2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

高原好日

「高原好日」は2004年にでた加藤周一さんの軽井沢交友録ともいうものです。 元は信濃毎日新聞に連載され、そこから単行本となったものですが、今回、ちくま 文庫から装いをかえて出版され、簡単に入手できるようになりました。高原好日―20世紀の思い出か…

「図書」3月号

本日届きました「図書」3月号に、渡辺守章さんが「眼力、あるいは『聴き 取る目』」という文章を寄せています。文章の書き出しは「加藤さんー時に 『加藤先生』とお呼びすることがなかったわけではないが、・・」となっており まして、この時期に「加藤さん…

いっぴき狼 2

ロシア文学者であった『湯浅芳子」さんの遺産を信託として、その配当を賞金と していたのが、湯浅芳子賞でありました。賞金は百万円ということですから、毎年 一定の金額を出し続けると、いつかは枯れてしまうようです。どのような人たちが この賞を受けてい…

「いっぴき狼」湯浅芳子

本日の朝日新聞朝刊に「第1回 小田島雄志・翻訳戯曲賞」の受賞式についての 記事がのっていました。この賞は、優れた翻訳戯曲を対象にして選ばれるのだそう ですが、選考委員は小田島さんで、賞金も自費で工面するのだそうです。 賞金は10万円だそうで、…

勝てば官軍かな

昨日の話題は、アカデミー賞で日本の映画作品が二部門で受賞したことですが、 ここでは、特に「おくりびと」に拍手をおくるのでありました。 最初は心配したこの映画ですが、興行収入はともかく評判はとってもいいので、 ひょっとして受賞するのではと思って…

加藤周一 お別れの会2

加藤周一さんのお別れ会には、約千人の方が参加されたとのことです。 会場となった有楽町マリオンの1階には、列ができていたので、会場内は こみ合っているのかと思ったら、この列は映画のチケットを購入するための 人の列であったようです。 人気のあるロ…

加藤周一 お別れの会

加藤周一さんの「お別れの会」が昨日に東京でありましたが、その様子は、 本日の朝日新聞朝刊などで報道されていました。 それよりも早く、この会に参列された「sheepsong55」さんが、自身のブログで 報告をしてくれました。(先ほど拝見をしましたら、さら…

日の移ろい 3

その昔の全集には、書簡に1巻があてられていましたが、最近は全集の作り方が かわってきていますので書簡集などは編集されないようであります。その昔の全集が 研究者むけにできているとしたら、最近のはもうすこし手軽なものを好むファンを 対象にしている…

日の移ろい 2

昭和46年ですから、いまから40年近くも昔のことになります。一週間後に上京する 島尾敏雄に原稿を依頼するため、わざわざ奄美を訪問する出張の伺いを提出して安原顕に 対し、当時の中央公論社の嶋中社長は出張日程を二日に短縮し、五万円の旅費とするこ…

日の移ろい

ほとんど島尾敏雄さんの作品にはなじんでいないのでありますが、奄美での生活を 綴ったものには惹かれるものがあります。その昔に東京で暮らしたときに、名瀬市の 方と知り合いになって、その方々が図書館長であった島尾敏雄のことを、尊敬をこめて 島尾先生…

本日の日記から

本日のことを、公開日記では、どのように書いているだろうかと、近くにおいて ある「成城たより」で確認する。本日は、自分にとっては意味があるので、この日に ついて、すこし話題にしうるようなことが見いだせればいいのにと思うが、大岡昇平 さんは、文芸…

文学学校 4

文学学校ということ言葉を記していましたら、文学運動という言葉が頭に 浮かんできました。大阪文学学校などは、文学を通じて社会とかかわるという ような意味合いを持っていると思われますが、そうしたことを、その昔は文学 運動といっていたように思います…

文学学校 3

本日も川崎彰彦さんが大阪文学学校をベースにした「新文学」という文芸誌に 残した「編集後記」をまとめた「もぐらの鼻歌」(海坊主社 86年刊)を手にして います。文芸誌を編集していたのは、70年ころでありますので、まとまったのは、 ずいぶんとたっ…

文学学校 2

「文学学校」というのが、今も健在なのがうれしくなることです。当方は、ほとんど 読むだけの人で、創作をする側にはいないのでありますが、新しい書き手がでてこなく ては、世界はつまらなくなってしまいますので、そうした新しい書き手がでる仕掛け には注…

文学学校

小説を書きたい人はどこで学ぶかということですが、昔は「同人誌」とか、文学 学校で、そのうちにカルチュアセンターの文芸講座が隆盛となり、いまは大学文芸 学部の創作学科の時代なのでしょう。もちろん、こうしたところで学んでも、作品が 世にでるのは、…

こどもは親を選べない 3

ほんとうは家庭など持たなければいいのにと思う純粋詩人が、間違ってこどもまで もってしまうと、詩人は詩人であることをやめるか、家族を不幸にするかの選択を せまられるようです。「生きる事は、召使いにまかせておけ」というわけには、 いかないのが、純…

こどもは親を選べない 2

有名人の親を持つと、こどもはたいへんというお話ですが、そうしたこどもから すると、普通の家庭というのに、あこがれるのではないでしょうか。 こうした話題でブログ綴っておりましたら、思いもかけず、本日の朝日新聞には それに近い話がのっていました。…

こどもは、親を選べない

歌舞伎の家庭に生まれた子供たちは、いやおうなしに芸事を教え込まれるので ありますから、こうしたことが好きになれない(好きでないなんていえるような 雰囲気ではないのでありましょうが)としたら、生まれてきたことを恨むしか ないのでありましょう。特…

読書アンケート 4

「みすず」の読書アンケートで取り上げられているもので、小生が手にした本は ごくわずかであります。一人があげている本で複数を手にしているなんてことは、 ほとんどありませんが、その数少ない人が「山田稔」さんであります。 山田さんが昨年に発表した「…

読書アンケート 3 

「本の雑誌」1月号と「みすず」アンケートで共通してあげられている本に どのようなものがあるだろうかと、見比べていますが、次の一冊にめぼしい ものがありません。 「みすず」では、道場親信(日本社会科学史)というかたが、次の2冊を あげています。 …

読書アンケート 2

「みすず」読書アンケート特集号が届いたことで、それと「本の雑誌」の両方に とりあげられている本についてです。「本の雑誌」にあるベスト3にあがって いるので、この本が、このような形ででていることを知ったものでありました。シチリアを征服したクマ…

読書アンケート

「みすず」読書アンケートが届いたのをちびりちびりとみております。ずっと昔は えらく格調高い本がならんでいましたが、最近は、アンケートに回答を寄せる人の 幅が広くなったせいで、くだけた感じのものも並ぶようになっていました。 つい先日まで、「本の…

虚無への供物 塔晶夫版

塔晶夫版「虚無への供物」は、小生にとって本当の意味で幻の一冊でありました ので、これを入手できるとは思っていませんでした。この先、ずっとこの本は入手 できなかったほうが、幻の一冊ということではよかったのかもしれません。 ネットでの「日本の古本…

書くことのはじまりに

「書くことの始まりにむかって」というのは、たしか金井美恵子さんの本の タイトルでありますが、小生が、このように書くのは単にごろがいいからで ありまして、深い意味はありません。 小生のブログはまる2年を経過して3年目はいっていますが、ほとんど …

本日の収穫

節分が終わったのですから、本日は立春でありますか。これからはすこしずつ あたたかになっていくのでありましょう。春の訪れを告げる日が誕生日というのは、 ミュージシャンの山下達郎さんでありまして、彼がDJをつとめるラジオ番組では この時期、彼の誕生…

表芸と裏芸

表の顔と裏の顔というと、「ジキル博士とハイド氏」のようになってしまい ますが、本日の話題は、生業と趣味というくらいの話であります。一番好きな ことは仕事にしないほうがよいとよく言われることであります。本を読むのが 好きというのとそれを仕事にす…

ヤスケンの海 3 

スーパーエディター ヤスケンさんが亡くなるまえに、自らが綴っていた 「ヤスケンの編集長日記!」に「余命一ヶ月」ということで連載をしていた ことは、まったく承知しておりませんでした。 ヤスケンさんが亡くなった当時は、小生のネット環境は貧弱であり…

ヤスケンの海 2 

本日も、村松友視さんが編集者「安原顕」について描いた作品から話題を いただきです。 出版社(または出版業界)というのは、名前はよく知られていますが、 会社の規模からいいますと、ほとんどが小企業から零細という分類であり ましょう。進歩的な出版物…