにおかれている作品は、2012年から24回に わたって「ちくま」の表紙を飾ったものであります。 昨日に話題にした「たくさんの衣装を持ったお姐さん」は、その第一回目となりまし た。とにかく捨てないひとでありますので…
鬼海弘雄さんの世界でありますが、2003年に刊行された「ペルソナ」の表紙に採用 された男性の写真は、いかにも王という感じであります。今回の文庫本にももちろん 収録されていて、紹介には「舞踏家吉本大輔 2001」とありました。 そういえば、以前に鬼海さ…
鬼海弘雄さんの「世間のひと」(ちくま文庫)には、「はじめに」という短文が あります。そこに、この本のなりたちが記されています。 「ひとに興味をもち、もう少し好きになれればと思っている。 写真をはじめたときから、市井のひとたちをそれぞれの王のよ…
ここしばらく本屋もブックオフへもいけていません。 本屋に立ち寄るというのは、日々の暮らしのなかに組み込まれていたはずであり ますが、本当に最悪の状況が続いています。このような状況をつくりだした一番最初 のショックは、毎週末に食料品を買い出しに…
大井潤太郎さんの連載コラム「薔薇の木に薔薇の花咲く」、今月号は「目白みたいに ぷうとふくれて」という題であります。町の本屋さんの現状についてのコラムなので すが、「雑誌はコンビニ、スーパーに奪われ、書籍はアマゾン、メガストアに客を奪わ れ、配…
「本の雑誌」4月号が届きました。 今月の特集は、「図書館を探検する!」であります。これまで書店とか出版社のことは 取り上げられていましたら、「図書館」の取り上げははじめてでしょうか。 本当に「図書館」(この場合は、自治体が運営する公立図書館)…
後藤明生さん「吉野太夫」第四章からの引用、昨日に続いてであります。 「『大谷崎』の方が、『かんじんの自天王の話のほうはあきらめてしまい、その地方 の出身者である、友だちの死んだ母親の話に熱中しはじめ』たのに対して、こちらは、 『かんじんの』吉…
後藤明生さんの「吉野太夫」であります。全七章からなる作品でありますが、後藤 さんが花田清輝さんの「吉野葛・注」に言及して、これから長い引用をしているのは、 第四章となります。ちなみに七章のうち、この四章のみが「文学界」が初出で、その 他は「文…
谷崎の「吉野葛」から話はそれるのでありますが、谷崎が親しんでいたであろう語り ものの世界についてであります。「俊徳道」という近鉄の駅名を聞いても、それから 「俊徳丸」という説教節を思い浮かべる人は、ほとんどいないことでしょう。 川村二郎さんが…
過去の作品に題材をいただいて作品を仕立てるというのは、昔からある手法であり ますね。ヨーロッパでありましたら、ギリシア神話とかギリシャ悲劇などから触発され た作品は枚挙にいとまなしのはずであります。 日本でもそうなのでしょう。短歌の世界では本…
谷崎潤一郎作「吉野葛」について、花田清輝さんは「南朝の子孫である自天王という 人物を主人公にした歴史小説をかくつもりで、いろいろと文献をあさったあげく、 実地踏査のために吉野川をさかのぼり、わざわざ、主人公の住んでいた大台ケ原山の 山奥までで…
花田清輝さんの「室町小説集」に収録の「吉野葛・注」であります。 花田さんのものでありますので、けむにまかれてちんぷんかんぷんでありますが、 なんとか読み返しをしながら、わかろうとつとめています。 手にしているのは、「室町小説集」の元版でありま…
谷崎潤一郎の「吉野葛」が収録されていたアンソロジーは、平凡社の「伝統と文学」 ではありませんでした。あれは批評ばかりをあつめていたのでありました。 そのアンソロジーは「現代日本文学の発見」学芸書林刊でありました。最近はあまり 目にする機会もな…
「吉野葛」というのは、谷崎潤一郎の小説のタイトルであります。 この奇妙な小説を初めて目にしたのは、平凡社よりでていたアンソロジー「伝統と現代」 に収録されていたからでした。現代人の思想セレクション (2)作者: W.B.イェイツ,篠田一士出版社/メーカ…
2011年3月11日の大震災では多くの命が失われました。 3年が経過したいまにいたっても、なお深い悲しみのなかにおられる方々には、 同情を禁じ得ません。 地震と津波の被害の甚大さとくらべた時に、福島第一原発の事故は幸いなことに 死者をだすこともなく…
昨日に手にしていた本についての続きです。 先月からに引き続きで後藤明生さんの本を手にしています。吉野大夫 (中公文庫)作者: 後藤明生出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/02/07メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 後藤明生さん…
本日はごろごろとしながら、手近にあります本を読んでいました。 手にした順であげていきましょう。丸谷才一 (文藝別冊)作者: 河出書房新社出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/02/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る「文藝」の別…
本日は、ひさしぶりに土曜休みであります。土日休みは有効につかわなくてはと 思っていたのですが、本日はまずは映画館へです。 当地のミニシアターが、本日より一日一回「ハンナ・アレント」の上映でありま して、それを見物にいきました。初日でありますの…
3月のこの時期は、春を感じるようになるのですが、冬もまた最後のがんばりです。 ここ数日は全国的に気温が低くなっているようです。亡くなった人こそいなかった ようですが、猛烈な地吹雪のために車が立ち往生したとニュースがありました。 車で走っている…
月がかわって出版社のPR誌が届きました。例月でありましたら、一番はやく25日 くらいに届く「ちくま」が、今月は月がかわってから届きました。そういえば前にも こういうことがありましたが、その時はプリントした紙がはさみこまれて、なにか あって遅れて…
芸術家をめざす二人が一緒になるというのは、とてもたいへんなことなのでしょう。 どちらか一人が世にでるというだけでもたいへんなのにです。 有元利夫さんの本をみましたら、その発言として「容子は俺が死んでから描けばいい」 というのが紹介されていまし…
馬淵さんは詩人でありますが、エッセイなどものぞいてみました。 「一つの思ひで」とタイトルされたものです。(この馬淵さんの本は、初出などの記載 がないことで、ちょっと残念です。) いつどこに発表をしたものかはわかりませんが、これには草野心平さん…
馬淵美意子さんの詩についての菅野昭正さんのエッセイを紹介しようとしています が、馬淵さんの詩よりも菅野さんのエッセイのほうがわかりにくいかもしれません。 馬淵さんの代表的な作品「つかがね草」を取り上げているところを読んでいます。「 野かぜがわ…
本日に片付けをしていましたら、菅野昭正さんの「詩の現在 12冊の詩集」がでて きました。この批評集は、「文芸季刊誌『すばる』から、新刊の詩集を対象にして エッセイを書かないかというすすめを受け」てできたものだそうです。スタートは 1969年の夏頃と…