2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

メディア・アート創世記 6

坂根厳夫さんの「メディア・アート創世記」を手にしていますが、大阪万博と「美の 座標」に引き続いて、当方の目についたのは、次のものです。 「すでに出版されていた『美の座標』を読んで、その続編のようなものを書いてもら えないかと雑誌『室内』から依…

メディア・アート創世記 5 

坂根厳夫さんが朝日新聞に「美の座標」を連載していた時期は、坂根さんが大阪万博の 取材にかかわっている時期でもあったようです。それまでの坂根さんの活動からすると、 万博の企画にもかかわっているように思えるのですが、新聞社の社員という立場からは…

メディア・アート創世記 4

昨日まで坂根厳夫さんの「美の座標」(みすず書房刊 73年2月25日刊)の書影をとり あげていましたが、この本のあとがきから引用します。 「 1969年1月から翌70年5月まで、私は朝日新聞の『みんなの科学』欄に、毎週1回55回 にわたって『美の座標』という読み…

メディア・アート創世記 3

坂根厳夫さんの「メディア・アート創世記」から材料をいただいて、坂根さんの仕事に ふれています。 昨日に「美の座標」(みすず書房刊の書影を掲載しましたが、昨日のは外箱のものでし たが、本を箱から抜いてスキャナーで読み込んだのが、以下のものです。…

メディア・アート創世記 2

坂根厳夫さんの「メディア・アート創世記」を話題にしています。先日に購入して、まだ ほとんど読めていないのでありますが、巻頭におかれた「私、そして境界領域を訪ね 歩いた半世紀」のところをぱらぱらとながめています。朝日新聞の記者としてコラムを 書…

メディア・アート創世記

みすず「読書アンケート」をみて購入した一冊が、坂根厳夫さんの「メディア・アート創世記」であります。メディア・アート創世記ー科学と芸術の出会い作者: 坂根厳夫出版社/メーカー: 工作舎発売日: 2010/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 1…

みすず「読書アンケート」 6

みすず「読書アンケート」特集の既刊分をランダムに手にしてみますと、いろいろと、 いまころになって発見があったりします。はじめて目にしたときにはよくわかっていな かったことが、時間がたってすこしは理解できるようになったものかもしれませんです。 …

みすず「読書アンケート」 5

古い「みすず」を並べて「読書アンケート」をのぞいていましたら、次のような ものに目がとまりました。ちなみに手にしていた「みすず」は80年1月号となります。 志貴春彦さん(精神医学)のあげたものと、そのコメントです。 「1 久坂葉子作品集「女」(六…

みすず「読書アンケート」 4

月刊「みすず」が「読書アンケート特集」というようになったのは、2003年からの ことになります。それまではずっと1月号の企画として読書アンケートを掲載していた のですが、2003年からは1・2月号を合併号として読書アンケートのみを掲載するよう になった…

みすず「読書アンケート」 3

月刊「みすず」が1月号に「読書アンケート」を掲載するようになったのは、いつから のことでしょうか。当方の手元には1972年1月号から2011年1月号まで40冊の「読書 アンケート」掲載号が保存されていますが、この「みすず」は59年に創刊されて、72年 1月号№1…

みすず「読書アンケート」 2

アンケートであがっている本で、当方も購入したものに次のものがあります。長谷川〓二郎画文集 静かな奇譚作者: 長谷川〓@56FD@二郎,土方明司出版社/メーカー: 求龍堂発売日: 2010/03/01メディア: 大型本購入: 4人 クリック: 219回この商品を含むブログ (21…

みすず「読書アンケート」

月刊「みすず」2011年1・2月合併号を手にしています。 いつも新しい号を手にするたびに思うのですが、この「読書アンケート」特集という のは、いつ頃から始まったのでしょう。かって「みすず書房」からは「読書の現在」とい う書名で、このアンケートをまと…

ブロンテ 実生活の視点 10

「ブロンテと芸術」の最後に置かれた佐藤郁子さんの「ブロンテとレース」の最後の ところで、追記のようにして次のようにあります。 「レースと教会の関係は、上流階級の人々が信仰心を表す手段の1つとなっていたことは すでに述べたとおりだが、それを実際…

ブロンテ 実生活の視点 9

「ブロンテと芸術ー実生活の視点から」に収録されている佐藤郁子さんの論文 「ブロンテとレース」は副題に「シャーロットとレースの邂逅」とあるのです が、18世紀からのヨーロッパ大陸での「レース」の歴史について言及されています。 「レース」で飾ること…

ブロンテ 実生活の視点 8

教養というか、たしなみとしてのお針仕事というのは中流階級の女性にも必要で あったのでしょうが、これで生活を支えるというのは、中流の女性の役割ではあり ません。 「ブロンテと芸術」には、ブロンテとレースについての論文が収録されています。 これに…

ブロンテ 実生活の視点 7

日本であれば金があれば、この世はなんとかなると思わせるような風潮がありました が、英国ではもっと長きにわたって出身階級の固定化が続いていますので、階級による 文化の違いというのがあるようです。 どう考えても、上流階級の人々はフットボール(サッ…

ブロンテ 実生活の視点 6

田中淑子さんによる「衣服で読むジェーン・エア」には、「1861年のロンドン人口 調査における中産階級の内訳分析」が引用されています。当時において中の上とか、 中の下というのは、収入帯で区分されているのだそうです。 中産階級に属している限りにおいて…

ブロンテ 実生活の視点 5

「ブロンテと芸術」から話題をいただくのですが、ブロンテ姉妹の作品世界に暗い せいもありまして、中にはいっていくことができずです。ブロンテと芸術―実生活の視点から作者: 宇田和子,田中淑子,佐藤郁子,小野ゆき子出版社/メーカー: 大阪教育図書発売日: 2…

ブロンテ 実生活の視点 4

階級社会における良家というのは、執事とか召使いというのがいることが生活の前提 であるようですから、日常生活の雑事は、我が事にあらずであったのでしょう。 19世紀のイギリス料理が、世界に冠たるものとならなかったのは、こうしたことが背景 にあったの…

ブロンテ 実生活の視点 3

小野二郎さんの「紅茶を受皿で」に収録のイギリス料理に関する文章のタイトルは 「ビートン夫人の料理術」というものです。 小野さんは、次のように紹介しています。 「だが、ビートン夫人というのは誰だろう。日本でいえばE女史とかK女史とかいうよう な現…

ブロンテ 実生活の視点 2

いかにも拙ブログで「ブロンテ」を話題とするというのは、当方に似合わないことで あります。英国の作家のことが登場するのは稀ですし、ブロンテ姉妹の作品はほとんど 読んでいないことです。 それもこれも小野二郎つながりでありまして、小野さんの「紅茶を…

ブロンテ 実生活の視点

坪内稔典さんが、正岡子規研究へのアプローチ手法の一つとして、「子規の真似を しながら、いつかその真似がすっかり身についた」と記して、子規が好きであった 「あんパンと柿」については、子規よりもくわしくなったとありました。 ほとんど学者的アプロー…

「図書」2月号より 6

坪内稔典さんが「図書」に連載している「柿への旅」には、坪内さんが「ギクッと した」理由が書かれています。 「柿への旅」でありますので、柿にちなんだ話題が展開されるのですが、広島県 北部や福島県石城地方には、「柿の木問答」というのがあったのだそ…

「図書」2月号より 5

坪内稔典さんが「図書」に連載している「柿への旅」と岩波から刊行した「正岡子規」 は当然のことながら照応しています。当方は、岩波新書「正岡子規」を柿をキーワード にして斜め読みをしています。 まず坪内さんの岩波新書「正岡子規」からの引用です。 …

「図書」2月号より 4

「図書」2月号を見ていましたら続き物の関係で、1月号にも手が伸びました。 そういえば1月号というのは、いろいろとあって、あまり良く見ていないのに 気がつきました。 「図書」の連載には坪内稔典さんの「柿への旅」というのがあります。 坪内さんが柿にこ…

「図書」2月号より 3

昨日に引き続き丸谷才一さんの連載「無地のネクタイ」から「松竹の歌舞伎」で あります。 前日に引用したところから、次のフレーズにつながります。 「 歌舞伎はさういふ特殊な演劇である。たとへば演目や配役といふ重大事にしたって、 わがままな大名題の意…

「図書」2月号より 2

岩波「図書」連載のお楽しみはいくつかありますが、その二つ目は「無地のネクタイ」 という丸谷才一さんの連載であります。今月のテーマは「松竹の歌舞伎」についてです。 丸谷さんはほかにも連載をお持ちなのかもしれませんが、当方は承知しておりません の…

「図書」2月号より

岩波書店の「図書」2月号が届きました。これの連載物では楽しみにしているものが いくつかありますが、佐伯泰英さんの「惜櫟荘だより」は十回目で、相変わらずで 快調です。今回の話題は、スペインに滞在して在欧の写真家として活動をしていた時代 のことで…