2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

手紙が語る戦争3

「手紙が語る戦争」みずのわ書店刊の冒頭には、この本をまとめた「女性の日記 から学ぶ会」の代表である島利栄子さんの講演がおかれています。 昨年6月に、会発足十二周年を記念する集いにおける基調講演です。 「戦争の体験者がご高齢になり、世代交代の波…

手紙が語る戦争2

小生は、もともと手紙を書くのが好きでありました。いまは無粋なeメール派と なっていますが、いまでもかばんにはハガキと万年筆と切手をしのばせて、旅先など からは自宅にあててハガキを投函するのでありました。小生は学生の頃から、仕送りを してもらっ…

手紙が語る戦争

先日、「みずのわ出版」のページをみていましたら、新刊の案内で目が点なり ました。 小生が「みずのわ出版」のことを知るにいたったのは、「湯川成一さん」を 追悼した「SPIN」の版元であったからです。その前から林哲夫さんがやっておら れる「sumus」ブロ…

書肆季節社の本10

書肆季節社というと出版社のことになりますが、政田さんは「季節社」という 編集プロダクションの代表ともいえる存在であったようです。 特に、塚本邦雄さんの作品に関しては、どの版元からでていても、ほとんど 政田さんがかかわっていたようです。本人以上…

書肆季節社の本9

書肆季節社の本といっても、小生が手にしているのは、文化出版局の今井田さんの ものだけでありまして、詩集などもあるはずですが、これはどのようなものである のかわかっておりません。書肆季節社というのは、政田岑生さんがおひとりでやって いた版元であ…

書肆季節社の本8

今井田勲さんの「雑誌雑書館」 書肆季節社 80年刊は、限定500部、定価 1万円とあったのですこし豪華なものかと思いましたが、こったつくりではある ものの、特別な限定本ではありませんでした。布クロスで、500ページをこえる 大冊となっています。…

書肆季節社の本7

書肆季節社の本の二冊目を確保しました。本日はそれが届いているはずで、 ありましたが、これがあと一日がまんであります。二冊目もやはり今井田勲さんの ものでありました。この本のタイトルは「雑書雑誌館」であります。日本の 古本屋で、最安値のものを購…

書肆季節社の本6

千鳥足のように本日は今井田勲さんの「編集中記」からであります。 今井田さんが編集長をつとめていた「ミセス」に連載の文章をまとめたもので ありますが、このなかに「ソヴィエトの文選工」と題されたものがありました。「現代の産業は複雑多岐になってき…

書肆季節社の本5

書肆季節社の本ということで、寄り道しながら綴っています。小生は昨年まで 政田さんも書肆季節社も知らなかったのでありますからして、「書肆季節社」の 本といっても、ほとんど付け焼き刃でありまして、「仙台が親戚」様に書き込んで いただいたものや、「…

書肆季節社の本4

書肆季節社の本をとりあげているうちに、脱線してしまい「ミセス」の話題に なってしまいました。昨日に書きはじめたときには、このような展開になるとは 思ってもいませんでしたが、これが「ねころんで」風であります。今井田勲さんと いう方は、政田さんと…

書肆季節社の本3

「編集中記」は今井田勲さんが「ミセス」に連載した文章をまとめたものであります。 この本の後記には、今井田さんが次のように書いています。 「奥付の八ポイント活字が編集長のすべてであり、けっして紙面に顔をだしてはなら ない。 先輩からそう教えられ…

書肆季節社の本2

「書肆季節社と政田岑生」さんのことを知ったのは、昨年の7月に湯川書房に ついて「仙台が親戚」様から教えていただいていたときのことでした。 限定本のプロデューサーというのは、細部へのこだわりが尋常ではないのですが、 「書肆季節社」のオーナーであ…

書肆季節社の本

古本好きの方のブログを拝見しますと、掘り出し物を見つけたなんてことがよく 書かれていますが、こちらはリアル古書店にはめったにいくことがありませんので、 ほとんどそのような楽しさを味わうことはありません。 いきつけにブックオフが一軒ありますが、…

「父の娘」として10

矢川澄子さんがなくなってから刊行された本の編集者は、みなさん矢川さんとは 長いおつきあいがあったようです。そのなかで一番の新参は「ユリイカ」の郡さんで ありました。矢川さんが亡くなってから刊行の本は、こうした編集者の共同作業に よっていたよう…

「父の娘」として9

昨日に、「ユリイカ」2002年10月 臨時増刊の「矢川澄子・不滅の少女」の 検索を駄目もとでやってみましたら、これがあがってきました。これには驚きました。 当方は、いまから10年近くも前のムックでありますからして、とっくに姿を消して いると思…

「父の娘」として8

2002年10月に刊行された「ユリイカ」臨時増刊号「矢川澄子・不滅の少女」に は、400ページほどの冊子のなかに編集を担当された郡淳一郎さんの矢川さんへの 思いがぎっしりと詰まっています。ユリイカ2002年10月臨時増刊号 総特集=矢川澄子 不滅の少…

「父の娘」として7

初回に引用した矢川澄子さんの文章には、神谷美恵子さんと一度お目にかかる機会が あったとありますが、これはどういう機会であったのでしょうね。矢川さんの年譜を 見ても、手がかりはありません。たった一度あった、このときに神谷さんは、矢川さんに 「自…

「父の娘」として6

矢川澄子さんと多田智満子さんの交流は18歳から矢川さんが亡くなった時まで、 54年にも及びました。大学に入って最初のであいから、多田さんの病床を見舞った 時まで、時によって交わりの濃淡はあったのでしょうが、その世代のもっとも優秀な 女性たちの…

「父の娘」として5

矢川澄子さんが亡くなって半年足らずで刊行された「ユリイカ」臨時増刊号の 「矢川澄子・不滅の少女」は、ずいぶんと前から企画されていたものとしか思えない 充実した内容となっています。この特集のために準備された対談などもあるのですが、 そのまえから…

「父の娘」として4

矢川澄子さんが亡くなる三ヶ月前「朝日新聞」の読書欄に寄せた「いつもそばに本が」 という文章が、没後に刊行されたエッセイ集「いづくへか」に収録されていないのは、 どうしてかと思っていました。一度発表した文章ですから、収録をためらう理由は ないは…

「父の娘」として3

矢川澄子さんのことをネットでみますと、彼女が死を覚悟してから残した遺書の ような文章は、発表されずに今にいたっているとありました。矢川さんが亡くなって から単行本未収録のエッセイは「いづくへか」という本にまとめられているのですが、 生前の矢川…

「父の娘」として2

矢川澄子さんの「父の娘として」という文章には、「ふしぎの国」という 戯れ唄がひかれているのですが、これを引用しましょうと思って、拙ブログの バックナンバーを検索してみましたら、この「ふしぎの国」というのは、一昨年に 「日本のライトバース」とい…

「父の娘」として

「父の娘」というのは、矢川澄子さんの本のタイトルです。 とっても偉大な父に溺愛された娘について肖像ですが、この本でとりあげられた のは、「森茉莉」と「アナイス・ニン」でありました。 この二人のことを書きながら、矢川澄子さんは、自分のことを語っ…

ブックオフでの収穫

本日のお昼頃に、外出をした際にすこし時間がありましたのでブックオフに よりました。最近は、まったく収穫がなくて、なんということだと思っていたの ですが、本日は久しぶりの豊作でした。 特に百五円のところが充実で小生は、けっこう抜くことができまし…

百年に一度の

「百年に一度」というのは、なかなか使う事のできない言葉ではありますが、 PR誌「ちくま」6月号掲載「佐野真一」さんの「テレビ幻魔館」のサブタイトルは、 「百年に一度の大虚報」とありました。百年に一度の大虚報とみて、これはなんの ことかと思う人は…

神保町で買った本3

本日のブログの材料を見つけるために「歳月の鉛」四方田犬彦さんの新刊を ぱらぱらとのぞいています。この本にはたくさんの人名がでてきますので、 その気になったところでページをとめます。 この本は時代的には、大学に入学してからのことを書いていますが…

神保町で買った本2

神保町にある岩波ブックセンターで購入した本には、神保町4書店ネット ワークによる書籍カバーがつけてもらいました。いつもは、本にカバーは いりませんというのでありますが、この4書店ネットワークのカバーは、 小生にとっては新鮮でありましたので、あ…

神保町で買った本

今回の東京滞在期間中に購入した本は、わずかに2冊でありました。 なさけない話ではありますが、腰痛持ちとなってからは、疲れが出た時に、 重たいものを持つと、てきめんに動く事ができなくなるものですから、 相当に吟味した2冊であります。どちらも近く…

ちくま 6月号

5月末に、出版社のPR誌がそろってとどきました。最近は、本当に読む事が できなくなっていますので、封を切ってから、今月、翌月の新刊をチェックして、 あとは、このブログで取り上げる事ができる話題がないかと思ってみるのであり ました。 昨日の話題は…

セレクトショップ型書店かな

朝日新聞出版からでている「一冊の本」6月号には、「書店はこんなに 心地いい!」という文章が巻頭随筆としてあります。著者は「青田恵一」と いう書店・出版コンサルタントというかたです。( いつの間にか、新聞社の 出版部が分社化している。 朝日新聞に…