2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

気まぐれな読書3

本日に岩波「図書」2月号が届きましたが、これをぱらぱらと開いても このブログの題材になりそうなものを見いだすことができませんでした。 そんなわけで、材料を求めて、富士川義之さんの「きまぐれな読書」を 手にしましたら、そこに「空豆の教訓」(忘れ…

きまぐれな読書2

はてなのキーワードに「富士川義之」さんは登録されていないのでした。 この人は、お父さんが「富士川英郎」さんでありましょうし、おじいさんは 富士川ゆうというひとでしょうから、学者3代であります。 大学院を卒業してからの職歴が國學院大學、都立大学…

きまぐれな読書

きまぐれな読書―現代イギリス文学の魅力 (大人の本棚)作者: 富士川義之出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2003/04/24メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る みすず書房の「大人の本棚」のなかには、まったくのオリジナル編集の…

庭と夜のうた 森亮

先月に岩波文庫「ヘリック詩しょう」森亮訳について、取り上げたときに、 この翻訳者である森亮さんの自費出版詩集「庭と夜のうた」がでてきたら、 そのときに話題にすると記しておりました。 昨日に自宅をかたづけておりましたら、はっきりと分かる場所に、…

改造社とその時代

高杉一郎さんが生前の最後に出演したというお知らせをいただいたので、本日の NHK ETV特集をみておりました。番組の見出しには「禁じられた小説」とあって、 これに続いて「続夫婦善哉発見」「改造原稿7千枚が物語る言論統制の真相」とあり ました。 「改造…

文献学者と広辞苑

新村出という名前を聞くと、最近は「広辞苑」の編者として記憶されて いるかと思いますが、もともとは文献学者といわれていました。 林達夫「文芸復興」(中公文庫81年刊)の「書籍の周囲」という章は 「文献学者 失われた天主教文化ー新村出氏の『南蛮広…

寿岳文章さんの話

先日に小野二郎さんの息子さんと同姓同名別人のかたについてを話題としましたが、 そのときに小野さんの追悼文集であります「大きな顔」(晶文社刊)のことを思い 浮かべました。この本は、83年4月に小野二郎さんの一周忌を前に非売品として 刊行されたも…

書籍の周囲

林達夫さんには「書籍の周囲」という岩波「思想」に連載していた文章が あります。この連載は、1925年11月からでありますから、林さん弱冠 30歳のときのものですが、今、読んでみても文章と内容の両方ともが、 古びていないことに驚くのでありました…

林達夫 研究ノート

平凡社から71年から翌年にかけてでた「林達夫著作集」は、めったに文章を 発表しないことで知られた林さんにも、こんなに文章があったかということで 話題になったものです。この「著作集」には、いくつもの新しいしかけがあった ように思いますが、そのひ…

伏せ字を埋める

その昔に検閲制度があったときは、そのまま活字にしますと発禁ということに なってしまうので、伏せ字化するということがありました。 マルクス主義関係の文書などは、いたるところに伏せ字があって、これを文脈に あわせて想像力で補って読む技術というのが…

長谷川巳之吉という人

井狩春男さんの新風舎文庫版「返品のない月曜日」を手にしています。 たしか、ちくま文庫でもっていて、読んだと思っているのですが、すっかり 忘れています。 井狩さんというと書籍の取り次ぎ「鈴木書店」で、日々手書きニュースを発行 していた人ですが、…

「返品のない月曜日」新風舎版

先日に、ほとんど新風舎文庫本はもっていないと思うと書いたのですが、 ダンボール箱を探していましたら、「返品のない月曜日」井狩春男さんのものが でてきました。表紙カバーのバーコードのところにのりがついていますので、 これは百円で入手したものであ…

同姓同名の話題

小野俊太郎さんという大学の先生がいて、この人は小野二郎さんの息子で あるという説が流布しているようです。いまほど、検索をしたところでは、 「高山宏『超人高山宏のつくりかた』49pにあるが、高山の誤解である」と ありました。この説を最初にみたのは…

詩の悦楽について

須賀敦子全集〈第5巻〉イタリアの詩人たち、ウンベルト・サバ詩集ほか (河出文庫)作者: 須賀敦子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/01/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (17件) を見る 「詩の悦楽について」というのは…

草思社といえば4 

草思社が破綻して、不良在庫が古本市場にどっとぞっき扱いででるのでは ないかと思いますが、そのなかで岩田宏さんの本がみつかれば、それは買いで すよというのが、どうも、小生のブログの趣旨であるようです。渡り歩き作者: 岩田宏出版社/メーカー: 草思社…

草思社といえば3

草思社といえば、小生にとっては岩田宏さんの著作でありまして、本日も 引き続きで、草思社からでた岩田宏さんの「同志たち、ごはんですよ」から 話題をいただきです。「 およそ人間の抱くさまざまな絶望のなかで殊にも静かで恐ろしい絶望を 抱いている人た…

草思社といえば2

草思社の創業者である「加瀬昌男」さんのことをウィキペディア検索しましたら、 その略歴がのっていましたです。普通の編集者とも違うよなと思っていましたが、 演劇の畑から編集者となって、その後に出版社をおこしたとありました。 創業にあたっての一冊は…

草思社といえば

渡り歩き作者: 岩田宏出版社/メーカー: 草思社発売日: 2001/01/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見る 出版社の破綻がいくつか話題になりました。最近、派手にやっていたのは 新風社でありまして、小生が週末にいくス…

芸人とパトロン

雑誌「サライ」の08年1月17日号は「歌舞伎」を特集しています。 特集の冒頭を飾るのは、御年78歳の人間国宝である「中村富十郎」さんで あります。 舞踊の名手といわれる人でありますが、子どもころは家族の縁が薄くて、 早くに両親が離婚したせいも…

高杉一郎さん追悼3

昨日のブログに高杉一郎さんの編集者時代の文書を読んでみたいものと 記しましたが、これはすでにまとめられていて、小生の書架にもならんで いるのでした。そういった本がでていて、購入したことも忘れているという のがなさけないことです。 高杉一郎さん…

高杉一郎さん追悼2

高杉一郎さんは、大学を卒業してから「改造社」という出版社に入社しています。 戦後生まれの小生には、雑誌の「改造」とか、改造社といわれても、時代に果たした 役割とか、存在感のようなものがうまくつたわってきません。 作家の「上林暁」さんは、自分が…

高杉一郎さん追悼

エロシェンコ童話集 (偕成社文庫)作者: ワシーリーエロシェンコ,ささめやゆき,高杉一郎出版社/メーカー: 偕成社発売日: 1993/11/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る 本日、友人お父さんのお通夜に出席をしてから帰宅をした…

「美の座標」2

昨日に、坂根厳夫さんの「美の座標」について記しましたところ、早速に コメントをいただきました。小生の子どもといくつも違わない世代の方からで、 このような若い人たちに読んでいただけるだけでもうれしくなりました。 本日は、相当に遅く仕事場から戻っ…

「美の座標」坂根厳夫

ブルーノ・ムナーリの生誕100年記念の展覧会があったとかで、「芸術新潮」でも 特集が組まれたとありました。ムナーリという名前は、どっかで聞いたことがあるぞと 思っておりましたら、やはりイタリアのデザイナーさんでした。 小生のところには、いまか…

小島信夫と保坂和志

昨日の朝日新聞の読書欄をみておりましたら、「たいせつな本」という コラムを作家 保坂和志さんが書いておりました。 保坂さんは、小島信夫さんを尊敬していて、ことあるごとに小島さんの 作品に言及します。 昨日の新聞では「寓話」についてふれていたので…

「75年読書アンケート」3

本日の朝刊から、日曜日のお楽しみ読書欄が復活しました。 なかでも最近読書欄に力をいれている毎日新聞の、年明け最初の特集は、 「第6回 毎日書評賞」でありまして、毎日 選考委員である「中村桂子」 「丸谷才一」「 山崎正和」の三人が合議制できめるも…

「75年読書アンケート」2 

昨日に引き続きで30年前の読書アンケートですが、小生の世代にとっての 文化分野における巨人たちが、まだ健在で、現役でいたのでした。 30年前の巨人たちを、現代に蘇らせたら、どのような人とかぶるのかと 考えてしまいます。 30年前とくらべても、…

75年読書アンケート

PR誌「みすず」のアンケートは老舗にふさわしい内容で、回答する 顔ぶれと、とりあげられる本のジャンルの広さのともに他のアンケートを 圧しています。 いま手元にある76年1月号には、「75年読書アンケート」が掲載 されているのですが、30年ほど…

「本の背表紙」2

昨日に続いて長谷川郁夫さんの「本の背表紙」からであります。 この本を見ていましたら、平凡社からでた「藝文往来」を開いてみたく なるのでした。「本の背表紙」と「藝文往来」はあわせて読まれるべき ものであるように思います。 昨日に話題とした篠田一…

「本の背表紙」

本の背表紙作者: 長谷川郁夫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2007/12メディア: 単行本 クリック: 30回この商品を含むブログ (6件) を見る 今年の購入一冊目となったのは「本の背表紙」長谷川郁夫さんとなりました。 本日に年始にきた弟が持参してくれ…