2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

小沢信男著作 16

小沢信男さんの「赤面申告」(朔人社刊)は、小沢さんにだした小生のファン レターにお返事をいただいたとき、近刊でこのようなものがありとご案内があった ものです。 これの前にでた「若きマチウの悩み」が新刊で購入した最初のものですから、この 73年9月…

小沢信男著作 15

小沢信男さんの、文学の師のお一人は、詩人の丸山薫さんでありました。 昨日は「サンパン」からの引用を行いましたが、詩人の丸山さんについては、 「いまむかし東京逍遥」(晶文社)にも「日比谷公園の鶴の噴水」という文章が 収録されています。こちらの文…

小沢信男著作 14

小沢信男さんは作家であります。作家=小説家ではないぞというのが、小沢さんの 活動からまなんだことです。 もともと小沢さんが文学活動を始めたのは詩作からでありました。 「サンパン」に連載していた「小沢信男一代記」には、この人についていこうという…

小沢信男著作 13

昨日に「小沢信男さん、あなたはどうやって食ってきましたか」 SUREからでる本の ことを紹介しましたが、これこそまさに小沢信男さんの「思想の科学」につながるネット から生まれたものです。3月19日に拙ブログでは、小沢さんが「思想の科学のほうが いごご…

小沢信男著作 12

小沢信男さんの著作について紹介を行っていますが、本日は旧著ではなく、これから 出る本についてのご紹介をすることにいたします。一年に一冊でも本がでればいいほうと いう小沢さんにしては、どうしたことでしょう。三月にでた「本の立ち話」に続き、 二ヶ…

小沢信男著作 11

小沢信男さんの著作でこれまでのところ文庫本になったのは残念ながら犯罪もの だけであります。鶴見俊輔さんの檄に応えたかたちになりますが、だんだんと小沢版 「犯罪全集」の趣となってきました。 元版がでてから10年、講談社文庫版がでてから6年が経過し…

小沢信男著作 10

「犯罪紳士録」の「三面記事考 序にかえて」に話を戻します。 「私が言いたいのは、この種の事件記事が、明治このかたどれほど進歩しているか、 一世紀前よりむしろ遜色がありはしまいか、ということだ。・・・・ こんにち新聞社の”公正”は、警察発表の鵜呑…

小沢信男著作 9

「日本の百年」〈2〉わき立つ民論という本は 著者となる松本三之介さんが、解説の最後 には、「この巻の編集・執筆は松本が担当した。なお執筆にあたっては小沢信男氏のご 協力をえた。 厚く謝意を表したい。」と記しているのですが、これは「ご協力」なんて…

小沢信男著作 8

小沢信男さんによる「犯罪ルポ」の流れは、昨日までの「犯罪専科」と、本日に書影を 掲載します「犯罪紳士録」に集約されます、 「犯罪紳士録」の元版は、80年2月20日(この日は、くしくも当方の次男が生まれた 日でありました。)に刊行されました。版元は…

小沢信男著作 7

小沢信男さんの犯罪ものは、時系列でいきますと「犯罪紳士録」というシリーズ つながります。東邦出版社からでた最初の「犯罪専科」あとがきには、「また本書と は別に、近代日本犯罪史的なアングルのもとに、私の犯罪ドキュメントの集大成を、 近々に、版元…

小沢信男著作 6

東邦出版社から78年7月に刊行された「犯罪専科」は、なんと続編がでることに なりました。 「続・犯罪専科」 東邦出版社 79年1月刊 「続・犯罪専科」のあとがきには「好評続刊は、もちろん著者としての欣快であり ます。」とありました。犯罪ルポは、身近な…

小沢信男著作 5

78年に刊行された「犯罪ルポ」は、次のものとなります。 「犯罪専科」 78年7月刊 東邦出版社 この本の小沢さんあとがきには、次のようにあります。 「本書の成立は、私として、おもいがけないよろこびであります。というのは、 三一新書版の『犯罪の主役たち…

小沢信男著作 4

小沢信男さんの本の紹介を行っています。刊行順にやってきましたが、犯罪ルポが 続きましたので、引き続きで犯罪ものをまとめてみることにいたしましょう。 「サンパン」13号の「聞き書き 小沢信男一代記」11回目「犯罪ルポに打ちこん だ頃」には、次のよう…

小沢信男著作 3

「犯罪の主役たち」に続いて刊行されたのは「悪女」となります。 昨日に引用した小沢信男さんの文によれば「犯罪ドキュメントを、ご注文によって 私は書き続けました。隔月に、三年間。それらが七、八編ほどたまるそばから、 三一書房が三一新書に編んでくれ…

小沢信男著作 2

小沢信男さんの二冊目の著書は、がらっとかわってのものです。ブックカバーにあ る売り文句には、次のようにあります。 「わが忘れなば」をはじめとして、むしろ硬質の文学の世界で独自の活躍をしている 小沢信男が、マスコミ記事としてのはなやかな登場に反…

小沢信男著作 1

昨日に小沢信男さんの著作目録を作成したことがあったと記しましたが、これは95年 のことでした。本年は、これを増補するとともに、もうすこし調べてみようと思って おりましたが、なかなか動きだすことができずであります。(昨年くらいから、今年は すこし…

本の立ち話 6

小沢信男さんの新刊「本の立ち話」を話題にしています。この本は小沢さんにとって 何冊目の著書であるのかなと思いつつ、スクラップブックを手にしましたら、95年9月に 作成した「小沢信男著作目録」というのが出てきました。これには24冊、「あの人と歩 く…

本の立ち話 5

小沢信男さんの新刊「本の立ち話」を手にして、そういえば、この手の本と いうのは久しぶりのことであるなと思いました。今回のものは本の跋文とか解説 を中心にまとめたものでありますが、久しぶりというよりも、ほとんど初めての 本のようでもあります。 …

本の立ち話 4

本日も小沢信男さんの新刊「本の立ち話」(西田書店)の目次(続き)を立ち見しま す。 [rakuten:book:14429004:detail] * ・ 労働者文学の熟成 清水克二「私の東京案内」跋 ( 1998・7 創樹社 ) ・ 旋盤工・作家 小関智弘 「おんなたちの町工場」解説(2…

本の立ち話 3

小沢信男さんの新刊「本の立ち話」(西田書店刊)のご紹介ですが、とりあえず 目次を立ち見してください。(初出もあわせて記載します。) [rakuten:book:14429004:detail]・ 頂門の一針 ( 縮刷版「赤とんぼ」別巻 2010 大空社) ・ 荷風東へ行く (「ちく…

本の立ち話 2

本日の午後に宮城県を中心とする東日本の広い範囲で極めて強い地震があり ました。当方の住まうところは、それほどの揺れを観測しなかったのですが、 その後には、津波が押し寄せてきて、それの高さがどのくらいになるものか、 息を潜めてニュースを注視して…

本の立ち話

数日前に小沢信男さんの「本の立ち話」(西田書店刊)を入手しました。 今月末で定年退職となる当方にとっては、退職祝いのような一冊であります。 この本の帯には「行く先々に本があって人がいた。」とあります。こうした人の なかに当方もいれていただくこ…

メディア・アート創世記 15

ブルーノ・ムナーリとならんで、坂根さんが紹介した人で、当方の印象に残っている のは、M・C・エッシャーであります。日本での知名度ということになりますと、この エッシャーさんのほうがずっと上ということになるでしょう。 坂根さんは、朝日新聞社にい…

メディア・アート創世記 14

坂根厳夫さんの「遊びの博物誌」で、当方の頭にすり込まれた名前に、エッシャーとならんでイタリアのデザイナー ブルーノ・ムナーリがありました。数年前に日本で 回顧展が開催されて、その時に芸術新潮で特集を組んでいたのが記憶に残っています。 あれも朝…

メディア・アート創世記 13

坂根厳夫さんの書かれたものを一番目にしていたのは、朝日新聞に在籍していた 頃のようです。当方が著作を購入したのは、昨日に書影を引いた「新・遊びの博物誌」 までとなり、そのあとのものは手がでませんでした。このへんにもメディア・アート よりも、「…

メディア・アート創世記 12

坂根厳夫さんは、新聞記者でありながら、自らの企画による展覧会のキュレーターを 勤めていたとありました。最近は、ある程度名前が売れてしまえばフリーのライターに なったり、大学教員になるジャーナリストが多いようでありますが、坂根さんは定年退 職ま…

メディア・アート創世記 11

朝日新聞社から刊行された「遊びの博物誌」がでてきました。77年7月にでた ものでした。 値段は2400円ですから、けっこう高いものであったようです。 装丁は安野光雅さんによるものです。 表紙は、次のものです。 裏表紙は、鏡にうつったものとなっています…

メディア・アート創世記 10

「遊びの博物誌」は、新聞の連載が単行本となり、そのあとは展覧会となって全国 の百貨店の催事としてまわったのですから、今考えるととんでもないヒット企画と なるわけです。それだけ新聞の影響力が強く、取材にもお金をかけることができた のかと思ます。…

メディア・アート創世記 9

坂根厳夫さんによる「遊びの博物誌」は、新聞連載のときからたいへん話題に なったと思われます。連載が終わるとすぐに単行本になったのは、当然であり ますが、それに続いてイベントも企画されました。 その頃のことを「メディア・アート創世記」から引用し…

メディア・アート創世記 8

坂根厳夫さんが朝日新聞に「遊びの博物誌」の連載を開始したのは75年暮れのことで あったようです。(単行本となった「遊びの博物誌」を見たら、わかると思うのですが、 いまは本を見つけることができておりません。週末までこの話題を続けていましたら、 探…