2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

湯川共和国11

「湯川成一と湯川書房ゆかりの美術家たち」展も残すところ、あと三日になりま した。 この期間中、拙ブログでは応援のために湯川書房関連の話題を綴ることにしました。 とはいっても、当方に材料は多くあるわけではなく、08年7月から9月にかけての ところ…

湯川共和国10

湯川回顧展にあわせるように湯川書房についての、あれこれを綴っています。 他の方のブログを拝見しますと、展示についてのきちんとした写真があったりして、 当方もすこしちゃんと写真をとっておくべきであったと、今頃になってくやんで おります。 湯川書…

湯川共和国9

「湯川書房回顧展」の会場にいきましたら、そこにいらした女性からどなたのファン ですかと聞かれました。ギャラリーでの展示ということから、会場には今回出品して いる美術家たちの熱心なファンもいらしたのでしょう。男性のほとんどは、限定本の 版元であ…

湯川共和国8

拙ブログとは近しい関係にある「栗カメの散歩漫歩」でも「湯川書房回顧展」に ついての記述が続いています。先日まではNHKラジオ深夜便でのことを取り上げて いたのですが、本日は会場に足を運んで展示をご覧になった報告です。 一昨年に拙ブログで湯川書房…

湯川共和国7

今回の湯川書房回顧展のためには、二つ折りのリーフレットが用意されています。 これには、湯川成一さんと湯川書房の紹介、主な出版物のリスト、そして主要・参考 資料が掲載され、出品目録が挟み込まれています。 主要資料としてあるのは、湯川さんが73年「…

湯川共和国6

拙ブログのおとなり日記に「神保町系オタオタ日記」があがってきています。 これを拝見しますと、「3月26日の日経の『文化往来』にギャルリ・プチボワで開催中 の『湯川成一と湯川書房ゆかりの美術家たち』(4月3日まで)が登場。」とありまし た。 この…

湯川共和国5

今回の「湯川成一と湯川書房ゆかりの美術家たち」展をきっかけとして、あち こちのブログで取り上げがあります。 今回の「わたしの本づくり」にも詩をよせている詩人の時里二郎さんのブログには、 会場風景と展示物についての様子がわかる写真が複数掲載され…

湯川共和国4

湯川成一さんのお誕生日にあわせて刊行された「私の本作り」に寄せた画家 岡田 露愁さんの文章に次のようなくだりがありました。 「 湯川さんの訃報を福永さんからお聞きしたときは呆然とした。湯川さんの病状は そんなに重たかったのか。私は最後まで湯川さ…

湯川共和国3

今回の「湯川展」をきっかけに刊行された「私の本作り」の版元 皓月書林は、この 冊子をだすためだけでありますので、いろいろとしかけがありそうです。 「発行所 皓月書林 京都市左京区水雀七丁目十一番地 」というのは、もちろん架空 の住所でありまして、…

湯川共和国2

「ギャルリプチボア」で開催の「湯川成一と湯川書房ゆかりの美術家たち」展の 会場では、「『私の本作り』湯川成一 附 友人會宿 皓月書林」が販売されて いました。 この本は、今回の展を「記念し、時里二郎、望月通陽、戸田勝久、柄澤齋、岡田露愁 の友人會…

大阪散策

久しぶりに大阪に来た親戚は、いまから25年ほど前に住んでいた時代に 通っていた店に顔をだしたいと、雨のなかを路地をめぐっていました。 大阪を離れてから、その店のことは夢にでてきたとの話となって、その店 でハイボールを飲んでいる夢をすくなくとも3…

湯川共和国 

本日は湯川書房・湯川成一メモリアルディとなりました。 3月24日が故湯川成一さんのお誕生日となりますが、それにあわせるように、 「ギャルリプチボワ」で「湯川成一と湯川書房ゆかりの美術家たち」展が開かれ ました。 ( http://www16.plala.or.jp/pet…

はるばる来ました。

仕事を終えてから空港に向かいました。夜遅くに神戸におりたちましたが、ここに着いたのは初めてのことです。電車を乗り継いで、大阪に入りホテルで旅装をときました。今回の旅は、個人的な事情で予定したものですが、ちょうどタイミングよろしで、湯川展が…

本が生まれるまで6

「本が生まれるまで」で小尾俊人さんは、「『活字』の世界に捉えられた。活版 印刷文字の美しさともいえよう。活字の大きさによって、その活字体が全部違う。 ・・私はとくに平かなのスタイルが目にしみつき、ついには神経細胞を支配するかの ように思われた…

本が生まれるまで5

本日も小尾俊人さんの「本が生まれるまで」からの話題です。 「 私が出版界で過ごした年月は五十年を超えているが、もっとも親しく、日常的で、 永続的な関係をもったのは印刷所である。印刷機がなければ『ホン』というものは 生まれない。・・・・ 鉛活字と…

本が生まれるまで4

小尾俊人さんは、「神田本郷、中央線沿線の古本屋さんは、わたしの先生で、 私の大学」といっているのですが、たいへんなことです。小尾さんは、自分で 独立して出版社を興しましたので、存分に力を発揮することができたでしょうが、 これが既存の岩波などで…

本が生まれるまで3

小尾俊人さんの「本が生まれるまで」から話題をいただいておりましたが、 出版社の「少年社員」という制度に寄り道しています。戦前の商店でありましたら、 小学校を卒業したくらいのこどもが、小僧または丁稚なんていうことで口減らしも かねて奉公にでたこ…

本が生まれるまで2

みすず書房の創業の一人で、編集責任者をながらくつとめた小尾俊人さんが、 最初にはいったのは同じ長野県の代議士 羽田武嗣郎さんが起こした羽田書店でした。 これは1940年のことで、ちょうどこの年に筑摩書房が生まれています。 羽田書店で検索をかけます…

本が生まれるまで

先日に「杉浦康平デザイン」を話題にしていたとき、築地書館からでた本のことに 触れました。築地書館の刊本はほとんど縁がないなと思っていましたら、次のものが でてきました。本が生まれるまで〈1994〉作者: 小尾俊人出版社/メーカー: 築地書館発売日: 19…

年末年始

勤め人をながらくやっておりますと、勤務先の年次作業日程を反映した暦のほうが、 気もちにぴったりときます。 当方の勤務先の事業年度とは4月から3月でありますので、この時期は年度末にあた り、3月末をもって退職する人々の送別会と、4月から新たに就…

活字が輝いていた時代5

「本の雑誌」が活版印刷をやめたのは、いつであったろうかと検索をかけてみました ら、2003年7月の「印刷雑誌」の目次に「『本の雑誌』活版からオフセットへ」 (編集部)というタイトルありました。この頃の「本の雑誌」はどこかにはいっている はずで…

活字が輝いていた時代4

中西秀彦さんの「活字が消えた日」には、中西さんが父が社長をつとめる会社に 入社した85年の印刷工場の様子が描かれています。その時代は、まだまだ「活字が 輝いていた時代」でありまして、大手の印刷会社では手を出すことができない特殊 な学術書の印刷を…

活字が輝いていた時代3

昨日のページに掲載しました「活字が消えた日」の表紙カバーにあります写真は、 活字棚であるようです。この棚に鉛の活字が並んでいないというのが、活字がつか われなくなったことを表しています。 「活字が消えた日」の著者 中西秀彦さんは、大学をでてか…

活字が輝いていた時代2

デザイナーの杉浦康平さんは、「デザインをするためには、出版社とデザイナーの 協力が必要なのだが、マスプロだと、そのプロセスが欠落する。そこで中小出版社に 希望をつなぐほかないわけで、築地書館や思潮社は印刷所と緊密な関係をもっているか ら、造本…

活字が輝いていた時代

先日にまちのブックオフへとよりましたら、単行本が一冊500円というセールを していました。そこで次の本を見つけました。活字が消えた日―コンピュータと印刷作者: 中西秀彦出版社/メーカー: 晶文社発売日: 1994/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6…

杉浦康平のデザイン13

杉浦康平さんがデザインした本の内容見本というと「曼荼羅」についてのものが あったような気がしておりまして、内容見本がはいっているところを確認してみたの ですが、これが見つからないのでありました。 杉浦デザインの本では、河出書房からでた文学関係…

杉浦康平のデザイン12

昨日に写真を掲載したのは、河出書房「日夏耿之介全集」内容見本の表紙です。 当方は、個人全集などの内容見本を捨てることができずに、残しておりますが、 そのなかで一番すごいと思うのは「日夏全集」のものです。個人全集というのは、 高価でなかなか購入…

杉浦康平のデザイン11

そういえば、臼田捷治さんには「装幀列伝」という著書がありました。 04年9月にでた平凡社新書ですから、自宅のどこかにあると思っていたのですが、 比較的簡単に見つけることができました。この前著においても、杉浦康平さんは、 大きく取り上げられている…

杉浦康平のデザイン10

臼田捷治さんの「杉浦康平のデザイン」からの話題をつづけます。 「豪華本ではない通常の市販本でも杉浦の常識をくつがえすブックデザインは怒濤 のような勢いで続いていた。なかでも読書人をアッと驚かせたのが、1975年に刊行 された稲垣足穂の『人間人形時…

杉浦康平のデザイン9

杉浦康平デザインで、黒シリーズといえば、埴谷雄高とか稲垣足穂でありますね。 埴谷のものでは、昨日の河出版作品集がインパクトがありましたが、どこからでたもの であったか埴谷の頭部CTの写真を表紙のつかったものもありました。 埴谷の本は、デザイン的…