2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

国語の教科書24

本日も臼井吉見さん「三つの本」からであります。この文章には「卒業してゆく 諸君へ」と添えられていますが、このような表記は「ささやかな日本発掘」について 文章のなかに見ることができます。 「 卒業してゆくきみたちの前に、いろいろな出会いが待って…

国語の教科書23

3年生の教科書の最後におかれているのは、臼井吉見の「三つの本 卒業してゆく 諸君へ」という文章ですが、「三つの本」というのは、次のものです。 青柳瑞穂 「ささやかな日本発掘」 佐藤藤三郎 「25歳になりました」 増田小夜 「芸者」 この著者のうち、…

国語の教科書22

筑摩書房の現代国語の教科書では、その後に当方が影響を受けることになった 林達夫、長谷川四郎、松田道雄などのことを初めて知ることになりました。 林達夫は、「ファーブル昆虫記」の翻訳者としてでありました。長谷川四郎は 「ウスリー紀行」の翻訳です。…

国語の教科書21

筑摩「現代国語」教科書3年は、ほんとよくできていると思います。 昨日の丸山真男の文章には、「多少ともノイローゼ症状を呈していることは、すでに 明治末年に漱石が鋭く見抜いているところです。」とありますが、この文章も3年 教科書には採用されていま…

国語の教科書20

丸山真男の「『である』ことと『する』こと」は、レベルの高いことを、極めて 読みやすい文章にしたものになっています。どうすれば、このようにコンパクトに できるのかと思いますね。 この最終章では、福沢諭吉の文章の、すこし長い引用からはじまりますが…

国語の教科書19

高校も3年生となれば、それなりに読書をしている人はいたのでしょうが、国語の 教科書で「丸山真男」の文章を眼にしたときに、これは何回も読んだことがあると いうような声は、当方のまわりからはでてこなかったように思います。 丸山の名前を知っているな…

国語の教科書18

どうも当方の頭のなかでは、丸山真男という名前と庄司薫というのが直接に つながっているようです。 国語教科書で丸山真男の文章を読んで、なるほどとは思ったのですが、だからと いって丸山真男のものをもっと読んでみようということにはなりませんでした。…

国語の教科書17

当方の高校時代は69年3月まででありました。同学年で一番有名であったのは、 庄司薫「赤頭巾ちゃん気をつけて」の主人公 薫くんであります。 この薫くんは、高校を卒業する年に東大の受験がなくて、ほかの大学を受けること なく、宙ぶらりんな日々に入る…

国語の教科書16

当方の高校三年というのは、68年から69年にかけてであります。 大江健三郎は、いなかの中学生で14歳の時に花田清輝とであったと記していま すが、こちらはのんびりとした、刺戟のすくない地方の街でしたので、68年の 学生運動などはまったく遠い世界…

国語の教科書15

大江健三郎の「厳粛な綱渡り」は、いまでは講談社文芸文庫にはいっていますが、 元版は文藝春秋社でありまして、ずいぶんと大部のものでした。商品の検索をかけ ますと元版がアマゾンの古本でヒットしました。驚くほどの価格であります。 この本は、その後に…

国語の教科書14

高校3年生の教材は、いまでも記憶に残っているものが多くあります。 森鴎外の「舞姫」は、もっと早くにならっていたと思いましたが、まあ留学でいった ドイツで女性と恋仲になって、捨てる話しでありますから、高校一年生ではちょっと 早すぎるでしょうか。…

国語の教科書13

だらだらと40年も前の現代国語の教科書を話題にしています。 高校3年の教科書は、昭和42年11月発行となっていますので、2年生の教科書と 同じ発行日です。改訂版となりまして、表紙は2年生と同じデザインで、色違いです。 3年生の教科書 目次は以下のよ…

国語の教科書12

筑摩「現代国語」2年の教科書に掲載の教材で、使われなかったものがずいぶん とあるようです。授業で使われたページには、なんらかの足跡が残っていますので、 次のような単元は、きれいなままでありました。 清水幾太郎 「が」を警戒しよう 池田潔 一台の…

国語の教科書11

筑摩「現代国語」2年生を見ていますが、どのようなものがのっていたのか、 ほんとうに忘れていることです。中島敦の「山月記」は習った記憶があるのですが、 これが2年生であったことは、今回教科書を手にして再確認しました。先日にネット で検索をしてい…

国語の教科書10

梅棹忠夫は、岩波新書で「知的生産の技術」なんて本をだすのですから、アカデミズ ムにどっぷりつかった学者とは、ずいぶんと違った印象を受けます。60歳代の半ば から眼を悪くされて、その後は十分な活躍ができなかったようにも思います。 梅棹の「発見の…

国語の教科書9

梅棹忠夫「発見の手帳」の書き出しは、昔に読んだ小説本についてです。 「 あの本のことを思い出して、書庫を捜してみたが、いつのまにかなくして しまったらしく、見あたらなかった。メレジュコーフスキーの『神々の復活』と いう本である。 わたしがこの本…

国語の教科書8

筑摩「現代国語」2年生の教科書で一番印象に残っているのは、梅棹忠夫の「発見の 手帳」です。岩波「図書」の65年4月号に掲載されたものですが、この「図書」での 連載は、その後「知的生産の技術」(岩波新書)としてまとめられたはずです。 この新書は…

国語の教科書7

筑摩「現代国語」1年生教科書の内容を目次にしたがって駆け足でみてきましたが、 この教科書には宮本常一「梶田富五郎翁を尋ねて」なんて文章が収録されていたので ありました。いまから40年前の宮本常一の肩書きは「日本常民文化研究所理事」と いうもの…

国語の教科書6

筑摩書房「現代国語」1年生の最後におかれている教材は上原専禄「物の見方、考え 方」であります。この教科書は最初から最後まで、自分の頭で考えるということを求め てきます。 上原専禄なんて名前は、高校一年では知るはずもなしです。ほとんどの同級生に…

国語の教科書5

当方が高校に入学したのは66年4月ですから、戦後20年は経過していますが、 考えようによっては、今から考えると戦争はちょっと前の日本の話であります。 この当時の教科書は、当然のことながらそうした時代のものであります。 とはいっても検定済教科書です…

国語の教科書4

筑摩書房「現代国語1」の目次は、以下のような雰囲気であります。 スキャナーで取り込みましたが、文字がはっきりとせずで、読めるようには ならないようです。 この教科書の教材は、以下のものです。 一 自分で考えること 白石凡 二 小説(一) 周作 山本…

国語の教科書3

本日からは、筑摩書房「現代国語」教科書の現物にそって話しをすすめることに いたしましょう。この教科書は、高校の時に、当方がつかっていたものであります。 ほかの教科書は、ひとつも残っていないのですが、筑摩「現代国語」だけが残って いるということ…

国語の教科書2

学校で使用される教科書というのは、基本的には普通の読者を想定していないので、 広告されることもなく、一般の読者からは縁遠い書籍であります。丸谷才一さんが 筑摩書房「国語教科書」を推薦しても、ほとんどの人は目にすることもないでしょう。 「日本の…

国語の教科書

雑誌「考える人」31号 2010年冬号に丸谷才一さんへのインタビューが のっています。聞き手はいつもの湯川豊さんで、今回のテーマは「日本人はなぜ 日本語論が好きなのか」というものです。 口火をきる湯川豊さんは、「丸谷さんが『日本語のために』(74年…

本をならべる 5

本をならべるということを日々行っているのは図書館人であり、書店員で ありますが、図書館というところは、基本的に自分の好き勝手に蔵書をなら べることはできませんので、図書館職員さんも、自分の腕を振るうためには、 自分のおすすめ本の棚をつくるしか…

本日は新年会でした。

新年会もそこそこに帰宅いたしまして、さて本日のはてなダイアリーの更新をしましょうと思いましたら、はてなが?です。本日は無理せずに、早く休みなさいということかもしれません。本日はこのへんで失礼。

本をならべる 4

「BRUTUS」の特集「本が人をつくる。」のなかにある映画「『サマーウォーズ』の 本棚のある風景」というページをみましたら、いろいろと楽しめることです。 本が好きで、本の背表紙を見るのが好きとなるとスクリーンのなかで、そのような 書棚が映るシーンは…

本をならべる 3

雑誌「BRUTUS」の最新号の特集「本が人をつくる」を見ましたら、アニメ映画 監督である「細田守」さんが「映画の中の本棚」ということで語っています。 映画の中での本棚ということであれば、田中裕子さんが主演した「いつか読書する日」 という作品に主人公…

本をならべる 2

本をならべるといっても、図書館ではありませんので、図書館分類にしたがう 必要などはなくて、自分なりの基準でならべたらよろしいのでしょう。 本をならべるというと、書架にならべることを思いうかべるか、それとも目録に ならべるかですが、どちらも人に…

本をならべる。

「考える人」31号「あこがれの老年時代」には、神沢利子さんの書斎の写真が掲載さ れています。写真には、次の説明文がありました。 「2階の書斎。本棚には文学から動物学、文化人類学まで幅広いジャンルの本がなら ぶ。部屋のあちこちに、北方民族ギリヤー…