2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「僕の昭和史」

今年から4月29日は「昭和の日」となったとのことだが、これは しりませんでした。小生の仕事でつかっている日程を書き込む手帖は ドイツ製ということもありまして、4月29日には「緑の日」とある のでした。かっての「天皇誕生日」を国民の祝日とすると…

田中小実昌さん2

昨日に田中小実昌さんを話題にしたのですが、そのあとで 田中小実昌さんで検索をかけましたら、なんと本日4月29日が 誕生日でありました。 1925年(大正14年)4月29日が誕生日ということですから、 生まれた時には、まだ「天長節」ではなかった…

田中小実昌さんの言葉

本日に、納戸のなかをみておりましたら、79年8月10日 「朝日ジャーナル」に掲載された「田中小実昌と西江雅之」の対談切り抜きが でてきました。この対談の見出しには「ヒマを見つけて読むか 読むヒマを 見つけるか」となっておりますが、ここでの発言…

堀内誠一さんの本

先日に書店で新刊棚をみておりましたら「父の時代 私の時代」という 堀内誠一さんの本が目にはいりました。「わがエディトリアルデザイン史」と 副題のついた、この本が復刊するのは何年ぶりのことでしょうか。小生の 手元には、これの元版がありますが、こ…

山猫忌(長谷川四郎)

肉親の命日も忘れてしまいそうになるのですが、4月は小生にとって恩の ある文学者がおふたりもなくなっているのでした。おひとりは篠田一士さんで、 もうひとりは長谷川四郎さんであります。 長谷川四郎さんは、1987年4月19日に亡くなりました。81…

「黄色い涙」と保倉幸恵

永島慎二原作の「黄色い涙」が映画化されたので、永島さんの原作を書店でみかける ようになりました。「フーテン」とか「漫画家残酷物語」とかは、60年代の雰囲気を 良く伝える作品であると思います。 今回の映画化となったのは犬童監督が、いぜんにNHK銀…

ポケットの本 机の本

岡崎武志さんの「読書の腕前」をみていましたら、「読書論のアンソロジーは 数々あれど、雲の上頭ひとつ飛び出して優れているのがこれ。ダンチ、ですよ。 ・・・だいたいこの目次の人名を見せて、何人知っているかで、読書人としての レベルがわかってしまう…

野村一彦という人2 

野村一彦さんの日記が刊行され、その書名は、「会うことは目で愛し合うこと、 会わずにいることは魂で愛し合うこと。」というものですが、これは長くてわかり にくいものです。ほとんど自費出版のようなかっこうででたものかと思いますが、 もっとわかりよい…

野村一彦という人

野村一彦さんは、1934年に結核のために21歳で亡くなった人です。 父親が野村胡堂という「銭形平次」の作者( あらえびすという名で音楽 批評も書いています。)でありますが、ほとんど世に知られることなく 亡くなったはずです。 そうした人が、なくな…

本の枕草紙2 井上ひさし

井上ひさしが作品を書くために大量の資料を収集するというのは良く知られた ことですが、作品を書き上げたら、こうした資料はどうなるのかですが、ほとんど 置き場所も困るくらいになって、自宅に残っていたとききみました。 最後まで手元においてあった資料…

本の枕草紙 井上ひさし

井上ひさしの本についてのエッセイというのは、ちょっと目のつけどころが かわっていて、たとえば「わたしの一冊の本」ということで、無人島に携行する 一冊の本となると自分でいろいろと書き込みを行った「広辞苑」以外には考える ことができないという具合…

全集 現代日本文学の発見

戦後にでたアンソロジーで話題になったものというと、学芸書林から刊行 された「全集 現代日本文学の発見」というのがあります。小生は、たしか 高校の図書館ではじめて手にしたはずですが、粟津潔が装幀した箱にはいって いて、それまでの文学アンソロジー…

「蜂起には至らず」講談社文庫

小嵐九八郎さんという作家は、そのむかしに新左翼の活動家であったとのことで、 長く収監されていたようなことを読んだ記憶があります。この人の小説作品はまったく 読んだことはないのですが、ちくま新書にはいった「妻をみなおす」は、タイトルに ひかれた…

犀の本(晶文社のこと)

「本の雑誌」5月号が手元に届きました。最近は、本を購入したり、定期で 購読している雑誌が届きますと、このブログで取り上げる題材がないかという 観点から中身をチェックしてしまいます。 「本の雑誌」では、坪内祐三さんの「三茶日記」と津野海太郎さん…

「考える人」20号 2

「考える人」07年 春号 の「短編小説を読もう」という特集号をぱらぱらと めくっていましたら、そのむかしにあった「Switch」文学版という雑誌のことを 思い出しました。あの雑誌は、この「考える人」よりもひとまわり大判でありま して、しゃれていたので…

「考える人」20号表紙

雑誌「考える人」の最新号の特集は「短編小説を読もう」であります。 このような特集は、やはり押さえておかなくてはいけませんです。以前は、 この雑誌の表紙は「イラスト」でありましたが、前回19号から表紙に 写真が使われるようになりました。今回は、…

季刊「現代芸術」 みすず書房

「新日本文学」に参加している文学者たちは、ほかにも課題別に別の会を 結成して雑誌を発行したりしています。このような形で、どのくらいの雑誌が でていたものであるのか、「新日本文学」歴史をまとめるだけでもたいへんな ことであるのですから、別の雑誌…

「通り過ぎた人々」あとがき 小沢信男

小沢信男さんの「通り過ぎた人々」みすず書房 のあとがきには、「新日本文学会と いっても、お若い方々はおおかたご存じないでしょうな」とあります。1945年末に 発足したから「新日本」なのですが、たんなる同人誌ではなく、文学・文化運動を 通じて社…

神を見た犬 ブッツァーティ

本日の朝刊をみましたら光文社文庫の広告が目に入りました。古典新訳文庫の ほうでありますが、ここにブッツァーティ「神を見た犬」がでておりました。 どちらにしてもブッツァーティの作品が文庫で入手できるようになったというのは、 たいへんめでたいこと…

「展望」の思い出

粕谷一希さんの「東京あんとろぽろじい」を見ておりましたら、かって筑摩書房 からでていた「展望」についての文章がありました。 その昔には、総合雑誌というくくりでかたられる雑誌がありましたが、これは 時評があって、哲学めいたものがあって、文芸作品…

粕谷一希「東京あんとろぽろじい」

先日の毎日新聞読書欄には、編集者としての粕谷一希さんの三冊というのが ありまして「萩原延壽」「永井陽之助」「高坂正堯」の著作があがっていました。 編集者としては、「彼らの識見と才能に着目して執筆の場を与えた」とありました。 これは中央公論社に…

小沢書店「Poetica」

「Poetica」というのは、小沢書店からでていた小冊子のタイトルでありました。 2年くらいにわたって、全部で10冊ほどでたようです。小生のところには、 たぶん、このすべてがそろっているはずですが、この冊子は特集形式でありまして、 昨日に引きました…

小沢書店のこと

先日に長谷川郁夫「われ発見せり」にふれたとき、次は「藝文往来」を話題に しようと思っていたのですが、これがなかなか形になってきません。 本日に山本善行さんのブログをのぞきましたら、「藝文往来再読」というタイトルに なっていましたので、ますます…

偏愛文学館2 倉橋由美子

昨日に引き続いて倉橋さんの「偏愛文学館」についてです。倉橋さんがこの ように読み上手、すすめ上手であるとは知りませんでした。もともとあまり なじんでいない人でありますから、倉橋さんの愛読者には、良く知られている ところであったのかも知れません…

偏愛文学館 倉橋由美子

偏愛ということばが上にのっかった「本についての本」のことを思い浮かべて おりましたら、本日のブックオフで発見しました。渋澤龍彦のものとか、池内紀の ものは所蔵しているのですが、倉橋由美子さんにこのようなものがあったことは 知りませんでした。倉…

詩人たち ユリイカ抄

小沢書店の社長であった長谷川郁夫さんは、社長であったときに伝説の出版社 「ユリイカ」の社主であった伊達得夫さんの評伝をあらわしています。 「われ発見せり」というものですが、86年2月号の「新潮」に一挙掲載されて、 それからややたった92年6月…

本のなかの本

「本のなかの本」は批評家である向井敏さんの著書です。向井さんは電通の 会社員を経て文筆家となったのですが、サラリーマンを経験しただけにバランスが よろしいように思います。これは彼のお仲間である「谷沢永一」とくらべての ことでありまして、とんで…

本についての本

「本についての本」で小生がすすめるものに白上謙一さんの「本の話」教養文庫が あります。最近でも古本ではネット書店で入手が可能のようですから、是非とも手にして 見てもらいたいものです。 小生が、その「読書エッセイ」を信頼するに足りるかどうかを見…

小沢信男さんの新刊

山下達郎が毎週日曜日にやっています「サンディ・ソングブック」というFMラジオの 番組は、基本的にはオールデイズを取り上げる番組となっていますが、自分の新曲と 竹内まりあの新曲ものがでるときは、番組の冒頭で、そうした曲をかけることになって いま…

本について書かれた本

昨日に引き続いて「読書の腕前」岡崎武志さんの本を手にしておりました。 このなかには、「私が目録やネットで買わない理由」というくだりがありまして、 そこで、「古本人生の最終コーナーにかかると買うのはもっぱら目録やネットで、 店回りをしなくなり、…