2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ディーノ・ブッツァーティの本  2

小説家のディーノ・ブッツァーティが、画家として著名であり、絵が本職と いっているとは知りませんでした。ほとんどディーノ・ブッツァーティの絵など 見る機会はないのですからね。 先日に「クマ王国の物語」を押し入れから発掘してながめていたのですが、…

ディーノ・ブッツァーティの本

今年のみすず「読書アンケート」を、取り上げたときに「みすず」と「本の 雑誌」のアンケートにディーノ・ブッツァーティの本がとりあげられていると 記しました。シチリアを征服したクマ王国の物語 (福音館文庫) [ ディーノ・ブッツァーティ ]ジャンル: …

いわくのある本 2

「いわく因縁のある本を、ひそかにみつけだすというのが古本探しの醍醐味」と いうのは、出久根達郎さん「古書彷徨」にあるものです。 昨日には、井伏鱒二さんが短い編集者時代につくった奥付けをおとした本を 探し求める話でありましたが、この文章には、も…

いわくのある本

本日に入手した出久根達郎さんの「古書彷徨」(中公文庫)には、「いわくを さがす」という文章があります。その書き出しは、次のようになっています。 「古本さがしの醍醐味は、いわく因縁のある本を、ひそかにみつけだすことの ようである。」 古書探求の…

年度末進行かな 2

年度末といえば送別会であります。本日は仕事場の送別会でして、 それに参加してまいりました。 ということは、当然のことにアルコールがはいっておりまして、 眠くてしかたありません。本当であれば、本日の更新はあきらめる ところでありますが、なんだり…

年度末進行かな。

3月末が決算時期となるサラリーマンにとって、今時期は年越し準備をする 家庭の主婦のようなものでありまして、3月末でやめる人をおくって、4月に はいってくる人を迎えて、その他、年越しに伴ういろいろな雑事への対応を 行うことになります。 正月休み…

桜の花の中で 2

菅原克己さんの詩で一番有名になったのは、「ブラザー軒」というもので ありましょう。貧乏なシンガーソングライターの「高田渡」さんが曲をつけて いうたっていたものであります。 昨日の「げんげ忌」会報では、小沢信男さんは、次のようにかいています。 …

桜の花の中で

先日にテレビをみておりましたら、東京の桜開花を判断する基準となる靖国 神社の桜の開花が確認されたので、気象庁の職員が開花宣言をつげていました。 彼は桜の季節に亡くなった、桜が散る中葬列は続いたといったら、九州の人は 3月の空を、東京は3月末か…

カズミさんつながり 7

文学的盟友というと、どのような人たちを思い浮かべるでしょうか。 カズミさんつながりであれば、これは八木義徳さんと野口富士男さんのおつきあいは 盟友の代表的なものでしょう。 あと、小生がすぐに思い浮かべるのは庄野潤三さんと阪田寛夫さん、丸谷才一…

カズミさんつながり 6

文春新書というのは、小生が欲しいと思うものにかぎって行きつけの店では切れて いるという不思議な新書であります。先日に拙ブログで紹介した平井一麥さんの 「六十一歳の大学生、父野口富士男の残した一万枚の日記に挑む」をやっとで入手しま した。あまり…

カズミさんつながり 5

私小説作家には流行作家はなしでありまして、基本的には私小説=貧乏話と いうのが作品を読むにあたっての認識ではないでしょうか。例外は、作家の親が 資産家であって、いつまでも親の仕送りが期待できるときでありまして、それ 以外の時は、けっこう悲惨で…

カズミさんつながり 4

佐伯一麦さんが、野口富士男文庫主催の講演会で、自分のペンネームと野口さんの 息子さんの平井一麥さんの名前の関わりについて言及しているという書き込みをいた だきました。この講演は越谷市立図書館の「野口富士男文庫」から、この3月に冊子と して刊行…

カズミさんつながり 3

八木義徳さんの著作は、ブックオフと田村義也さんのおかげで身近なものとなって、 主要な作品については、すぐに手にすることができるようになっています。それと くらべると、野口富士男さんは、お名前は聞いた事があったものの、主要な作品も なにも手にし…

カズミさんつながり 2

小説家の八木義徳さんと野口富士男さんは、同じ文学雑誌の同人として付き合いが はじまって野口富士男さんがなくなるまで、その交流は続いいたとあります、昭和 23年から平成5年に野口さんが、先に亡くなるまでですから、50年にすこし足り ないくらいに…

カズミさんつながり

佐伯一麦さんという名前が本名でありましたら、これは一粒の麦に関係が あるのでしょうか。一麦というのは、けっこう珍しい名前ではないかと思いますが、 これと同じ呼び名で、文字も新字と旧字の違いだけという一麥さんという人が 最近、本を発表しました。…

芥川賞と名作 3

それにしても、昨日に記しました芥川賞の候補は、そうそうたるメンバーで ありまして、この時の候補者は、ほとんど、その後に芥川賞を受けることになるの でした。佐伯一麦さんの、このときの作品はともかくとして、その後の活躍を みますと、どこかで芥川賞…

芥川賞と名作 2

芥川賞を受賞した作品が掲載される「文芸春秋」だけは購入して、受賞作だけは 読むようにしているという人がいるでしょうが、芥川賞を問題にしているのは、 文芸春秋社を別にすれば、日頃あまり小説を読まない人たちでしょうか。 朝日新書についている歴代の…

芥川賞と名作

佐伯一麦さんが「芥川賞を取らなかった名作たち」(朝日新書)を発表しています。 もとは、仙台文学館で行った連続講座でありまして、それを一冊にしたものです。芥川賞を取らなかった名作たち (朝日新書)作者: 佐伯一麦出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日…

日本語の外へ

「日本語の外へ」は、先日にブックオフで五百円で購入した片岡義男さんの著書です。 ちくま書房から97年にでたもので、小生が入手したのは第7刷で、2000年のもの となります。653ページが、活字でいっぱい、決して読みやすい本ではありませんが、 …

帖面舎の本 4

福原驎太郎さんの「明日に新しく」( 帖面舎刊)をみていましたら、なかに 「ラジオのプログラム」という文章がありました。これは昭和32年頃の文章で ありましょうか。いまから50年ほど前のものです。テレビが日本の家庭に普及 したのは、昭和34年(…

帖面舎の本 3

本日も、福原麟太郎さんの「明日に新しく」(帳面舎刊)から話題を いただきます。 「明日に新しく」という言葉は、いかにも格言のようでありますが、 そのようなことはなくて、福原さんがつくったものでありましょう。 この語を聞くと、会津八一がつくった…

帖面舎の本 2

昨日に入手した帖面舎の本「明日に新しく」は、文庫サイズよりもすこしスリムと いうのでしょうか。幻冬舎文庫は、他社のものよりすこし幅がせまいのですが、それ よりももっと幅せまく感じます。新書で寸が短いといったらいいのでしょうか。 昨日に届いてい…

帖面舎の本

昨年にでた「サンパン」第14号は、垂水書房とその主人であった天野亮さんに ついての文章を目当てに購入したものです。小生が学生の頃に、古本屋にはゾッキ 本となっていた垂水書房の本がたくさんあったのですが、小生は、ここからでた ものでは篠田一士さ…

龍が2人 2

新潮社からでている「波」3月号を見て、坂本龍一と村上龍がともに52年生まれで あるということを知りました。村上龍は、当方と同じくらいの年であるとは思っており ましたが、坂本龍一もそうであったのですね。小生の世代(小生のほうが年長)で、一番 早…

龍が2人

今月の新潮社「波」3月号の表紙は、グランドピアノに頬杖をついている男の子の ポートレートであります。いかにも気難しそうに写っていまして、これは教授こと 坂本龍一さんの7歳当時の写真でして、いかにも擅断は双葉より芳しというかんじ です。考えよう…

高原好日 7

加藤周一さんの「高原好日」を見ていましたら、久しぶりにその名を目にしました。 その昔は、リランさんと呼ばれていたのですが、この本のなかでは「リーラン」と 表記されています。その名前は「李香蘭」を思いださせるものです。 「 リーランはニューヨー…

高原好日 6

自宅にある加藤周一さんの本を探していて、そのむかしに岩波書店からでた雑誌 「世界」の切り抜きを見つけて、これは珍しいと、居間の本をつんである一角に 置いたのであります。 この切り抜きには、日付がはいっていないのですが、ネットで検索をかけました…

高原好日 5 

加藤周一さんの詳細な年譜と著作目録があればいいなと思っていましたら、 後者にあたるものは、ネット上に試作品があるようです。 以前にも記しましたが、加藤周一著作集は、未刊の一冊があって、この 未刊がなんのせいであるのかわからず、けっこう首をひね…

高原好日 4

たしか、拙ブログで「1946・文学的考察」にある「新しき星菫派に就いて」と いう文章をとりあげたことがあったはずと思って、「星菫派」でこれまでのブログ を検索してみましたが、これは勘違いであったようです。 それはということで、富山房百科文庫にはい…

高原好日 3

本日も加藤周一さんの「高原好日」から話題をいただきます。先日「仙台が親戚」 さんに湯川書房主 湯川成一さんは、加藤周一さんのことを尊敬していたと 書き込んでいただきましたが、湯川さんは、宇佐見英治さんのことも尊敬をしていた はずで、宇佐見さん…