2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

旅の宿から3

本日は街歩きと本屋散策をすることができませんでしたので、昨日に 話題とした「飯島耕一」についての本から話題をいただきます。 飯島耕一がひどい抑鬱症となり、それから抜け出るために数年を 要して、抑鬱を克服したあとに発表した「ゴヤのファーストネー…

旅の宿から2

家人の興味のある店の近くに古書店があったり、趣味の良い本屋があると 街歩きが楽しくなります。お互いに幸せな時間をすごすことができます。 こどもたちにいわせると、このように本を買い続けることに理解ある人は いないよとなるのですが、あちこちに本が…

旅の宿から1

今回の旅にはパソコンを持参しました。今年の三月にこの宿にとまった ときは、一階のロビーにおかれているパソコンからアクセスをして、この ブログを更新したことを思い出します。それと比べると、今回は部屋からで ありますし、自分のパソコンからでありま…

あしたから旅に

明日から旅にでますので、その準備にかかっております。 今回の旅は、一カ所にとどまって、しかも部屋からネットに接続可能と うたっているホテルですので、パソコンを帯同することといたしました。 昨年に、ネットオークションで購入をした古いパソコンです…

「怪僧」大庭みな子

「醒めて見る夢」に収録されている藤枝静男さんについての文章の表題が 「怪僧」であります。この文章は、76年に藤枝静男著作集の月報のために かかれたものですが、短い文章のどこを見ても、表題以外に「怪僧」という ことばはでてきませんし、藤枝静男が…

醒めて見る夢 大庭みな子

先日の小旅行で訪れた町にあるブックオフで「醒めて見る夢」大庭みな子著を 百円棚で見つけました。大庭さんは、瀬戸内寂聴さんとは違った魅力のある人で あったでしょうから、男性作家の目にはどのようにうつったのでしょうか。 この本にも、男性作家につい…

「続 洛中生息」杉本秀太郎

「続 洛中生息」は79年にみすず書房から刊行されました。 この本にも、京都の観光客のことについて書いているところがあります。「たとえば、日曜祭日には、ごばんめすじの京都、つまり京のまちなかを歩く。 それというのも、洛外が雑踏をきわめているそう…

「洛中生息」杉本秀太郎

杉本秀太郎さんは、京都大学フランス文学科の出身ですから、山田稔さんや 大槻鉄男さんと同窓ということになります。みすず書房からでている「洛中生息」を みましたら、昭和25年秋に教養課程から専攻科をきめる口頭試問に臨んだの ありますが、新制第一回…

「サライ 京都特集」

小学館からでている雑誌「サライ」は、熟年層を主なターゲットに編集を していますが、年に二度、春と秋に「京都特集」をしているのです。 春は桜見物が、秋は紅葉見物がのおすすめとなります。このように 年に二回もやっていれば、話題がかぶらないはずがあ…

「月の家族」島尾伸三

20年ほど前に知り合った奄美の人は、尊敬をこめて「島尾先生」とよんで いました。島尾敏雄さんは、鹿児島県職員として名瀬図書館に赴任して、そこで 暮らしていたのです。たしか、定年退職するまで名瀬にいて、退職後は鹿児島へと 移住したのではと記憶し…

「幻戯書房」創立5周年

本日の朝日新聞朝刊に「おかげさまで、創立5周年」ということばとともに 「幻戯書房」の広告がでておりました。角川につながる辺見じゅんさんが創立した 会社であるように記憶をしておりますが、この業界で5年もつというのは立派な ことです。 フリーとな…

「山口昌男の手紙」

本日も、大塚信一さんの「山口昌男の手紙」からの話題です。 80年1月25日に記された手紙の話題は、ニューヨークにいて、中央公論社の 編集者である塙嘉彦さんの訃報を聞いてのものです。「 今日1月25日はとても悲しい日でした。ふつう金曜日といえば…

大塚版「先生とわたし」2

「山口昌男の手紙」(トランスビュー刊)は370ページの本ですが、そのうちの 300ページほどは、67年から84年にかけての大塚信一さんあて書簡84通の 紹介と、それへのコメントによって構成されています。初期の書簡には、大塚さんの 手によって伏…

大塚信一版「先生とわたし」

山口昌男の手紙 文化人類学者と編集者の四十年作者: 大塚信一出版社/メーカー: トランスビュー発売日: 2007/09/04メディア: 単行本 クリック: 19回この商品を含むブログ (17件) を見る 大塚信一さん(元岩波書店社長)の「山口昌男の手紙」(トランスビュー…

トミノの地獄

怖い絵 (文春文庫)作者: 久世光彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1997/02メディア: 文庫 クリック: 20回この商品を含むブログ (17件) を見る いぜんから久世光彦さんのことは、なにか思いついたことを書き留めておきたいと 思っておりました。久世さんの…

なにが幸いするか

「災い転じて福とする」ということわざがあって、できればそのような 苦労を背負い込まないほうが幸せだと思うのですが、それをきっかけに まったく違った道を歩みはじめる人がいるのです。 川本三郎さんの朝日新聞退社というのは、事件に巻き込まれてであり…

90年と「黄犬本」

四方田犬彦さんの本で一番最初に購入したのは「黄犬本」でしたが、これが 刊行となったのは、奥付けによると91年6月、収録の文章が書かれたのは、 89年から90年でした。 89年から90年というのは、どういう時代であったのかと、「黄犬本」の 前書…

「1920年生まれ」驢馬とスープ

困った時の四方田頼みでありますが、ここ何日かは四方田犬彦「驢馬とスープ」から 題材をいただきです。「奥崎謙三、原節子、李香蘭、安岡章太郎。 この4人に共通するものとは、何だろうか。それは、いずれもが1920年に日本人と して生まれているという…

「岡田史子」−驢馬とスープ

昨日に続いて四方田犬彦さんの「驢馬とスープ」から話題をいただきです。 高校生の四方田に強いインパクトをあたえた人については、「ハイスクール 1968」にも書かれているのですが、ほとんど忘れ去られた存在であるにも かかわらず、四方田に強い影響を…

「驢馬とスープ」

驢馬とスープ―papers2005‐2007作者: 四方田犬彦出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2007/08メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (17件) を見る 「驢馬とスープ」というのは、四方田犬彦の新刊の書名であります。 読むのと、書くのはどっちが…

「郵便書簡(ミニレター)」

松任谷由実に「青いエアメール」という曲がありますが、これは海外などに 住む友人との連絡を郵便でやっていた経験のある人には、とても懐かしい内容で あります。この曲をあまりテレビなどでは聴くことがなかったのですが、先日に 寺岡さんとかいう音楽家の…

「のの字」外山滋比古

「みすず」の表紙裏で連載されている外山滋比古さんの「木石片々録」9月号の タイトルは「のの字」であります。 「街中を歩いていると疲れる。なにかわびしい感じになる。都市は砂漠のようだと いうが、砂漠はこんなに寒々しくはない。目にはいるものがすべ…

「私の履歴書」

「私の履歴書」という連載は、日経の売りのひとつでありましょう。ずいぶんと 長く続いており、これは定期的に単行本となって、そこからさらに文庫本となった ものもあるのです。 とりあげられるのは、経済人であったり、職人さんであったり、ある分野におい…

文楽人形遣い2

「文楽人形遣い」という言葉は、日経連載の「私の履歴書・吉田簑助」さんの肩書きで あります。文楽も浄瑠璃、義太夫もほとんど遠い世界のように思いますが、かっては もちろんそうではなかったのですね。 その昔に、萩原延寿さんと石川淳さんの対談を見たこ…

文楽人形遣い

「文楽」というのは、もともと庶民の娯楽であったのですが、最近ではすっかり 庶民には縁遠いものとなっているようです。文楽で上演される世界などは、日本人に とってはなじみのものでして、そのメンタリティは今にいたっても変化はないように 思うのですが…

「古本倶楽部」中野書店

ほとんど毎月のようにカタログをおくっていただいています。 こちらもできるだけ注文をいれようと数回見直しをするのですが、特に食指が 動くものがなくて、注文を断念しますと、なんとなく申し訳ないような気分に なります。このカタログについては、すこし…

二十年後も通用する文体

岩波書店の「図書」9月号にある中井久夫さんの連載をみていました。 今月号のタイトルは「最初の精神医学書翻訳」とありますが、中井さんが サリヴァンという精神医学者の「現代精神医学の概念」という本を訳した ときの話です。 中井さんは当時、統合失調…

「波」9月号から

新潮社の「波」9月号が手元に届きまして、「古本つれづれ草」をみました。 ここには、古書目録が届いてそこに掲載されているほんをファックスを送信して 注文するというくだりがあります。 これには、つぎのようなコメントがついています。 「古書目録の注…

「奇縁まんだら」瀬戸内寂聴

おつきあいでとっている新聞(日経)には、瀬戸内寂聴の「奇縁まんだら」という 連載があります。瀬戸内さんが、これまでに接した文人などをとりあげるものですが、 最近では、あまり話題になることのない先人たちが、瀬戸内さんによって生き生きと 描き出さ…