図書館からの本もあり

 図書館の新入資料のところをチェックしていて、読みやすそうなものも借り

ることにしました。ほとんどなかを見ることもなしで、借り出したのですが、

その一冊は「印刷・紙もの、工場見学記」でありました。

 ブックデザイナーの名久井直子さんが工場を訪問して、それをルポしたもの

ですが、一番最初に置かれているのは「自然の恵みと先人の知恵。100年の

紙づくり、ここに始まる。」とありまして、王子製紙㈱苫小牧工場でありまし

た。これは思いがけないことで。

 100年前に建設された工場の成り立ちから書かれておりまして、これは勉強に

なることであります。この工場は当方にも身近な存在であるのですが、どちらか

というと新聞紙生産のイメージが強く、あとは西洋紙というかわら半紙を作って

いるのは知っていましたが、「大人気のアドニスラフ」の生産というのは、この

紙についてまったく知らない当方には新鮮でありました。

気づかないうちに「アドニスラフ」という紙に印刷されたものを手にしている

のでありましょうか。 

 この工場で作っている新聞紙だけでも100種類以上もあるのだそうで、最初に

おかれた紙のところから、興味津々な見学記です。

 ちなみにこのあと見学するのは、インク製造、製版、印刷加工、製本の現場な

どで、和本とか製函の作り手も訪ねています。

 函入の本などは、ほんとめったになくなってしまって製函屋さんは、どのよう

して仕事をしているのかと思ったら、CDボックスなどもこうした製函屋さんが

担当しているのだそうです。函入というのは特別感があるというのは、本だけで

なくいろいろな分野のものにいえるのですね。

本日は来客あり

 本日はお天気はまずまずなのですが、気温上がらずでありまして、この時間

にはストーブをつけて過ごしています。何日かすると、すこしは盛り返すので

ありましょうが、11月にむけてだらだら下がりで寒くなっていくのですね。

 午前中にはジムへといってトレーニングすることになりです。寒いので汗の

出かたが悪くなっていて、汗がたくさんでますと、いかにも運動をしたという

気がするのですが。

 来客があるということで、駅まで迎えにいくことになりです。あれこれと

近況を話しをしたのですが、最近は現在住んでいる函館に関わりのある本を読ん

でいるとのことで、持参の本を見せてくれました。

岩波の本でありまして、「図書」の広告で見たようには思いますが、頭には入っ

ておりませんでした。

 三輪ヒデさんという方が、明治の函館で生まれた人だそうで、世代的には長谷川

海太郎さんといくつも違わず、こちらの女性も日本を飛び出して、インドネシア

農園を切り拓くことになったのだそうです。

 「図書」の紹介にはデヴィ・スカルノさん推薦とあって、これはちょっと気になっ

たりしますが、出身地でもほとんど知られることのなかった女性が、インドネシア

を研究対象とする学者さんの調査のなかで浮かび上がってきて、それが一冊にまと

まって、地元に人に知られるようになるというのは、一番いいことですね。

 近々にこの著者の先生とオンラインで結んで講演会が計画されているのだそうで

す。かっては講師をよんでとなりましたら北海道は旅費がかかって大変でしたが、

いまは旅費がかからないので、これはいい時代になったというのでしょうか。

ライブの前には

 昨日は久しぶりに大きな街にでたので、ライブの前には急ぎ足で書店と文具屋

をまわってきました。コロナになってからはこの街にくることができずで、たぶん

訪れるのは二年ぶりくらいのことです。

 先日に文具屋からはがきが届きまして、そこには当方の利用ポイントが、直近

二年ほどまったくないので、消滅しますよと書かれていました。たいしたたまって

いるわけではないものの、すこしでありましてもポイントが消滅すると、なんか損

したような気分になるので、これはなんとしても救わなくてはです。

結局文具屋では、来年に使用する手帳リフィール(見開き二週間)が入荷していま

したので、これを購入することにです。この店に行くことができなかった頃は、や

むなく通販大手サイトから購入していたのですが、すこしは日常が戻ってきたかな

です。

 そして本屋です。時間が限られているので売れ筋の本ではスルーして、あまり目

にすることのない本を見て回ることになりです。へえーこんな本がでているのかと

いうものもあったようですが、それらはまた次に来たときに、ゆっくりとチェック

することにして、たぶん、北海道ではここくらいしか並んでいないだろう岩波文庫

の2021年一括重版の一冊を買うことにです。

 この本屋でも一セットしか入らないであろう一括重版ですので、それが買われて

いましたら空振りとなるのですが、ラッキーなことにこれが残っていました。

 この文庫本は2009年にでたものですが、そのときはまったく関心のないもので

したが、ぐんま様のおすすめで芳賀徹さんの著作などを図書館から借りてみて、

それで栗本鋤雲のことなどを知り、それであれば栗本鋤雲では岩波文庫が入手しや

すいと教えられたものです。

 ちょうどタイミングよろしで、今年7月に一括重版にはいりました(これは現在

NHKでやっている大河ドラマのおかげでもあるのかな)ことから、書店で入手で

きるようになりました。

 まずは編者の手による解説を読んでみることにいたしましょう。

 もう一冊は森まゆみさんが編集した「伊藤野枝集」でありました。

明治の非常識女性といえば、なんといってもの「伊藤野枝」でありまして、現代

においても、伊藤野枝のフォロワーたちは、世間からバッシングを受けているわ

けですが、伊藤野枝が殺されたのは28歳でありました。

 

ただいま予習中

 本日は、これからでかけてアリーナライブに参戦することになりです。

ライブに足を運ぶのは、いつ以来でありましょうか。(というか、これまで

アリーナでのライブ経験はなしでありまして、初めてということもあって、

すこしわくわくです。)

 行く前にすこし予習をかねて最近のアルバムなどをきいてテンションをあげて

いるところです。ライブは18時からでありますが、会場にたどりつくまでに何時

間かかかりますので、そろそろでかける用意をしなくてはいけません。

 戻ってくるのはかなり遅くなりそうです。

 

 日付が変わる前に戻りました。無事にライブに参戦することができました。日頃

のトレーニングの成果でなんとかついていくことができたのですが、ほぼほぼ最年

長でありまして、見渡しても同世代はいなかったことです。それにしても楽しかった

こと。(このグループのライブは写真OKというもので、当方は遠慮がちにスマホ

パチリです。f:id:vzf12576:20211016201241j:plain

f:id:vzf12576:20211016200917j:plain

 

シベリアつながりか

本の雑誌」が届いておりました。今月は定期購読の前金切れとなりますので、

振り込み用紙が同封されていまして、まだまだ購読を続けるぞということで、

送金することになりです。

 今月で目についたのは、服部文祥さんの連載「サバイバルな読書」は「極北の

犬トヨン」という本をとりあげて、その翻訳者である高杉一郎さんに注目するこ

とになりです。

 当方は高杉一郎さんのファンではありますが、「極北の犬トヨン」というのは

知りませんでした。服部さんは、次のように書いています。

「はじめて『トヨン』を読んだときも、高杉のことが気になって『極光のかげに』

を手にとった。今回もやっぱり気になって、改めてウィキペディアであっちこっち

飛び回った。戦後を代表する作家の一人なのだろうが、私にはまったく知識がな

い。」

 ということで、服部さんはあれこれと高杉一郎さんの本を読んだようであります。

「さて、今回は『往きて還りし兵の記憶』を手にとってみた。『極光・・』は高杉

の抑留生活でもっとも印象深いブラーツクの収容所の話が中心だが、『往きて・・』

終戦直後からはじまり、ブラーツクに至るまでの過程が書いてある。」

 高杉一郎さんは戦後を代表する作家なのかなとは思いますが、自らの抑留体験を

書いた「極光のかげに」が大ベストセラーになったことは間違いなしでありまして、

これで高杉さんは知られることになりました。

 当方も久しぶりに「極光のかげに」を手にしてみようかなです。

 この文章のなかで、服部さんは「私自身、ツンドラを旅し、デルス・ウザーラ

陶酔し」とあります。先日に再放送された服部さんのシベリアドキュメントをみま

したときに、デルスーの世界を感じたのは間違いではなかったのですね。

 

昨日に続いて

 昨日に「話題てんこ盛り」と記しましたので、本日も堀江敏幸さんの新著か

ら話題をいただきです。

 堀江さんがとりあげる話題は、当方好みのものが多いのでありますね。僭越

ながら当方のほうが一回り以上も年上でありますので、よくぞこうした方面に

関心をもってくれたことと、まるで後輩のことを見るかのようになってしまう

ことです。

 今回の本に収められているコラムにも、長谷川四郎さんが少なくとも二箇所

にありまして、今どき一冊でこんなに四郎さんのことを話題にしてくれる人は

いないことです。

 話題は、ともに四郎さんの満州からシベリア時代のことでありますが、一つ

は四郎さんを補助線のように使って、ほとんど知られていない人を紹介してく

れています。

 その文章は、四郎さんがシベリアの収容所でソ連の思想をひろめるために壁

新聞の作成を計画し、それの編集者を募ったと始まります。それに四郎さんは

協力することになったが、だんだんとソ連側の締め付けが厳しくなっていって、

四郎さんの思いとはずれていくことになったとのありました。

 それに続いてです。

「ところで、四郎とともに壁新聞の編集に当たり、彼の社説を『墨痕あざやか

に』書き記したのは、横光利一の弟子にあたる松本美樹だった。学生時代、

なじみの古書店の均一棚で私はこの人の本を買っているのだが、福島紀幸『ぼく

の伯父さん 長谷川四郎物語』のシベリア抑留のくだりを読むまで、それを完全

に忘れていた。表紙に美しい裸婦のデッサンをあしらった四六版の函入り本であ

る。」

 「ぼくの伯父さん 長谷川四郎物語」は読んでいるのでありますが、もちろん

そこにでてくる松本美樹なる名前には、まったく反応することはなしでした。

この本のほかのところで松本美樹さんについて言及されることはないようで、こ

の名前に反応するのが、堀江さんでありますね。

 堀江さんは、松本美樹さんの小説集をジャケ買いするのですが、その時に、こ

の松本美樹さんがどういう人であったかまったく知らなかったとありました。

それにしても、この松本さんが四郎さんの抑留仲間であったとは、福島さんの

「ぼくの伯父さん」を読むまで知らなかったのでありましょうね。

 どこで、どのようにつながるのかでありますが、買っておいてよかったという

ことでしょうか。

 

話題てんこ盛り

 このところあまり良く読めていなくて、すこし相性が合わなくなっているかな

と思っていた堀江敏幸さんのものですが、今回の「定形外郵便」は、短いコラム

で話題も当方好みのものが多くて、久しぶりに楽しく読ませてもらっています。

 今回のは「芸術新潮」に連載のコラムをまとめたものですが、見開き2ページ

にちょっとはみ出すくらいの文章というのが、集中力が薄れている当方の気分に

あっていることです。

 これはそんなに急いで読むこともないので、ゆっくりですので、いつまでたっ

ても最後までたどりつけないかもです。まあ、どこからよんでもいいのでありま

して、その日の日付のページを開くのもありか。

 本日は、当方のお気に入りの話題を紹介です。

「全集の資料でありながら、一般の読者にはあまり注目されていないものがある。

配架の際には取り除かれる外函や表紙カバー、書評や時評の一節が抜かれた帶の

ことではない。書店のチラシの棚に置かれている内容見本だ。刊行時期、造本の

データ、編集上の特色と解説者のリストなどが簡潔にまとめられたパンフレット

である。これには作家や批評家による比較的短い推薦文が掲載されており、書き

手の人選ともども貴重な資料になりうるのだが、月報のように読書の対象とは

見なしにくい。」

 ということで、最近はあまり出ることがなくなってしまった内容見本でありま

すが、その昔に個人全集などが刊行されるときには、必ずといっていいほど作成

されたものです。

 当方の手もとに残っている全集本などは、一冊あたり百円くらいしか値段がつ

かなそうなものもありますが、一方でそれの内容見本は千円近くもするという

不思議なことになっています。ひょっとして当方のコレクションで一番値がつく

のは内容見本かもしれません。

 堀江さんは、上のように書いたあとで、武田泰淳が「周作人と藤村が会った折

の話」をどこかに書いていたと、これを調べる話題に転じて、それが武田泰淳

最後の単行本「文人相軽ンズ」にあったことを突き止めるのですが、問題となる

のは、これの初出でありまして、それについては次のように書いています。

「『静かな計画性』というその一文の初出は、『昭和41年7月、筑摩書房『藤

村全集』内容見本。』どうりで月報に見つからなかったわけである。」

 これを見て、当方のコレクションにある「筑摩書房『藤村全集』内容見本」を

あたってみることになりです。当方がもっているのは、昭和41年ではなく、

そのあとの版の内容見本でありまして、ここにも武田泰淳の文章はあるのかと

思ってチェックしたのですが、これは残念ながら違った見本になっていたよう

で掲載されていませんでした。

 それにしても内容見本は、これから復活することはあるのだろうかな。