雨の合間に

 昨日に引き続いて雨が降ったりやんだりの一日でありました。

 当方のところはバラ週間でありまして、知人に声をかけて、バラが見頃

なので見にきてねといったりです。声をかけているのに、雨のせいでバラ

の木が倒れそうになったりしていて、それに支えをつけたり、このところ

急に伸びている雑草を除去したりです。二時間もしていますと雨が降って

来たりして、作業は中断となりました。この週末はあまりお天気がよろし

くないので、どこまで雑草抜きができるでありましょう。

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レディ エマ・ハミルトン

 週末のならいとなっている散歩も、本日は80分実施であります。散歩

に出たときの気温は16度ほどで暑くも寒くもなしですが、戻って来たとき

には汗がどっとでていました。

 戻ったら新潮社「波」と「本の雑誌坪内祐三」が届いていました。

これはうれしいこと、早速開封したのですが、ほとんど読むには至らずで

ありまして、坪内祐三さん本の巻末掲載の年譜が貴重であります。

本の雑誌の坪内祐三

本の雑誌の坪内祐三

  • 作者:坪内祐三
  • 発売日: 2020/06/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 年譜を作るというのも大変でありまして、あちこちの資料にあたっての

作業ですから、文芸文庫などに収録されている年譜には作った人の名前が

書かれているのですが、この本に掲載の坪内年譜は、かなり詳細であるにも

かかわらず、作った人の名前がなしで、奥ゆかしいことです。編集長が作ら

れたのかな。

 これを見て、当方が一番坪内さんの謦咳に接する可能性が高かった日のこ

とを思いだすこと。

「「1998(平成10)年 九月二十九日 札幌大学文化学部長の山口昌男

招きで、初めて北海道に渡る。高橋徹札幌大学で講演。演題は『我ら本

真剣師』。翌日、北海道文学館『有島武郎とヨーロッパ』展、『札幌そ

ごう』古本祭、北大近くの古本屋弘南堂に行く。」

 山口昌男さんが札幌大学に来て二年目ですね。この頃の山口さん企画に

よる講座は、とても刺激的な内容で、当方も遠路はるばる足を運んだこと

がありました。なかでも坪内さんのときには、ぜひとも行きたいと思った

のですが、これが月曜日で仕事が厳しくて、とっても休むをとることがで

きずで、結局は足を運ぶことができず、その後も講演を聴く機会には恵まれ

ませんでした。縁がなかったということか。

バラ週間かな

 こちらは今がバラの見頃であります。周辺の町のほうがすこし早くに

満開となって、当方の住むところは来週くらいがピークを迎えることに

なりそうです。

 何度も返り咲くとはいっても、バラの盛りは3週間くらいで、一番いい

のはやはり一週間くらいでしょうか。その期間に雨でも降ったものなら、

傘でもさしてやりたく思います。

 当方が住むところから1時間半くらいのところに、いくつかバラ庭園が

ありまして、本日はそのうちの2箇所をめぐることになりです。先に訪問

したのは市営の公園で、こちらにはオールドローズが多くあり、ほとんど

園芸店では目にすることのできないバラを楽しむことになりです。

写真をとると白樺の木とバラが写り込んで美しく、軽井沢のような雰囲気

となることです。

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 オールドローズの花は、盛りを過ぎていたので、残念写真をとることはでき

ずです。当方のところでもオールドローズを植えていたのですが、これを数年前

にだめにしてしまって、今は植える場所がないせいもあって、手が出せません

です。

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 次の庭園は、北海道土産で有名なお菓子やさんのもので、ちょうど塔の上

のからくりが姿を見せたところです。こちらの庭園は、英国産出のバラが

中心で、色ごとに固めて見せていて、とっても見ごたえがありです。

これまで何度か足を運んでいるのですが、今回がベストのタイミングであり

まして、いままでこんなに良い状態の花を見られたことはありませんでした。

いつもでありましたら、海外からのお客さんでびっしりで、写真を写すのも

たいへんでありましたが、本日は海外からのお客さんはゼロで、当方のほか

に何組の見物客がいたのでありましょう。

 ここの英国産出のバラには、当方のところで育てているものもあって、そ

の出来栄えの違いにがっくりとくるのですが、これを目標にして、手をかけ

なくてはです。

 この英国バラ(デビッド・オースティン)には、英国文化人の名前をつけ

たものがありまして、本日に見たのはシェークスピア、ジョン・クレア、

ウィリアム・モリスベンジャミン・ブリテンなどです。

ジョン・クレアなんて、「薔薇盗人」上林暁さんの小説のタイトルにもなっ

ていますし、ウィリアム・モリスというのも気になるバラであります。

文学者の名前を冠したバラを育てるというのも楽しいのですがね。

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ジョンクレア

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ウィリアム・モリス

 ということで、本日は時々雨が降る中を、200キロのドライブとなりです。

週末には、あと一箇所くらいは見物にいかなくてはです。

図書館の本

 このところ図書館から借りる本はみすず書房からのものが多くなって

います。このまちの本屋さんでみすずの新刊を手にする機会はほとんどあり

ませんので、それだけ図書館という存在はありがたい。他にあまり借りる

人がいないというのも、当方にはありがたいことで。

 そんなわけで借りてきた新刊は、「刃物たるべく」という本です。

刃物たるべく――職人の昭和

刃物たるべく――職人の昭和

  • 作者:土田 昇
  • 発売日: 2020/04/13
  • メディア: 単行本
 

  著者の土田さんは、土田刃物店の三代目ご主人で、年に何度か「なんでも

鑑定団」で見かける人であります。

 今では姿を消しつつある大工道具つくりの名人たちがつくった道具を販売

しているのですが、この本の表紙に掲載のハンマーもそうした道具なので

しょう。

 このハンマーのことを「狂い直し用槌 長谷川幸三郎作 昭和40年代

後半」と紹介しています。なぜ、この槌が、この本の表紙を飾るのでありま

しょうか。

 それを知るためには、300ページほどのこの本を読む必要があるようです。

弘法は筆を選ばずといわれますが、そんなことはなくて、すぐれた職人は、

皆さん良い道具(高価なものではなく)を求めるようであります。

本の入れ替え

 借りている本の返却期限が来たものですから、図書館へといって本の

入れ替えであります。ほとんど読むことができていないので、それは再度

借りることになりますが、他に借りたいという人がいなければ、ややしば

らく継続して借りることができます。

 この本などは、リクエストが入っていて延長できないだろうと思っていた

ものが、ラッキーなこと他に希望者がいないので、また二週間手元において

おくことができることになりました。

治したくない――ひがし町診療所の日々

治したくない――ひがし町診療所の日々

 

  斎藤道雄さんによる浦河町での医療レポートの第二弾となります。

統合失調症と診断されている人たちへの、ひがし町診療所スタッフの関わりが

書かれています。

 この診療所の川村先生の言葉はかぎ括弧で引用され、考え方は斎藤さんに

よって地の文に整理されています。ほとんど斎藤さんに川村先生が乗り移った

ような形となりです。

「精神病はかんたんに治すことができない。ほかの精神科医は大量の薬を使い、

症状を抑えて治したというかもしれないが、一見かんたんですばやく問題を

消し去るかのような『治す』を、わたしはしない。そうしたところで、問題は

再帰するだけなのだ。まずいっしょに考えよう。何が起きたのか、どんな苦労

があるのか、『症状』や『問題』の陰に隠れているものは何なのか、少しずつ

解きほぐしていこうではないか。病気の苦労と暮らしの苦労と、分けられると

ころは分け、それぞれの苦労の深さを見てゆこう。そこであなたは何を、どの

ようなことばにしてゆくだろうか。」

 東町診療所の川村先生は、最初はアルコール依存症の治療をメインにしてい

て、その後浦河で幅広い患者さんに出会うことになるのですが、浦河の病院勤

務時代に長期入院で社会から隔離することは、人にとって何もいいことはない

と、受け皿を作って退院を進めることにより、病院精神科は不採算となり、

それが病院コンサルから精神科は廃止するようにとの提言につながります。

 どちらの精神科病院も、たぶん似たりよったりでありまして、患者さんに

とってより良い医療を提供すると、たちまち経営が成り立たないという医療保

険制度なのですね。

 どのような病気になっても、自分にあった医師を見つけるというのは大変で

ありますが、なかでも精神を病んだ時に、自分にあった医療機関はあるのだろ

いうかです。

悩む力

悩む力

  • 作者:斉藤 道雄
  • 発売日: 2002/04/17
  • メディア: 単行本
 

 

夕食後にも見回り

 先日が夏至でありましたので、この時期は一年で一番昼間の長いことに

なります。当地は夜明けが早く、暮れるのもその分早いのでありますが、この

時期は19時過ぎまで明るくて、ちょっと早くに夕食を済ませましたら、その

あとに庭の見回りに行くことができます。

 朝に見回りしたときには、まだ開ききっていなかったバラが、日中のお天気

のせいですっかり開いていたりするのを見ることになりです。

昨年とくらべて、今年のバラの具合はいかがでありましょう。ちょっと前の

新聞の土曜特集にオーガニックにこだわった庭造りに取り組んでいる庭師の

女性が取り上げられていましたが、バラに限らず写真映りを考えますと、

薬剤散布は必須のようにいわれますが、すこしくらい虫食いや、黒星病がでて

いてもいいではないかと考えるようにしなくては、薬剤のために、花を楽しむ

ことができなくなります。

 当方の場合は、見回りはするのですが、薬剤(特に農薬系)はまったく使わ

ずでありまして、神経質な人からすれば、こんな放ったらかしでとなるので

ありましょう。

 それでも、今のバラは一番花ですので、バラの木もそんなに消耗していま

せんので、まだまだ元気です。バラを返り咲きにして、一年に何度も咲かせる

ように改良したのは、大発明ではありますが、バラの木にすればいい迷惑という

ことになるのかもしれません。

 ということで、本日庭で咲いているバラたちです。

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ロイヤルジュビリー

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クイーンオブスウェーデン

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グラハム・トーマス

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L.D.ブレイスウェイト

   まだ花数は少ないのですが、それぞれの一番花となりです。いずれも英国で

産出されたものとなります。意外に英国バラは、当地の気候風土にあっているの

かもしれません。

初心にかえって

 初心にかえってはパン作りの話でありまして、オーブンがかわったこと

で、手順の再確認をすることになりです。今回の失敗の原因の大きな一つ

はレーズン酵母の出来がよろしくないこともあるようで、そんなわけで

ほんと久しぶりでドライイーストを使ってのパン作りとなります。

 すでに何年もドライイーストを使っていないので、冷蔵庫に保存されて

いたイーストは弱くなっているので、新しいものを買ってからやりましょう

と思って店にいって、ここしばらく日本全国で粉をつかって家庭生活を楽し

むというブームが起きているいるのを失念していました。

 そんなわけでもう2年以上も前に購入したドライイーストを使うことに

なりです。昨日には2斤型の食パンを焼いて、本日はフランスパンを焼いて

みることになりです。久しぶりの焼き上がりにイーストの匂いでありまし

た。オーブンに仕込まれている番号を打ち込み、スタートを押すと、それ

で焼きまでいけてしまうという未体験の作業となりです。出来上がりは

まずまずでして、よしまたやってみようです。

 イースト利用のパン作りは、天然酵母パンとくらべると作業時間が早いの

で、発酵させている時間を利用して散歩や買物にでたりすることができずで

ほぼ四時間でありました。

 その間は、本を読んでいたといいたいところですが、そうは問屋がおろさ

ずでした。多和田葉子さんの「星に仄めかされて」は残りが少なくなって

いたのですが、この小説は先を急いでてもいいことは何もないことで。

 そんなこと思いながら、先日のブックオフで購入したなだいなださんの

岩波新書を手にすることです。

  これはその前にでた「権威と権力」に続くもののようです。1992年に

でたときには、まったく知りませんでした。その頃はなだいなださんに

関心がなかったのでしょう。

 本日は頭とおわりのところをのぞいてみたのですが、ここに次のような

ことが書かれていました。

「ぼくは社会主義の優等生ではなかったが、19世紀以来の社会主義運動の

流れを見渡すと、やはりその流れのなかに浸かっていた一人ではないかと

思う。

 だが、社会主義を信じていたからかというと、そうではない。ぼくは

へそ曲がりで、かって書いたことがあるが、人が右へ行けば左に行く、

みなが左に行けば右に行くという性質があったからだ。非常に簡単な

行動原理である。ぼくは常に、われは少数派なり、を誇りにしてきた

へそ曲がりであった。

 さて、社会主義国家は、今、われ先に社会主義を放り出している。

ぼくはそのときになってへそ曲がりから、人の捨てるものを拾ってみる

気になった。」

 社会主義国家といえば、いまはほとんどなくなっているようですし、

あってもほとんど人権抑圧が売りのような国家になっていますね。

混迷する自由主義(?)の大国 USAにおいて、社会主義者を自称

する上院議員が、若い人たちの支持を集めて大統領選候補にでてい

こうとしたのは記憶に新しいことですが、やりたい放題の新自由主義

による格差拡大に歯止めをということになると、新しい社会主義

ようなものが求められるのでありましょう。

 時代遅れのへそ曲がりが脚光をあびることになりそうです。

So Far Away

 小林克也さんがMCをつとめる音楽情報番組5月23日の放送分は、冒頭に

Stay Homeということで、キャロル・キングさんが自宅から歌っている

「So Far Away」の動画が流れました。

 キャロル・キングさんの代表的なアルバム「つづれおり」に収録の一曲

ですが、ちょうどこの時期にふさわしい内容の曲でした。それをさらに

キャロルさんは2020年版として、一部歌詞を変えてうたっていました。

非常に若くしてデビューしたキャロルさんですが、すでに60年を超える

キャリアですが、相変わらずで魅力的な歌声でありました。

  あとすこしで80歳になるのでしょうが、このような人が現役でやっている

というのはありがたいことですね。同年輩の日本の女性といえば、誰を

思い浮かべるでしょう。80歳に近い役者さんでも音楽家でも。

 このときの動画は、you-tubeにあがっています。


A Message from Carole King - So Far Away 2020

 この曲に続いて小林さんは「君のともだち」の1983年モントルー

でのライブを流していました。「君のともだち」は名曲でありまして、

人気の高いものですが、これの歌詞が、本日の当方の気分にマッチする

のでした。

 本日は50年来の友人から、数日前に病院から退院したが、パソコンの

状態が悪いのでサポートしてほしいといわれ、他地域との往来がゆるく

なったこともあり、車で駆けつけることになりです。

幸いにしてパソコンは小生でも解決できる単純なもので、友人の状況も

すこし安心できる体調でありました。

 何かあったら、また連絡してなといって戻ってきたのですが、帰りの

車ではちょうどキャロル・キングの「君のともだち」が流れていました。


Carole King - You've Got a Friend (from Welcome To My Living Room)