2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

2010 夏の読書

この夏は、例年になく猛暑がつづきます。7月末に東京へといって絵画展を 見物してきたのですが、この時は、すでに猛暑月間が始まっていました。 いつから最高気温35度超えというのがスタートしたのか、当方はわかっており ませんが、いつまでこの暑さは続く…

長谷川りん二郎展 8

鮎川哲也さんの「幻の探偵作家を求めて」で、最初に取り上げられているのは、 地味井平造さんであります。鮎川さんにとって、幻の探偵作家といえば、まず頭に 浮かんだのは地味井平造さんであったようです。 鮎川さんは、「ファンタジーの細工師・地味井平造…

長谷川りん二郎展 7

長谷川潾二郎さんは、「画家としてより先に、探偵小説家、地味井平造として、世に でることになる。」と図録の解説にはあります。長谷川さんが、探偵小説を雑誌に発表 するに至ったのは、中学校時代に函館で「久生十蘭」と「水谷準」さんと出会ったことが 大…

長谷川りん二郎展 6

長谷川潾二郎さんの回顧展を機に刊行された公式図録は「画文集」となっています。 長谷川さんは、かって探偵小説を書いていたことは知られていましたが、制作をめぐる 文章などは、これまで眼にする機会がありませんでした。 数年前にTV東京「美の巨人たち」…

長谷川りん二郎展 5

長谷川りん二郎さんの図録にある主要文献を見ても、洲之内徹さんが積極的にとりあげ ているほかは、ほとんど論じられることがないというのがわかります。団体に属していな くて、いわば画壇政治に無縁であったことが、このようなことになったのでしょうか。 …

長谷川りん二郎展 4

長谷川潾二郎さんの作品で一番有名なのは「猫」と題されたもので、それは岩崎 美術社からでた作品集の表紙を飾り、そして今回の図録の表紙にもつかわれています。 長谷川潾二郎さんの作品は、描かれた対象との間にちょっと距離のあるようなもの が多いのです…

長谷川りん二郎展 3

長谷川りん二郎さんの展覧会というのは、これまでも何度か行われているようですが、 このようにおおがかりなものは、もちろん今回が初めてでしょう。作品で有名なものは 宮城県立美術館の洲之内コレクションにあって、今回の図録の表紙にもなっている代表作 …

長谷川りん二郎展 2

長谷川潾二郎展は、この週末から長谷川さんの出身地である「函館美術館」に会場を 移します。決して知名度が高くない長谷川潾二郎さんの展覧会が、全国四会場で4月 以降の年内開催されるということは、にわかに信じがたいことです。 出身地である函館、洲之…

長谷川りん二郎展

昨日のNHK教育テレビ「日曜美術館」21時からの放送を知らせるテレビ欄には、 「話題騒然!神秘の画家 長谷川りん二郎を見よ 世界一幸せそうな猫」とありました。 平塚市美術館で回顧展が開催されていた5月に放送があって、それの再放送ですが、 「話題騒然…

岩波少年文庫創刊60年 13

昨日に引き続きで、池内兄弟の対談からの引用です。池内兄は1940年生まれで、 当方よりほぼ10歳年長、対談が行われたのは、2000年3月とありますので、その 時の池内兄と、現在の当方はほぼ同じ年齢となります。 そうしたことで読んでみますと、次のところに…

岩波少年文庫創刊60年 12

岩波少年文庫「なつかしい本の記憶」に収録されている池内兄弟の話からです。 そういえば、池内紀さんのご子息である池内恵さんが、デビューした頃に、 次のことが話題となりました。 「 テレビは明らかに『感情』の世界でしょう。日夜あれだけの感情的世界…

岩波少年文庫創刊60年 11

岩波少年文庫創刊50年を記念して刊行された「なつかしい本の記憶」に掲載の 池内兄弟の対談から話題をいただきです。なつかしい本の記憶―岩波少年文庫の50年 (岩波少年文庫 (別冊))作者: 岩波書店編集部出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/06/16メディア…

岩波少年文庫創刊60年 10

「なつかしい本の記憶」の岸田姉妹の対談によりますと、姉である衿子さんは 子どものころ外遊びばかりしていて、妹の今日子さんは「異常に本が好きで、 親の書斎に入って、学校ずる休みしてでも読んじゃうほうだった」のだそうです。 岸田姉妹の間で、あれが…

岩波少年文庫創刊60年 9

「岩波少年文庫」の創刊に石井桃子さんがかかわっていたと書きましたが、岩波書店で その上司にあたったのが吉野源三郎さんでした。昨日に吉野源三郎さんで検索をしてみま したら、岩波少年文庫の創刊にかかわったことや、そのマニフェストを書いたことが、 …

岩波少年文庫創刊60年 8

「岩波少年文庫の発刊に際して」というマニフェストは、どなたが書いたので ありましょうと思っておりました。少年文庫の生みの親のような存在である石井 桃子さんがかかわっているはずとは思いましたが、昨日にも引用した「なつかしい 本の記憶」におさめら…

岩波少年文庫創刊60年 7

当方は、小学校は2つに通っていますが、どちらも農村部にある学校で、入学した ところには4年生までいっていましたが、ここにどのような学校図書館があるのかは 記憶に残っていません。転校した学校を卒業することになるのですが、ここは都市の 近郊にある…

岩波少年文庫創刊60年 6

岩波少年文庫創刊50年を記念して刊行された「なつかしい本の記憶」には、 かって岩波「図書」などに掲載された「岩波少年文庫」についてのエッセイと 斉藤惇夫さんによる「岩波少年文庫とわたし」という講演記録と、有名な姉妹等 による「少年文庫」の思い出…

岩波少年文庫創刊60年 5

「岩波少年文庫」創刊60年となったのを機に記念新刊とか、リクエスト復刊がでる のですが、60年というのは、少年文庫が還暦をむかえるということでありまして、 その文庫を読んで育ったこどもたちも歳をとっているということであります。 今回のおすすめブ…

岩波少年文庫創刊60年 4

「岩波少年文庫創刊60年」を期して作成された「おすすめブックガイド」である 「昔も、今も、そして、これからも。」という冊子を岩波のホームページからダウン ロードして見ております。 この冊子には、ごくごく簡単に「岩波少年文庫の60年」をたどるページ…

岩波少年文庫創刊60年 3

岩波少年文庫は、1950年創刊ですが、その最初の一冊はなんだったのでしょう。 そう思って検索をかけてみましたら、岩波書店のページに、少年文庫60年に関する 冊子がPDFとなってありました。これはありがたい。 ( http://www.iwanami.co.jp/hensyu/jidou/…

岩波少年文庫創刊60年 2

最近は、あまり古本屋へといくことがなくなっていますが、いまから十年前くらい には、岩波少年文庫の最初の装幀本が安い値段で購入可能でした。一番最初は箱入りで、 表紙も厚紙に紙が貼られていました。 外箱はありませんが、表紙は以下のデザインでありま…

岩波少年文庫創刊60年記念

岩波少年文庫創刊60年を記念してのフェアが全国の協力書店で開催されているとの ことです。7月の上旬からとのことですが、当方はいまだに、このフェアをしている 書店に足を運んでおりません。 岩波「図書」の広告を見ましたら、「わたしの好きな岩波少年文…

シルバー・コロンビア 7

堀田善衛さんの「スペイン430日」(ちくま文庫)は書き出しが77年7月で、納めは 78年9月12日(火)となります。 78年8・9月の日記には、次のようなことが記されています。 「8月11日(金)東京より電報、『ゴヤ』がA・A作家会議のロータス賞に内定。 十月に…

シルバー・コロンビア 6

スペインで取材をしていた頃の佐伯泰英さんは、もちろん文筆家になりたいと思って いたのでしょうが、その当時に、今のように時代小説で有名になるとは思ってもみな かったでしょう。まして、岩波「図書」に連載するようなことになるとはです。 昨日に続いて…

シルバー・コロンビア 5

佐伯泰英さんが「図書」に連載している「惜櫟荘だより」に触発されて、堀田善衛さん のスペインでの日々のことを話題にしています。 佐伯泰英さんの小説は、書店で見かけたことがありますが、当方には縁遠い世界であり まして、これまで手にしたことはありま…

シルバー・コロンビア 4

堀田善衛さんの「スペイン430日」(ちくま文庫版)に、佐伯泰英さんがはじめて 登場するところは、昨日に引用しましたが、それについで登場したのは、佐伯さんが 東京に戻っているときでした。 佐伯さんが再びスペインに登場するのは、78年4月のことです。 …

シルバー・コロンビア 3

堀田善衛さんの著書「スペインの430日」は、スペインでの日々を日録風に綴った ものです。書き出しは77年7月17日で、この日は堀田さんの60歳の誕生日となります。 この年の5月に日本をでて、スペインの目的地についたのが7月10日とあります。 書き出しと…

シルバー・コロンビア 2

作家の堀田善衛さんをwikipediaで検索をしますと、次のようにあります。 「1977年、『ゴヤ』完結後、スペインに居を構え、それからスペインと日本とを往復 する生活をはじめる。スペインやヨーロッパに関する著作がこの時期には多い。」 これに続いての著作…

シルバー・コロンビア

当方が東京へといった1986年は、ちょうどバブル景気がいわれたころでありまして、 あちこちで地上げが活発に行われ、短期間のうちに土地の値段が高騰した時期でした。 上場されたNTT株の初値が話題となって、借金してでもNTT株を購入すれば儲かると いわれた…

本日はブックオフへ

仕事帰りにブックオフに立ち寄るというのは、週末の楽しみでありますが、 ここ数週間は、東京へといっていたり、葬儀がはいったことなどで、これが できておりませんでした。定期的に足を運ばなくては精神衛生によくないような 気がします。まあ不調の「青い…