立ち読み読書家

 本日の午後からは、幸運であると自己暗示をかけて、本屋巡りへとでかける

事になりました。本日の軍資金は、ブックオフはワンコインで、新刊本屋は、

車のガソリンと灯油代の支払いにつかっているカードにポイントがたまって

いまして、その2000ポイント(もちろん1ポイント一円なりです。)であり

ます。

 このポイントが使えるのはショッピングモールに入っている書店のみでありま

すので、いつもの行きつけの本屋ではなく、モール本屋で本を探すことになりで

す。

 ここで新刊書棚のところに行きましたら、いつもは行きつけの本屋であいます

熱心に立ち読みをするおねえさんに遭遇です。ほんといつも一心不乱に立ち読み

しているのですよね。たぶん、書店側からするといいかげんにしてよねという風

に思われているのでしょうが、ほとんどかまってなしで、すごい集中力なのです。

 当方が行きつけの本屋さんにいくと、ほとんど見かけますので、ここがホーム

なのかと思いましたが、そうかモール書店へも足を運んでいるのか。ずっと読ん

でいる方で、そういえば本を買っているのは見たことがありません。うーむ立ち

読み読書家の鏡であります。

 ということで、本日の新刊棚から購入した本についてです。ポイントで購入し

たのは、つぎのものです。

われもまた天に

われもまた天に

 

  図書館から借りて、ほとんど読むことができなかったのですが、やはりこれ

は買って読まなくてはいけない一冊でありましょう。うまく読むことができるか

どうかですが、

 2月18日に亡くなって、先日に一周忌、このところエッセイ集を借りて読ん

でいますが、この作品は時間をかけて読んでいきましょう。

 予算はオーバーでありますが、本日は次の文庫本も購入することになりです。

根津権現裏 (角川文庫)

根津権現裏 (角川文庫)

 

  数年前に新潮文庫からでていたものを版元を変えて、解説なども書き改めての

一冊となります。(新潮文庫版も購入していますが、あの版では読むことができ

なかった。)

 小説のなかでは、ひどくいやらしく描かれる自分なのでありますが、師匠に接

するにあたっては滅私奉公でありまして、こんなに尽くしてもらえるのは冥利に

つきることであります。これは西村さんの天使的な一面でして、こればかりだと

もの足りなくなるというのは、読者のわがままでありますね。

 ブックオフでは、中村真一郎さんの本を久しぶりに購入でありまして、古井由

吉さんとあわせて、どちらもqfwfq様があげた著者の本ということになります。

ブックオフの話題は、また明日に。

よし週末だ

 テレビのデータ放送であがってきた占いによると、今週は水瓶座の人に

とって幸運な日が続くのだそうです。占いで悪いのは忘れるようにしますが、

良いというようなのは、それを気持ちの支えとして暮らすことになりです。

 幸運な日だからといって、宝くじを買ったり、賭け事をするというわけで

はなく、あたって砕けろとばかりに動いたりするのでありました。そんなわけ

で、幸運に背中を押されての一週間も週末をむかえます。

 近くの町で気になる展示とかがあるのですが、市外にでるのはためらわれる

ので、これは足を運ぶことはなしにして、明日以降には行きつけの本屋とか

ブックオフなどに足を運んでみることにいたしましょう。ここまで幸運は続く

でありましょうか。

 えーっどうしてこんな本がここにあるのと思うようなものに、出会い頭であ

たりたいものです。その昔のブックオフではどうしてということがあったので

すが、最近は仕組みがちゃんとしてきたせいか、そんなおいしい話はないので

ありますね。まあ数年に一度でいいから、たとえば小沢書店からでた小沼丹

作品集の函なし端本がただみたいな値段でまぎれているようなことはないだろ

うかな。

 そんな希望を胸に、よし週末だ。 

生まれた人、死んだ人

 いつかもどこかで記したように思いますが、生きているうちはお誕生日

で思い出され、亡くなったら祥月命日で思い出されることになりです。

 本日の朝の番組を見ていたら、その番組にレギュラーで出演している女性

が本日がお誕生日とかで、お祝いされていたということです。そうかお仲間

がまた一人見つかったかであります。

 その昔でありましたら越路吹雪さん、奥村チヨさんという名前があがり、

最近では安藤サクラさん、田中哲司さんのお誕生日が話題となるようです。

この日にお生まれの作家さんでなじみのある人は、あまりいないのですが、

地縁でつながる馳星周さんがこの日とのことで、これは初めて知りました。

 本日に亡くなった方というと、今も図書館から本を借りている古井由吉

さんがそうでありますし、もうひとり津島祐子さんがそうでありました。

 机の脇に積まれている本の山のなかに、津島祐子さんの本が何冊か入っ

ています。とんでもない父親のものは、そんなに読みたいと思いませんが、

津島さんのものは気になることです。

 山からひっぱりだしてきた「アニの夢 私のイノチ」にあった「忘れて

はならないこと」という文章を読むことになりです。

 書き出しは「昨年のノーベル文学賞は、トニ・モリスンというアメリ

黒人女性作家に与えられた。」となります。(トニ・モリスンさんもお生

まれは2月18日でした)

アメリカ黒人の歴史においても、アメリカインディアンの歴史でも、ホモ

セクシュアルの人権運動においても、多くの人が殺されつづけ、卑しめられ、

それでもあきらめずに一歩一歩、運動をつづけ、発言をつづけ、具体的に

細かな差別も訂正しつづけてきた、そのすべての行為の結果として、日本に

いる私たちも、たとえばトニ・モリスンというアメリカ黒人女性作家を奇異

な思いで受けとめなくなっている。」

 1994年に発表された文章ですが、上のところを受けて、最後はつぎのよう

に結ばれます。

「日本の社会でもむろん、同様の経過をたどり、さまざまな変化を遂げてい

る面がある。女性に対する認識の変化ひとつをとっても、それを促してきたの

は、多くの女性たちの模索のひとつひとつだった。このことをおぼえておかな

ければ、日本に住む私たちは現在の多くの問題について、ただ無力に嘆き合う

ことしかできなくなる、と念のために、ここで言っておく必要があるのかも

しれない。」

 津島さんは2016年にお亡くなりになりましたので、USAとんでも大統領の

誕生を見ることはなかったのですが、ここはひとつ女性を据えて目くらまし

してやりましょうなんてのも論外ということですね。

P+D BOOKS アニの夢 私のイノチ

P+D BOOKS アニの夢 私のイノチ

 

一人ではだめでも

 本日の新聞夕刊を見ていましたら、女性たちがやっている読書会のことが

紹介されていました。

 当方は読書会というのには参加したことがないのですが、戦後の図書館活動

のなかでは読書会結成と、それへの貸し出しというのは一つの運動であったの

ですね。読書会の全盛期というのは、今から半世紀は昔のことでありましょう。

職場サークルや地域での文化活動としての同人誌とか読書会とかは、それこそ

戦後民主主義を推進する集団でありましたでしょう。

 当方の住む町にはすでに50年近くも継続して活動している読書会があります。

もともとは小学校PTAサークルから発生したものですが、メンバーは高齢化して

いますので、若手(といっても70歳以上)の男性を加えて、今も月に一度の例会

をやっています。主力のメンバーはそろそろ90歳に手が届きそうでありまして、

女性たちの持続する志であります。

 そんなことを思いながら、本日夕刊をみましたら、ここで紹介されていた読書

会は、なんと「埴谷雄高『死靈』を読む会』というのだそうです。

メンバーは主宰の女性(84歳)ほか男性一人を含む全員で6人だそうです。読書

会の写真には女性ばかり5人がテーブルを囲んで「死靈」を読むところが写って

いました。

 このメンバーで「死靈」を1年余りをかけて読了したのだそうです。このような

話を聞きますと、この読書会の皆さん(特には主宰の女性)を尊敬してしまうこ

とです。

 それまでも何かを読んできての結果として「死靈」であるようにも思うのです

が、それにしてもこの作品は、相当に難易度が高いと思われますからね。

 当方は、この不思議な小説のことは、高校の時かに「現代文学の発見」に幻の

小説が収録されたとあったのを見て、その存在を知ったのですが、読んでみよう

かと思ったのは、それから十年近くもたって、集英社かどこかの安価な文学全集

の一冊に収録された時でありました。

 これはまったく歯がたたずでありまして、それからはどのような「死靈」の版

がでても、手にすることはなくて、今にいたっています。

おおそれなのにであります。普通そうに見える女性たちが、読書会で一年以上も

かけて「死靈」を読みつぎ、読了するということに、もっとしっかりしなくては

と思いましたです。

 それにしても、すごいな。

死霊(1) (講談社文芸文庫)

死霊(1) (講談社文芸文庫)

  • 作者:埴谷 雄高
  • 発売日: 2003/02/10
  • メディア: 文庫
 

数年に一度の

 昨日からのニュースでは数年に一度の暴風雪に注意してとアナウンスがあり

です。これは北海道でも日本海側でのことであるようで、これにあわせて北海

道の鉄道路線では、早々に運休となったところがあります。

 当方のところは、本日の午後にさらっと雪が降ったくらいでありまして、暴

風雪には縁遠いお天気ありました。ほんとずいぶんと日本海側と太平洋側では

気象条件が違うことです。

   数年に一度の暴風雪という予報をききますと、そうしたお天気の時に雪にま

かれて命を落としてしまう青年が登場する小説のことを思い浮かべるのですが、

このことは以前にも話題にしておりました。(このような気象条件は、寒さの

ピークが過ぎてから起きるようであります。)

vzf12576.hatenablog.com

光の犬

光の犬

 

  松家仁之さんの「光の犬」はおすすめの小説です。そろそろ文庫になっても

いい頃かなと思うのですが、いまほど検索をしてみましたら、松家さんのデビュー

作である「火山のふもとで」は刊行となって10年近いというのに、いまだ文庫化

されていないので、松家作品の文庫化へのハードルは高いのでありましょうか。

 そういえば、昨年の暮くらいにNHKで「ノースライト」というドラマが二回に

分けて放送され、それを先週にやっとこで見ることができました。原作は横山秀

夫さんで、ミステリー仕立てのものですが、浅間山が見えるところに建てられた

ノースライト(北からの光)を取り入れたこだわりの住宅をめぐる設計者とその

家族、それに依頼者にかかわる話でありました。

 浅間山が見えるところに現実に建てられた住宅を訪れる設計者のシーンを見ま

したら、これがもう「火山のふもとで」の登場人物を彷彿とさせるのでありまし

た。

 数年前にバラ園見物のために軽井沢へと行ったのでありますが、そのときは雨

のために浅間山を目にすることが出来ずで、これはまた来てみなくてはと思いな

がら、再訪できておりません。そのうちきっとであります。

火山のふもとで

火山のふもとで

 

静かな月曜日に

 このところの月曜日というと、一日かけてのパン作りと、散歩、それに家人

の足の確保などをして、そこそこ忙しい日となっていました。本日は家人の足の

確保はなくなり、パン作りもそれなりに作りおきしたのが冷凍庫にありまして、

作業はお休みとしましたので、午前の散歩だけで、午後からの時間はあくことに

なりました。

 ということで、本を読みながらうとうととしたり、音楽をきいたりしながら

過ごすこととなりました。

 このところ音楽をきくというと、ほとんどが動画サイトからで映像を見ながら、

それにあわせて音楽を耳にするというのが普通になってしまいましたが、本日は

ただただCDプレーヤーで音楽を再生して、音だけを楽しむことになりです。

映像に頼らずに、声と言葉と音に耳を傾けることにします。これは当方の子ども

時代の音楽の聞き方と同じでありますが、子どものころと違うのは情報量であり

ますしょうか。

 そういいながら、本日は今月に発売となったアイナ・ジ・エンドさんのソロ・

アルバム(思いっきり暗い曲が多いのですよ)から、ポップでキャッチーな曲を

きいたりです。


アイナ・ジ・エンド - サボテンガール [Dance Movie]

 手にしていた本は、古井由吉さんの「書く、読む、生きる」でありました。

「書く」はともかくとして「読む、生きる」というのには大いに共感することで

す。この本の巻頭におかれた「書く、生きる」という文章(もとは講演であるよ

うです)の書き出しは、次のようになっています。

「私はあと一週間で、七十歳ちょうどになります。早くもこの歳になったと驚い

ていますが、しかし、よく考えてみたら、それほど騒ぐことでもない。」

 平成19(2007)年11月12日に早稲田大学教育学部国語国文学会での講演の冒頭

となります。まさにタイミングがぴったりで、当方もあと数日で七十歳ちょうどと

なるのでありますが、ほんと自分のまわりを見渡しても年齢の多い人はたくさん

いて、まだまだ隠居は許されないという雰囲気であります。

 古井さんは先年に亡くなるまで現役の作家でありましたので、70歳を過ぎてか

らも意欲的な作品を発表していましたが、七十歳を目前にした講演の終わりを次の

ようにしめています。

「人はつねに歳をとりますが、ただ老成すればいいというものではない。作家も

同じです。みなが成熟すればいいというものではありません。若い人たちが出て

こなければならない。高年者にも若い何かが出てこなければいけない。私はまも

なく七十歳を過ぎますけれど、これからはなおさら、まず自身のうちの若いもの

に心を配らなければならないと考えている次第です。」

 「自身のうちの若いものに心を配る」でありますよ、たいくつなじいさんになら

ないようにしなくてはいけませんです。そういえば、古井由吉さんが亡くなったの

は昨年2月18日で、まもなく一周忌であります。 

書く、読む、生きる

書く、読む、生きる

 

深夜の地震に驚く

 昨晩に休むためにふとんに入って、いつものように本を手にしていました

ら、窓のところが小さな音でカタカタとなりまして、隣の部屋におかれていま

すTVが福島を震源とする地震の発生を伝えていました。 

 当地はいつもよりもすこし揺れていたように思いますが、そんなにひどいこ

とにはならずで、震源地に近いところでは震度6強というのに驚きました。

震度6強というと、あちこちで相当に大きな被害がでたかなと思いましたが、

亡くなった人はいないようで、これは不幸中の幸いでありますか。

 それにしても、忘れもしない2011年3月11日から十年もたたないというのに、

ずいぶんと大きな地震が続くことであります。

 本日はあれこれと予定がありまして、ゆっくり本を読むことができずであり

ました。夜になって、古井由吉さんのエッセイを読んでいましたら、次のくだ

りがありました。古井さんが進学した高校に関してです。古井さんは中学三年

のときに盲腸から腹膜炎となって、高校受験の機会を逸して、4月になってか

ら病院から受験した三次募集の高校に合格し、進学することになったという

話となります。

「そうして入学したのが獨協高校です。もともと米英仏にたいしてドイツの学

を学ばせるという権力者たちの肝煎りで出来た学校ですが、戦後のドイツは敗

戦国だから、当時はすっかり落ちぶれてしまっていた。・・隣の四組はドイツ

語が第一外国語の伝統的なクラスなのですが、ひとりガキ大将がいましてね。

そのガキ大将とは、のちの故・古今亭志ん朝師匠。彼はその頃落語家になる

料簡はなく、外交官になろうとしてドイツ語を第一外国語に選んでいたのです。」

 高校を終えてから、古井さんと志ん朝さんに接点があったのかどうかわかり

ませんが、古井さんがドイツ文学に進んだのは、高校でドイツ語を多少かじっ

たことと、「同じ敗戦国の文学ということがあり、戦勝国の方へなびく風潮に

いささか背を向けていた。」とありますので、これは勝ち馬にはのらないと

いうことですね。

 その昔のドイツ文学を専攻するというのには、こういう背景の人もいたのです

ね。

 

書く、読む、生きる

書く、読む、生きる