2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

季刊 湯川 総目次

いつの日にか、「ユリイカ」の伊達得夫さんの場合と同じように、湯川書房= 湯川成一さんについての追悼集ができるとするならば、そこには、「刊行図書目録」と あわせて「季刊 湯川 総目次」が掲載されることになるのでしょう。 「ユリイカ」は月刊で5年も…

季刊 湯川のことなど

昨日に「季刊湯川」第7号にはどのような内容であったのでしょうと記しましたら、 早速にKyo様から、目次内容を投稿していただきました。たいへんありがとうござい ました。これまで、第7号の存在については半信半疑でありましたが、間違いなく 存在するこ…

季刊 湯川のこと

本日に「daily-sumus」を拝見しましたら、「現在、『spin』04の編集作業中なり。 小特集として「追悼 湯川書房・湯川成一さん」を編んでいる。」とありました。 これまでのところ、小生は「spin」という雑誌を手にしたことはありませんが、次号は なんとかし…

蓬莱屋印刷所

「サンパン」はリトルマガジンでありますが、普段みかけない文字を雑誌名に つかっているのせいもあって、この本のことを話題にしようとすると、どう表記 しようかと迷ってしまいます。内田ひゃっけんさんと同じでありまして、ひゃっけん 先生については、小…

装丁家の仕事 2

「本の雑誌」10月号の巻頭におかれる「今月の一冊」に寄せられている文章にも出版社の営業からみた商品としての本の装丁について記されています。「 オレ達営業が装丁にまず求めるのは、納期に間にあうことである。本文は校了しているのに、装丁が間に合わ…

装丁家の仕事

朝日新聞出版からでている「一冊の本」8月号を、今頃になって見ておりました。 これには、文芸ジャーナリスト重金敦之さんが「書棚と本棚」というタイトルで 連載をしておりまして、8月号は「装丁家の仕事」というサブタイトルになって います。 「 本の装…

垂水書房のこと 2

篠田一士さんの本で最初に手にしたのが垂水書房「現代イギリス文学」であると いうこともあって、垂水書房、天野亮さんについては、ずっと気になっていたの ですが、ネットで検索をしても、垂水書房では古本屋の在庫はでてくるものの、 この出版社がどのよう…

垂水書房のこと

「サンパン」14号に、西村義孝さんという方が「垂水書房と天野亮と吉田健一と」 という文章をよせています。これまで、垂水書房というのは、どういうなりたちの 出版社であるのかと思っておりましたが、この西村義孝さんの文章を拝見して、疑問が 氷塊しま…

旅の空から

帰省した息子がサンパン14号を土産にもってきてくれました。この号には垂水書房と天野亮さんについての文章があり、これをみて35年ぶりの疑問が氷解です。

限定本の蒐集家 2

清澄堂文庫のご主人は、限定本の二番本を中心に蒐集を行っていたとのこと ですが、「購入した本が汚れたり、変色しないように紙に包んで書架や戸棚に 大切に蔵った。そんなに本を大切にした彼であっただけにその保存には苦労した。」 戦中派である在京の蒐集…

限定本の蒐集家

本を集めるといっても、その対象が限定本となると懐具合もですが、やはり執着心の ようなものも相当でなくてはいけないようです。昨日に「仙台が親戚」様に記していた だいた高橋啓介さんについての逸話を読ませていただいても、とっても小生にはまねが でき…

限定本の版元 11

「 今は美の混乱時代である。この混乱から秩序をとりもどすために、書物も また悪戦苦闘しなければならない。美しい書物を作ろうとする者は、美を 乱し美を奪う時代の意識とも闘わねばならない。やすらかに美しい書物が 作られた中世紀を私は羨ましく思う。…

限定本の版元 10

別冊「太陽」53号 昭和61年刊 は「本の美」特集でありますが、巻頭で 特集されているのは、壽岳文章さんによる「向日庵刊本」であります。湯川書房の 限定本であれば、どこかで手にすることができるかなと思いますが、「向日庵 刊本」は、現物を目にする…

限定本の版元 9

仙台が親戚様から、以下のようなご案内をいただきました。「今日は、湯川書房の宣伝をさせていただきます。 湯川書房、湯川成一が刊行予定し、病を得て延引していました本を 最後の刊本として、加藤静允先生のご尽力により、下記発行されます。 開頒予定9月…

限定本の版元 8

お盆休みで、本の整理をしていたら別冊太陽「 本の美」86年刊がでてきました。 この特集の冒頭特集は「書物の美学」というもので、壽岳文章さんが文章を寄せ、 本の解説を高橋啓介さんが書いています。この「書物の美学」特集は、壽岳文章さんが 刊行して…

限定本の版元 7  

武井武雄さんの「気侭画帳」には、昭和20年3月の空襲を受けたあとの東京に ついて、次のように記しています。「 上野の山にたって眺めると実に荒涼たるものだった。 業火のなかにも立ちつくした西郷さんの目に写るこの数十年の大江戸の変遷ハ 誠に感慨無…

限定本の版元 6

武井武雄さんは、「気侭画帳」という本を刊行しています。現在はちくま学芸 文庫に収録されていて、容易に手にすることができるはずですが、ちょっとかわった 成り立ちのものであるようで、この本のまえがきで、武井さんは次のように書いて います。 「 気侭…

限定本の版元 5

刊本作品というシリーズで著名な武井武雄さんには、「本とその周辺」と いう著作がありまして、これは中公文庫にはいっております。(いまは入手 困難な一冊となっているのでしょうか。) 武井武雄さんは、明治27年(1894)のお生まれで、宮沢賢治と生…

いつか読書する日 2

昨年11月にBS放送で「いつか読書する日」の放送を見たときに、エンドロールの ところで、主人公の書棚がロングショットでうつるのですが、ここにはどのような本が ならんでいるのかと目をこらしたものです。この作品は、DVDで販売されているので あり…

限定本の版元 4

限定本の版元である武井武雄さんは、「童画、版画、造本美術を三本の柱」と して活動をしておりまして、出版が業ではないのでした。中公文庫「本とその周辺」 には、彼の出版活動の舞台裏が描かれています。「『地上の祭』が刊行されたのは昭和十三年だが、…

限定本の版元 3

現定本の版元である真珠社主人は、奇妙な好みがあって、それが社名の いわれであると富岡多恵子さんは書いているのですが、こうした主人に バランス感覚を求めるというのは、ないものねだりであるのかもしれません。 このような小説を読みますと、限定本の版…

限定本の版元 2

限定本の製作というのは、労多くして収入にはつながらないものであると、 富岡多恵子「壺中庵異聞」にはあります。 当時、富岡多恵子のパートナーであった「池田満寿夫」は、無名の版画家で 彼のところに真珠社から、池田の版画を使った限定豆本の製作話が持…

限定本の版元

発行部数が限られていたら限定本として認められるわけではありません。 部数がすくなくて、しかもしかけがあるというのが、限定本でありまして、 その仕掛けというのは、ちょっと豪華であったり、著者のサインがはいって いたりですが、職人技による手間がか…

宇佐見英治さんの本 3

宇佐見英治さんの著書「明るさの神秘」(みすず書房版)の帯には、次のような キーワードがならんでいます。 「 宮沢賢治、ヘルマン・ヘッセ、片山敏彦について。澄明な詩的・思索的エッセイ。」 宇佐見英治さん理解のキーワードで、ここにあがっていないの…

宇佐見英治さんの本2

いまから30年以上も前のことになりますが「季刊湯川」第1号 77年刊に 宇佐見英治さんが「泉窗書屋閑話」というタイトルの文章を寄稿しています。 この文章は、その後湯川書房からでた「夢の口」80年に収録され、さらに 自選随筆集となる「樹と詩人」…

宇佐見英治さんの本

「仙台が親戚」様によって「含羞の人」といわれている宇佐見英治さんの本は、 最近、読まれているのでしょうか。先日に、「仙台が親戚」様が湯川書房の 一般刊行書では、一番のお気に入りとありました「夢の口」を「日本の古本屋」で 見つけて早速に確保しま…

「湯川書房の思い出」4

これまで、「仙台が親戚」様にいただいた書き込みを編集して掲載する4回目と なります。 「 さて追加です、肝心の本忘れています。 望月通陽さんの「出挨及記」これは染色で描く絵本作家の始まりの記念碑です。 戸田勝久さんが装幀装画した加藤一雄「無名の…

「湯川書房の思い出」3

本日も「仙台が親戚」様からいただいたコメントを編集して掲載いたしました。「 今度、湯川書房最後の本として、加藤静允先生の本が発行されます。三月書房で 入手できると思います。もしよろしければ、お求め下さい。加藤先生のご助力に 感謝いたします。 …

「湯川書房の思い出」2

本日も「仙台が親戚」様からいただいたコメントを編集したものです。「 塚本邦雄さんには、政田岑生(書肆季節社)さんという優れたプロデューサー 兼マネージャーが居られました。 湯川書房が出した本もこの方が関係していると思います。政田さんなくして、…

「湯川書房の思い出」by 仙台が親戚

本日から数回にわたり「仙台が親戚」様からいただきました貴重な記録を掲載を させていただきます。 「 昨年になると思いますが、湯川書房に言及された事があったと思います。 その湯川書房湯川成一さんがこの7月11日お亡くなりになりました。 葬儀は家族葬…