2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

富士さんとわたし4

「富士さんとわたし」を読んでいると、富士正晴さんの古い小説集なども 取り出してきたくなる。さすがに富士正晴さんの本で初期のものは、古本やで 購入したら、売れ残っていたものを新本でに入手したものです。 でてから10年くらいも売れずに新本で流通な…

富士さんとわたし3

山田稔さんの著作は、翻訳をのぞくとほとんど購入しているはずで あります。小生が大学にはいったのは70年でありますが、そのときに 既刊となっていたのは、「スカトロジア」未来社と「幸福へのパスポート」 河出書房の2冊だけでして、それ以降は、ほぼ新…

富士さんとわたし2

編集工房ノアからでた山田稔さんの「富士さんとわたし」は、富士正晴さんと 山田稔さんの往復書簡を軸につくられているのですが、往復書簡集となって いるのは、山田さんが富士さんからの書簡を保存していたことと、富士さんの ほうでも来信を保存していたか…

富士さんとわたし

本日に仕事から戻りましたら、版元に直接注文していました本が 一度に届いておりました。ずっと手にするのを楽しみにしておりました 2冊が一度に届くのでありますからして、まるで盆と正月が一度に きたようなうれしさであります。この二冊の書影を、まずは…

「本の雑誌」301号から

「本の雑誌」創刊301号には、「本の雑誌が三百号で紹介した三百冊」という 特集があります。どういう基準であるのかは、ともかくとして、各号の紹介から 一冊を掲載するというのは、たいへんな作業であったようです。 昨日はノアールの作家 馳星周が本名…

「本の雑誌」創刊301号

椎名誠さんと目黒考二さんがはじめた「本の雑誌」が、今のように月刊に なったのは、いつのことでありましたでしょうか。 小生が最初に、この雑誌を手にしたのも忘れているのですが、そのような 雑誌があるということが話題になっていても、なかなか手に出来…

「探偵!ナイトスクープ」2

大阪朝日放送が関西エリア向けに、それなりに力をいれて作っていた番組が ローカル向けの番組というのはためらわれますが、「探偵!ナイトスクープ」の ごく初期の放送は、ほとんど他局でのネットがなかったと思われますので、 その意味ではまったくのローカ…

「探偵!ナイトスクープ」

大阪の朝日放送というと、かって庄野潤三とか阪田寛夫が勤務していた放送局で あります。関西では老舗の放送局であるのですが、放送局が東京を軸にして再編 されてからは、どちらかというと格下のNET(もちろん、いまはテレビ朝日)の 関西キー局に成り下が…

頁間を読む

昨日に見物した映画「全然大丈夫」は、主人公の実家が古本屋ということで 古本にかこまれた店内でのシーンがたくさんでてきます。残念ながら、主人公は 古本屋の長男ながら、古本という仕事が好きではなく、「お化け屋敷」づくりを 夢見ているのでありました…

木村佳乃さんの映画

女優の木村佳乃さんは、好感度はとてもよろしいのに育ちがよすぎるのか作品に 恵まれないという印象を持っております。そんなにたくさんの作品(番組)をみて いるわけじゃないのですが、小生が見たなかでは「ニコニコ日記」が抜群によろしくて、 そのほかは…

「主のない家」2

瀧口修造さんが亡くなったあとに、あるつてがあって、瀧口夫人は久野収さんが 在外研究(パリにいっていた。)で留守にしていたお宅を借りていたと、飯島耕一の 「冬の幻」という作品にありました。 たいていのことは、ネットで検索をかけるとなにかてがかり…

「主のない家」

本日に帰宅してから、たまたまサム・フランシスの絵画を採用した装丁の本を 手にしましたら、いまから25年も前に購入して未読であった「冬の幻」飯島耕一 文藝春秋社刊でありました。 この本があることはわかっていたのですが、まったく読んでいなかったは…

植草甚一さんの本

小生は不思議なほど植草甚一さんの本を持っていないことに気がつきました。 関心がなかったわけではなく、むしろ逆でありまして、ジャズもロックも好みで ありましたので、植草さんが熱心に書いていた「スイングジャーナル」誌とか、 中村とうようさんが創刊…

植草甚一 ジャズ・エッセイ3

河出文庫 植草甚一「ジャズ・エッセイ 1」には、「コーヒーと古本と モダンジャズ」というタイトルの文章があります。 植草さん自身が、ジャズと本が大好きであったのですから、この文章が 楽しくないはずがありません。書き出しの文章は、次のようになりま…

植草甚一 ジャズ・エッセイ 2

河出文庫についている岩浪洋三さんの解説によりますと、植草甚一さんは 49歳になってから突然ジャズにとりつかれたのだそうです。「とりつかれた というよりも、ジャズに狂ったといったほうがいい。ほかの言葉ではいいあら わせないほどの熱狂ぶりだった。…

植草甚一 ジャズ・エッセイ

植草甚一さんの著作は、どのくらい文庫になっているのでしょうか。 河出文庫のジャズ・エッセイ1、2というのは、植草さんのはじめての 文庫本ということになっていますが、このほかに文庫となっているものが 思い浮かびません。 植草さんの著作というと晶…

藤の花房が垂れる頃

庭に藤の木があって、これは植えられてから20年以上もたつというのに、 数年前まで花が咲いたのを見ることがありませんでした。この藤の木は、 花が咲かずに終わりになるのかと、不思議に思っておりました。近所の 藤が毎年必ず花をつけるのと比べるとどう…

「むしがすかない。」

先月に手にした「本の雑誌」6月号の「坪内祐三さんの読書日記」を みておりましたら、次のようにありました。 「ついでに北山耕平『雲のごとくリアルに』も購入し、帰宅後読む始め たら、初期『宝島』時代を回想したこういう一節にブチっときてしまった。」…

「古本道場」2

昨日に「古本道場」ポプラ文庫を話題にいたしましたら、道場主であり ます岡崎師匠からコメントをいただくこととなりました。 天網恢々ではありませんが、このようなところまでめくばりをいただき いい人であるな、さすがにそのむかし学校の先生をしていただ…

ポプラ文庫「古本道場」

ポプラ文庫は、今年になって創刊されたものでしょうが、小生が手に したのは、6月新刊ででた「古本道場」がはじめてでありました。 ポプラ文庫は、いかにも若い女性をターゲットにした文庫のようで ありまして、ラインナップには女性の書き手による作品が多…

「奇縁まんだら」の楽しみ3

「奇縁まんだら」の連載は、いまも新聞で続いているのですが、 人物としてインパクトがある人は、単行本となった初期の掲載期間で ある程度は登場しているのでしょう。 人物として興味がわくのは破天荒な生き方をしている文士たちで ありまして、もとも…

「奇縁まんだら」の楽しみ2

「奇縁まんだら」で興味深いのは、ビッグネームの作家などではなく、 そのビッグネームのまわりで活動している作家たちであります。 「 私がまだ出家しない前、急速に仲良くなった女の友人がいた。 京都在住の折目博子さんという作家で、京大の作田啓一教授…

「奇縁まんだら」の楽しみ

瀬戸内寂聴さんの「奇縁まんだら」を図書館から借りて読んでいます。 日本経済新聞に連載のものを一本にまとめたのですが、昨年の連載中に 荒畑寒村についてのことを小生のブログの材料にしたことがありました。 小生のリンク元をみますと「奇縁まんだら」の…

竹内勝太郎の形成4

ここ何日かは、富士正晴「竹内勝太郎の形成」から材料をいただいています。 600ページにも及ぶ、ほとんどいまとなっては無名の人々から詩人竹内勝太郎に 届いた書簡集を興味をもってみることができのは、詳細な人名索引がついている からであります。この…

竹内勝太郎の形成3

昭和10年(1935)に亡くなった竹内勝太郎さんの日記と来信が、没後 30年もたって保存されていたということが、信じられないことであります。 これを保存していたのは、まずはご家族なのでしょうが、いつ頃に富士正晴さんが これらを預かって、整理な…

竹内勝太郎の形成2

富士正晴が自分の師匠である「竹内勝太郎」が残した日記と竹内宛の手紙を 読み込んで、「竹内勝太郎の形成」はなりたっていますが、日記と手紙を付け 合わせて人物像を浮き彫りにするというのは、ほんとうにすごい力業であります。 普通は、竹内勝太郎の発し…

竹内勝太郎の形成

竹内勝太郎さんというのは、若くして事故死した詩人でありますが、この人が 指導した若い人がやっていた同人誌に「三人」というのがあって、この同人の 代表的な存在が、富士正晴、野間宏、竹之内静雄(元筑摩書房の編集者で 社長)でありました。このような…

帰宅したら新聞が山に

昨日に帰宅しましたら4日分の新聞等が玄関にあふれていました。 朝日新聞の朝夕刊と地元紙、そしておつき合いでとっている政党の 機関紙というところに、出版社のPR雑誌が「図書」「「ちくま」、 「一冊の本」そして編集工房ノア「海鳴り20号」、加えて…

月曜日は休館

東京を楽しく巡る方法に、バスを利用しての散策があるのですが、これは すこし持ち時間が多くなくてはいけないことです。都バスの路線で大きな 盛り場をつなぐものは、かって都電が走っていたものが廃止になってから 運行されるようになったものです。均一料…

旅の空から3

東京滞在三日目にして、青空がひろがりました。今から20数年前にすんでおりましたが、仕事以外で、このように滞在するのは初めてで、東京の変わりように驚いております。ずいぶんと人が多くなっているように感じますが、その分地方が、さびれているのでしょ…